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知識チートで推理無双?!~特殊捜査室事案対応ファイル~  作者: 高岩 唯丑
悪魔のささやき、あるいは女神の……
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「四十年前に起こった原因不明の火事……魔力紋が残っていなかったから、誰かの放火ではないし、家の誰かが魔法で火を起こして、それの不始末で火事になったわけでもない」

 僕は説明する様に、ハルソンに言葉をかけた後、ジョマに向かって問いかけた。

「ジョマ、騎士団は結局、この火事の原因を見つけられなかったんだよね」

「はい、特殊捜査室はまだなかったですし、あってもたぶん解明は出来なかったんじゃないですか」

 ジョマは諦めたように首をすくめた。仕方がない事ではあるけど、それでは頼りなさすぎるなと、僕は少し思ってしまう。

「でも」

 そこで言葉を切って、僕はハルソンに顔を向け、続ける。

「あなたは、その原因を突き止めた」

 僕の言葉にハルソンは目に見えて、体を強張らせる。僕は構わず続けた。

「あなたは、発火の瞬間を見たのか、納得できずにずっと調べ続けたのかわかりませんが、そうやって原因を見つけた」

 三件の火災現場の情報は残っていた。しっかりと魔法で写し取られていたおかげで、火事の原因はすぐにわかった。

「焼け残った現場には、共通の物が残っていました……なんだと思います?」

 犯人であるハルソンには分かり切っている問いかけ。でもハルソンは僕の問いかけに、答えない。カタカタと小刻みに震えるばかりだった。

「答えてくれませんか、では正解を言いましょう」

 その言葉に、ハルソンは懇願する様に、僕を見つめる。間違っている事を望んでいるのだろうか。真実に気づいていない事を願っているのか。僕は構わず続ける。

「水の入ったガラスの水差し……もしくはそれに類する物です」

 過去に起こった謎の火災は、収れん火災が原因だった。収れん火災というのは、つまり日の光が水の入った物や、鏡に当たって集中してしまい、発生する火事。虫眼鏡で物を燃やしたりする原理と同じだ。

 科学技術が進んだ日本でも、あまり知られていない火災原因。そのせいもあって、日本では一年に何件か、この火災が起こっている。水の入ったペットボトルを並べている家が多いのも原因だろう。日本でさえこれだ。おそらくは、この世界ではもっと起こっているのではないか。魔法ですぐに消したり、騎士団に助けを求めていないケースが多々ありそうだ。

 そして、犯人は凶器に日の光を使ったのではと考えた僕は、異世界人が、日の光に熱がある事を知る機会が、どこかにあったのではと思い、過去の事件を調べた。そして、ハルソンの名前を見つけた。今回の事件の関係者。しかも、日の光に熱がある事を、認識できるかもしれない事故だった。

「そ、それでどうして」

 かすれた声でハルソンが言う。僕がすでに真相にたどり着いている事を悟っているのか。それでも無駄なあがきをするために、ハルソンは続けた。

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