表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/66

59 敵は向こうに

よろしくお願いします。



 ポー、眼前のベディエに大刀を真っ直ぐ、ベディエの頭上へと大きく振り下ろす。

ベディエ、受けるがポーの恐ろしいほどの力にあらがえない。

鍔迫つばぜり合いでポーの力に押されている。

エリオット、ブランシュ、イズーは、ポーとベディエの一心一体の攻防、力と力が重なり合う動きに援護できないでいる。


「お兄様、離れるのよ」


 ブランシュの叫び、そう言われてもポーの力に押されて身動きができないで、歯を噛み締めている。

ここで引けば必ずポーの大刀がベディエの眉間を斬り裂くであろう。


 エリオット、瞬間移動でポーの背後に回ろうとするが、それを悟ったポーがエリオットが現れるであろう場所に、剣を持っていない方の手で先回りする。


「そこだ」


 エリオット瞬間移動で現れるとともに、その場でポーの手に捕まり、ポーの指がエリオットの首に食い込む。


 ポーの怪力にエリオット、念動力で抵抗しているが、ポーの爪がエリオットの皮膚を破り首から血が流れ出している。


「両手が塞がっているわ」


 そう言うとブランシュはクノーを両手に持ってポー目掛けて突進する。

クノーを投げて、万が一にをもはずせば、ベディエとエリオットに被害が及びかねない。


「ブランシュ、駄目よ」


 イズーが慌てて叫ぶが、ブランシュはそのままの勢いで飛び込んだ途端にポーに蹴りを見舞わされ、クノーごと飛ばされ後方の壁に激突させられる。


 それを見ていたイズーの目が充血し出す。

否、赤く光り出しているかのようだ。

イズー両手を前に出す。

またもや破岩術の構えか。


「ほー、ここで破岩術を使うとは、私諸共親兄弟と仲良くお別れをしたいのかな」


「そうはいかないわ、死ぬのはあなただけよ」


 そう言うとイズーの握られた拳が勢いよく開く。

ポーの左肩が爆炎を上げる。

エリオットがポーの腕と共に空中へ投げ飛ばされる。

エリオット、空中で首に食い込んだポーの爪を、ポーの体から切り離された左腕の手首を掴んで首から抜き、ポーに投げつける。


「貴様の腕一本、返してやる」


 そう叫んで、着地する。

エリオットの首からは、栓になっていたポーの爪を抜いたため更に血が流れ出す。


「ふ、再生するなら腕も要らぬか」


 エリオットは呟きながら、ポーの切り離された左腕を蹴り飛ばす。


 一方、その虚をついてベディエは鍔迫り合いになっていた剣を引き、ポーの腹部へ横殴りに剣を振る。

剣が虹を引きながら美しく弧を描く。

硬い鱗に阻まれて高い金属音と共に激しく火花が散る。

ポーの大刀はベディエが引き去った剣のために、力の行くへを失った刃先が、そのまま勢いよく王の間の床を切り裂く。

その大刀の刃先を上に立て直し、ベディエ目掛けて振り上げる。

肩からは新たな腕が生え始めている。


 その時、ブランシュが言う。


「敵が大勢やってくるのが感じられるわ。百人くらい、妖魔じゃないわ、でも私達を狙ってる」


 思わず、ポーの大刀を避けて後方に跳んだベディエに破邪の剣が語りかければ、パステルナークが答える、


「あの姿は人間、フロサンの商人に雇われた傭兵部隊です」


 ブランシュと同じく念通力を使って城外の様子を見たパステルナークが言った。


「母さん、譬へ人間であったとしても、この状況で相手にすればポーの思い通りの戦いになりかねません」


 風の者四人が肩で息をしている。

ただでさえ再生能力を持ったポーを相手にしていると言うのに、百人もの傭兵達を相手になどしてはいられない。


 全員の動きが止まっている中、薄笑みを浮かべているのはポーだけである。


「ふふふ、どうする? 人間を斬るか? 百人もの命を斬り捨てるか?」

ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ