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知識チートで推理無双?!~特殊捜査室事案対応ファイル~  作者: 高岩 唯丑
悪魔のささやき、あるいは女神の……
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 僕たちは現場記録から出る。出ると言っても、精神だけが入っていたから、魔法陣から手を離しただけだ。

「それで、なんでしたか?」

 僕が勧めた椅子にレストルアは腰掛けながら、そう問いかけてくる。その正面に僕が座ると、ジョマが僕の隣に座った。機嫌を直したようではなさそうだけど、話に混ざるつもりの様だ。

「あんまりなじみが無いから聞きたいんだけど、ガラスの加工について……というより、物の加工についてかな」

「物の加工ですか……どうしてまた?」

 僕の疑問の意図を計りかねたのだろう。レストルアは不思議そうな顔でそう聞いてくる。

 物の加工には、熱を利用する場合が多い。現在は魔法を使って火を起こしているだろう。使わない理由がない。魔法は使い勝手が、かなり良いだろうから。でも、魔法がなかった時代はどうしていたのだろうか。火を起こすのに、何か道具を使っていたのではと、僕は考えた。それによって、魔法を介さず、火を起こせるのではと。当然魔力紋は残らない。

 僕はその辺の話を、掻い摘んで問いかけて、レストルアの言葉を待つ。

「ロクは……魔法史は苦手でしたか?」

 クスクスとレストルアが笑う。苦手も何も、その分野を知らない。というかそういうのがあるのに、ジョマは知らなかったのか。僕はジョマに視線を送る。

「……なんですか」

「ジョマも、魔法史は苦手?」

「魔法を使うのに、歴史は関係ありませんね」

 まぁそうだけど。自信たっぷりに言うジョマに、レストルアは呆れた顔を見せた。僕はそれほど呆れていない。合理的ではある。確かに歴史を知らなくても魔法は使える。

「まぁいいでしょう」

 講義を始める合図の様に、一度咳払いをして、レストリアは言葉を続ける。

「産業史はそのまま、魔法史と言い換えられます」

「別もんでしょうが!」

 ジョマが、意味の分からないクレームの声をあげた。レストルアは無視すると決めたのか、一瞥もせずに話を続ける。

「先ほどロクは、魔法がない時代、物の加工はどうしていたのかと聞きましたが」

 指を一本立てて、レストルアが続けた。

「勘違いが一つあります」

「勘違い?」

「そう、前提が間違っていると言いますか……おそらく、ロクは順序を勘違いしています」

「勿体ぶるのやめてください! さっと言うですよ!」

 続きを待つジョマが、耐え切れなくなったのか、文句を口にする。レストルアは一度ため息をつくと、口を開く。

「そもそも、魔法の発見があったから、産業が始まりました」

 僕はレストルアのその言葉で、色々と理解する。そういう事か。

「なので、ロクの疑問に答えるのなら……魔法がない時代に産業はありません、なのでその観点から言えば、魔法無しで火を起こす方法はありません」

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