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知識チートで推理無双?!~特殊捜査室事案対応ファイル~  作者: 高岩 唯丑
悪魔のささやき、あるいは女神の……
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「あなたがリドル・ネリアル氏を殺害した犯人ですね? ハルソン・ゼプファンさん」

 僕とジョマは、昼間のアカデミーの一室で、ハルソン・ゼプファンを前にして、そう告げていた。周りに人はいない。人が死んだという事で、アカデミーは休講になっているらしい。でも教諭たちは、研究のためにアカデミーに来ているのだから、研究者は逞しい。

「何を言っておられるのです?」

 心底訳が分からないという感じで応じるハルソン。僕は少しだけため息をつく。ここですぐさま自白してくれれば簡単だったけど、さすがにそれはありえない事だった。

「嫉妬に狂って、あなたが殺したんでしょうが!」

 我慢出来なくなったように、ジョマが声を荒げる。ヒートアップが早すぎないだろうか。そのセリフとテンションは終盤位に出る物では。

「ジョマ、落ち着いて」

 僕はジョマの肩に軽く手を置く。一応それでわかってくれたのか、ジョマは少し不満そうに、一歩引いた。

「殺したというのは?」

 やっぱりわからないという感じで、ハルソンは聞いてきた。こういう態度をとられると、間違っていないか少し不安になってくる。僕は自分を信じて、一度息を吐くと、ハルソンを見据え口を開いた。

「僕はあなたがネリアル氏を魔法を使用して、殺害したと考えています」

「は? 魔法? 魔力紋は残っていたんですか? 彼の遺体に、私の魔力紋が」

 至極真っ当なハルソンの返答。魔法を使用すれば魔力紋が残る。誰もが知っている常識だ。

「魔力紋は残っていませんでした、その周辺にも一切……誰の魔力紋も一切ありませんでした」

「では、私ではないし、そもそも不慮の事故では?」

「……魔力紋が残らない例外があるのは知ってますか?」

 自分の問いかけを無視された形のハルソンは、少し不機嫌そうにした後、僕の問いかけに答える。

「魔法によって作り出された物以外、例えば、何かを操った場合、操った物に魔力紋は残り、それ以外には魔力紋は残りません」

「はい、そうです」

 僕は一拍おいて、言葉を続けた。

「その例外を用いて、あなたはネリアル氏を殺害したと考えています」

 僕の言葉に、ハルソンは少しだけ反応する。体が強張った様に見えたのだ。的外れではなさそうだと、僕は少し安堵しつつ、言葉を続けた。

「ところで、昔、ハルソンさんは怪事件に巻き込まれていますよね?」

「か、怪事件? ……あぁ、そうですね、子供の頃ですが」

 特殊捜査室事案の過去の事件を、僕は調べた。過去に原因不明の火事が三件発生しており、そのうちの一件に、ハルソン・ゼプファンの名前が、被害者として載っていたのだ。

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