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知識チートで推理無双?!~特殊捜査室事案対応ファイル~  作者: 高岩 唯丑
悪魔のささやき、あるいは女神の……
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 さすがに、言い争いは長く続かなかった。冷静になった三人が三様に、気まずい雰囲気を出す。何てアホな事をしていたのだろうか。大人三人が集まって、バカ、アホ、と低レベルな口喧嘩をしていた。手を出すケンカに発展していないだけ、まだマシだけど。

「ふぅ」

 僕は気持ちを切り替えるために、軽く息を吐き出す。何の話をしていたか。ガラスの加工についてだった。でもその前に、レストルアが訪ねてきた理由を聞いた方が良いだろうか。

「変な事に巻き込んで、ごめんね」

 用件を尋ねる前に、僕は一言、レストルアに謝罪する。

「いえ、取り乱した私も、悪いので」

 律儀に、こちらに体を向けて軽く頭を下げるレストルア。それに比べて、ウチのアホ子は、明後日の方向を向いて腕組み。ただ、それを指摘して、また不毛な言い争いをするのは愚かな行為だ。僕はグッとこらえて、レストルアに問いかける。

「用件、なんだった?」

「……先ほど言った通り、進捗の確認と、お渡しする物があって」

「渡すもの?」

 僕が疑問の声をあげると、レストルアが懐から巻物を取り出す。

「今回の事案の、現場記録です……本来なら、情報をすべて盛り込んで報告書にしますが、必要かと思い、先に現場記録のみ持ってきました」

 レストルアの言葉に、ジョマは鼻を鳴らして「いつもより、随分早いですね」と、独り言のように呟く。ケンカを、吹っ掛けようという感じではないから、少し安心した。こう言っては何だけど、ジョマ一人の時は解決できるという期待感が薄かったから、レストルアも援助に消極的だったのでは、と思ってしまう。まぁ、これは言わないでおこう。

「ありがとう」

 僕は現場記録を受け取り、中身を確認する。中には魔法陣らしきものが描かれているだけで、文字はない。給金と寄宿舎の使用権利を貰った時に示された魔法陣と、似ている気がする。なんとなく使い方は分かるけど、一応、聞いておこう。僕は微苦笑を浮かべて、レストルアに問いかける。

「ちなみにこれは、どうなってるの?」

「……そうでしたね、頼りになる物で、ロクが入りたての新人という事を、つい忘れてしまう」

 微笑んでレストルアが言った。僕としては頼りになるという言葉は嬉しい。僕も微笑んで返すと、ジョマが鼻を鳴らした。まだ、ケンカの余韻があるのか、ジョマは不機嫌継続中。変な事を口走ると、また突っかかって来るかもしれないから、気にしない事にした。

「これは現場記録、この魔法陣に現場が写し取られています……言葉で説明するより、見てみた方が早いでしょう、机に広げて置いてもらえますか?」

 僕は言われた通り、近くの机に、魔法陣が見える様に、巻物を広げて置いた。

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