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知識チートで推理無双?!~特殊捜査室事案対応ファイル~  作者: 高岩 唯丑
悪魔のささやき、あるいは女神の……
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 それから、僕たちはああでもない、こうでもないと議論を交わしたけど、結論は出なかった。レストルアは、これ以上、自分の仕事を放っておけない、という事で帰っていき、僕とジョマだけになった。

「むずかしいですねぇ」

 座ったまま腕を組んで、ため息まじりで吐き出す様に言うジョマ。そろそろ頭が限界なのか、集中力が無くなっているようにも見える。かなり頑張った方だろう。良く知恵を出してくれた。

「ジョマは休んでて」

 僕は立ち上がって、口を開く。先ほどレストルアからもらった現場情報の巻物を、机に広げた。

「ロクはどうするんですか?」

「現場をもう一回見ようと思って」

 それだけ言って、僕は巻物に手をかざして魔力を込める。すぐに現場の光景が目の前に広がった。

「何かないだろうか」

 ネリアル氏の黒焦げの遺体を、僕は眺める。遺体はある程度観察したつもりだったけど、その時、気付かなかった事があるかもしれない。僕は遺体のそばで腰をかがめる。

「私も、手伝いますよ」

 不意に後ろからジョマの声が聞こえて、次の瞬間には、ジョマは僕の隣で同じように腰をかがめていた。

「休んでいれば良かったのに」

 僕の言葉に、ジョマは不敵に笑う。

「魔力紋を調べる事もできないでしょう、ロクは」

 痛い所を突かれた。僕はまだ魔力紋をはじめとした、検査を習得できていない。この世界に来て、まだそれ程経っていないのだから、仕方がない事ではあるのだけど。

「そう……だね、ありがとう」

 僕が発したお礼の言葉に、ジョマが二ヒヒと、照れ笑いを浮かべる。頼りたくない訳ではないけど、自分でもその辺の魔法を習得すれば便利だろうな。それに、この世界は、死亡推定時刻とかも知られていないだろう。その辺も検査できるように、魔法を調節する事が出来れば、役に立つ。今回はたまたま発火の瞬間を目撃されていたから、死亡した時間は確定していたけど、そうではない場合もこれから出てくるだろうし。

「この事件が終わったら、魔力紋を調べ方を教えてよ」

 僕が言うと、少し申し訳なさそうにジョマが口を開く。

「……バタバタしてましたけど、本当は最初に、そういう基本は習得してもらう物なんでしょうけど、出来ていませんし……そうですね、やりましょう」

 ジョマが頷いたのを見て、僕も頷いてから、声を出す。

「じゃあ、そろそろ、目の前の事件に集中しないと」

 僕はネリアル氏の遺体に視線を戻した。何か見落としていることは、無いだろうか。

次の更新は明日27日の朝9時からです!

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