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ハマルの成長と主人のこれから☆




 ▽レナたちが 赤の聖地に 帰還した。


 家事をする仲間がいつもより多くいたので、ガーデンテラスがパーティのように飾り付けられている。色とりどりのサラダや海鮮カルパッチョ、ポタージュスープ、チョココが甘くしてしまったパンなどが並び、湯気を影の魔物がつまみ食いしている。


 あとは、レナたちが狩りの成果を持って来たら食卓が完成する。



 リン、と玄関に備え付けられたベルが鳴った。


「あ! おかえりなさい!」


 主人を待っていたみんなが、ぱっと扉を振り返った。


 ▽レナが 半べそをかいている。


 ▽待機従魔たちが にわかに殺気立った。


「ルーカさぁん〜! 助けてぇ〜!」


 ルーカが紫眼をぱちくりとさせて、レナを視た。


「……ああはいはい、そういう不安ね……なるほど……。はーいみんな大丈夫だから殺気鎮めようね〜。レナも安心して」


 待機従魔たちを振り返ってルーカが告げると、一日家事長として築いた信頼から、後輩たちが殺気をおさめる。


 レナもつられて少し落ち着いた。


「安心、してもいいですか?」

「いいよ。手伝うから」


 はい、とルーカが片手を上げたので、レナが手のひらを叩いた。ピチュン!

 友情的なハイタッチだ。


「僕も安心した。まだ、頼ってくれるんだよね」

「当たり前ですし」

「でもまあ今日はね、ちょっとそわそわしちゃったから」


 ルージュ先生にカルメン先生、レナの先生が二人も増えたし、レナ自身がルーカから遠ざかっていたわけだから。

 すべてが、従魔である自分の不安を増長させたようだ……とルーカの自己分析。


「だからレナをグンと成長させる方法を僕もずっと考えてました。危険も伴うけど……」

「そういうの待ってました! 危険からは守ってくれるでしょ?」


 レナはピチュピチュピチュと何度もルーカの手を叩くと、ルーカがくすりと笑った。


 レナは悩みが解消されてドッと疲労が押し寄せてきて、そのまま後ろに倒れこむとハマルにもふんっっと埋もれた。


『んふーレナ様積極的〜』


 みんなが守ってくれると信じられるから。



「はーー。安心したらお腹空いちゃった……」

「そっか。うん、支度をしよう。狩りもレベリングも上手にできたみたいだね。お疲れさま」

「じゃーーん!」


 ▽レナは 自信満々に振り返った。

 ▽ドラゴンの尻尾をレグルスとオズワルドが担いでいる。


「血抜きもできてるよん」


 クレハがピースして舌舐めずりすると、


「共有したーい!」


 イズミがすっ飛んで行って、抱きつく。そのまま溶け合って紫髪のクーイズとなった。


「美味しい♡ 嬉しい♡ 美味しい♡♡」

「先輩落ち着いてください……あと……ついでに俺の角から毒味してますよね……」


 クーイズは片手でとろけそうな頬を押さえながら、片手でジレの頭を撫でているので、ジレは自ら注意する。


 ジレを心配しながら待っていたアグリスタとマイラが、ほーっと深い息を吐いた。

 それに気づいたジレが、控えめに手を振る。三人とも、ここに来た当初よりも、随分と仲良くなっている。


 リリーとクーイズの血液談笑に、後輩が恐れおののく。



 オズワルドの[重力操作グラヴィティ]で宙に浮いたドラゴンの尻尾を、白炎で炙る。

 ▽ドラゴン尻尾の白炎焼きが完成した!

 ▽スパイスソースを塗って召し上がれ!


「いただきます」


 ▽特別贅沢な食卓になった!




 玄関ホールに全員が集う。

 ふああとあくびをしながら。

 なにやら今のハマルはモヤをまとっていて、近くにいるだけでも眠くなってしまうのだ。

 わずかな緊張感を持つために、ぴしっと背筋を伸ばしてウェルカムチェアに座る。くにょん、と背筋が曲がってしまって、隣にいる仲間に起こしてもらったり。


 玄関先ならばロベルトたちも控えていられる。

 聞いてもらっていれば魔王国などへの報告がスムーズだ。

 キラから録画提供もできるが、情報の信頼性は護衛部隊を通していないと一般魔人族たちには認められにくい。

 おっと聖霊対策本部だったっけ……さっき白炎で炙ったドラゴン肉を食べたばかりだけど。

 閑話休題。



<報告会を始めまーす>

「「ぱふぱふーー♪」」

「「もぐもぐーー♪」」


 クレハとイズミが眠気を吹き飛ばすように声を揃えて叫ぶと、ミディとチョココがアレンジを呟いた。

 ▽せっかくなのでと全員にミントキャンディが配られた。

 ▽飴を舐めながら、話が始まる。

 ▽自由すぎる。



「まずは私、藤堂レナの報告から。ふああ……」


 レナがふるふると頭を振る。


「テンション上げていきましょう! ルージュ先生との訓練で経験値を重ねて、カルメン先生の訓練でレベルがふたつ上がりました!!!!!!!!!」

「「えらーーい!!!!!!」」

「ありがとう。あと[騎乗][羊鞭]を覚えまして……」


 羊鞭……と会場がざわざわした。


「それから……ハーくんが進化を迎えまして」


 レナが告げると、またざわざわっとした。


 世界の福音ベルはレナパーティの全員に共有されている。なんなら朱印の”守護者”(ヴァーミリオンサーヴァント)にも通じているくらい。

 ハマルの進化の可能性は、従魔全員が知っている。


 ざわざわしたのは、レナがどのような判断をするのか? 従魔より強くなりたいと願っているならばハマルの進化は……


 後輩が不安そうに顔を見合わせている。なにが正解かまだ分からない。


 先輩たちはもう見当をつけた。



 ハマルは「レナ様に鞭打たれちゃってテンション上がっちゃったぁ〜」とてへぺろしている。

 ルーカの予想よりもはるかに早く、成長してのけたのだ。ルーカの苦笑を受けて、ハマルはやっぱり「てへ」とのんびり舌を出した。


(レナ様を心配させちゃったぶんは多めに取りかえすから〜)



 レナがハマルを手招きして呼ぶ。

 ハマルがとててっとやってきて、ぽふっとレナに抱きつく。


 白金色の頭はレナの胸の下あたりで、もこもこの首飾りと手綱のリボンがたなびく。レナはこの大きさでの思い出を忘れないように、名残惜しむように撫でた。


「ハーくん。進化したい?」

「したいです〜!」


 ハマルの答えに迷いはなかった。

 レナの微笑みは優しい。


(従魔がそう望むなら!)


「えっとね〜。ずっと、レナ様の望みを叶える羊になりたかったんです〜。つよーい力で悪をぶっ飛ばしたいですし〜。お望みの夢を実現させたいし〜。それからねぇ髪を伸ばして、いっぱい愛でてほしいんです〜」

「ああもう! 可愛いなぁ!」


 レナがくしゅくしゅとハマルの髪をかき乱す。

 この素晴らしい白金色の髪・羊毛が変わることはないだろう。たとえ進化したとしても。


 レナのお気に入り。そんな自分がハマルはお気に入りなんだから。

 ▽頼むぜ幸運!!



「じゃ、進化いっちゃいましょ〜」

「やったー♪」


「は、はいっ」


 ジレが震える手を挙げた。

 注目されて縮こまったが、手は降ろさない。


「進化で、レナ様の今日の努力を追い越してしまうんじゃありませんか……?」

「そうだと思う。でもなんとかする方法を、一緒に考えてくれるって仲間が言ってくれたから、いいんだ」


 レナの言葉にルーカがにっと笑う。

 レナもそっくりに、にっと笑った!


「ハーくんがプラスになるんだから、私はもっとプラスになったらいいの。どっちかをマイナスに据え置くよりもポジティブだよね?」

「「「きゃーー! 従えてーーー!」」」


 リリーとクーイズがすばやく声援を送った。

 くすくすと笑い声やら、従えてーの声援が起こる。

 ジレも安心したのか、手を降ろし、空気に呑まれるように主人を讃える言葉を呟いた。コツンとクーイズに小突かれて、わずかに口角を上げた。



 ▽ハマルが獣型に戻った。


 丸みがある白金色の子羊。手足はまだ幼さが抜けきらない柔らかさを持ち、乳白の短毛が顔をふんわり飾っている。藍色の瞳は夜空みたいで、ツノと爪も同じ夜空の色。わたぐも尻尾に夢の星がきらめいた。

 トトンと足踏み。


『ボクの進化、しっかり見とくんだよ〜? 後輩たちー。夢と希望を与えられると思うから〜。ふふーん』


 ふんふん、ごきげんな鼻息。


 魔物の進化をまだ目の当たりにしたことがないジレ・アグリスタ・マイラは、目をまんまるにしてハマルを凝視した。


 レナがふうっと軽く息を吐いて、ギルドカードを取り出した。

 キラウィンドウには進化先の説明が現れる。



【夢羊アルテミスリトル】……夢の世界のあらゆるものを実現化させてゆく。遠方の夢であってもその角で突き刺せば自らの狩猟の成果となる。満月の夜には力を増す。

 特殊スキル[夢狩り][月光浴]を進化時に取得する。


【ナイトメアシープ】……悪夢を主食とし、夢の世界を渡りあるく。眠っている者の心の奥底からさらなる悪夢を呼び醒まし、魂を支配する。

 特殊スキル[夢渡り][夢の世界ドリームワールド]を進化時に取得する。



<できるだけ不安定さを改善しました!>

「ありがとう」


 キラの働きにレナは大感謝した。

 これまで<詳しい生態は不明>に悩まされてきたので、確定情報が見られるのはありがたい。うっかり大変な種族に進化しかけることもあるのだ……撥ネ跳ビウサギとか。とシュシュの進化時を思い出してレナは遠い目になった。


 同じく遠い目をしているのはロベルトたち。

 どちらに転んでもどえらいレア魔物に進化することは把握した。

 しかも彼らは進化を知ったのは今しがたである。



「二択なのか……」


 レナが顎を指でこする。


『レナ様、ボクが選んでいいですかー?』

「教えて」

『夢羊アルテミスリトル〜!』


 ハマルが進んで選んだのは、後輩たちに理解させるためだろう。

 自分の意思で未来を決めてもいい。


『だってレナ様の夢からお好きなものを実現できるようになっていきたいですしー。従魔の喜びですもの〜』


 それからできればレナのためを考えて欲しいと、私欲もしたたかににじませて。


 ▽レナが感動して咽び泣……堪えた!

 ▽すごい!!


「……っありがとハーくん!」

『早いですレナ様ー。これからもーっと素敵な羊になっちゃうんですからー。よろしくお願いしまーすっ』



 ▽レナが ギルドカードをタップした!

 ▽ポチッとな。


 もくもくとわたぐも尻尾が膨らんで、ハマルが包まれていく。

 夢の光が内側に集まって、夜空の月みたいに輝いた。



 レナたちは必死に目をこすって、眠気に耐えた。

 夜のしっとりした香りも、瞼を撫でるようなやさしいモヤも、あまりに心地いい。


 進化後のハマルはこの睡眠を自らの力にするのだろう……と本日のベッドに想いを馳せる。



 わたぐものモヤがしゅるりとリボンのような軌跡を描いてまとまる。

 ふんわり丸まっていた夢喰い羊の尻尾はしなやかに伸びたのだ。


 そして白金色の羊毛のきらめきに目もくらみそう。


『ふふーん。いかがですかー?』


 すらりと伸びた羊の足。首もスッと伸びて、羊なのだけど種族的な成長を明らかにしている。くるりと巻いたツノはラピスラズリのような艶を放つ。ふわふわの白金色の羊毛が体を包んで、今すぐにでも抱きつきたくなる魅力はそのままに。すこし切れ長になった瞳は誘うように仲間を眺めた。三日月型だ。


<種族:夢喰いヒツジ→夢羊アルテミスリトルに進化しました!>>

<ギルドカードを確認して下さい>



「名前:ハマル

 種族:夢羊アルテミスリトル♂ 、 LV.38

 装備:ミディアムジャケット、短パン、もふもふコート、ブーツ、M伸縮リボン、M服飾保存ブレスレット(藍)

 適性:黒魔法[闇]


 体力:75(+10)

 知力:50(+8)

 素早さ:52(+8)

 魔力:49(+14)

 運:40(+5)


 スキル:[体形変化]+1、[駆け足]、[快眠]+6、[周辺効果]+2、[跳躍]、[夢喰い]、[夢吐き]、[頑丈]、[突進]、[夢狩り]、[月光浴]

 ギフト:[鈍感]☆5

 称号:魔人族、ドラゴンキラー、マゾヒスト(極み)」



[夢狩り]……満月の夜もしくは月光浴の力が満ちていれば、遠方まで夢を狩りに出かけられる。角で突き刺して持ち帰る。


[月光浴]……月の光を浴びることで、より自由度の高い[夢吐き]を可能にする




「ハーくんすっごいイケてる! イケヒツジ!」

「「ひゅーひゅー!」」

「純粋に強そう。あとで戦闘訓練つきあって」

「綺麗な尻尾、いいなぁぁぁ……」


 歓声を浴びて、ハマルの鼻先がどんどん得意げに上を向いていく。


「羊毛けっこう長くなってるし、人型の髪も期待できるんじゃないかな?」

『あーー!? ルーカがそんなこと言ってボクをからかうと〜……っえ、本当にー?』


 ルーカは目をパチパチさせることを返事にした。

 とろんとしていたハマルの瞳が、期待にぱああっと見開く。


「あれ? いつもの……ハーくんだ。クスクスッ」

「嬉しい時は顔が幼くなるものじゃ。ふふ」


『キラ先輩ライトアップして〜! レナ様鞭……あっすみませんつい〜。撫でる支度してください〜』

「準備ばっちりだよ……!」

<こちらもで御座います>


 先ほどまでスキルを確認したりと忙しかったレナが手をわきわきさせながらギリギリで待機して、キラが一秒でライトアップをこなした。


 ハマルはターン!っと軽やかに回転しながら、獣型からヒト型に変身。


 ふわふわとした白金髪が、自分の頬をくすぐったことに感激した。


 ▽ハマルの髪が 伸びた(胸下まで)


「撫でてくださいー!」

「喜んでー!」


 どっちが主人かわからないな、と呟かれた感想は何気に久しぶりの響きだ。このところ主人は頑張って大人になろうとしていたから。


 レナはハマルに望まれるまま、毛先、耳のうしろ、おでこ、頭頂部、と撫でていく。

 指先をするんと髪が通って、カールした場所で絡まった。


「痛っ! そんなぁ……もっとお願いしますー♡」

「スキル[従順]落ち着いて」


 ぴたっとハマルの動きが静止する。

 レナをすこしだけ見上げている、身長が並ぶのももうすぐであろう。


 マゾヒストに苦笑してから、レナは素直に褒めた。


「成長した姿も素敵」

「ふっふふー♪ そーだレナ様〜、この髪ものすごく量が多いですよねー?」

「整えて切ろうか?」


 ルーカがちゃかしたので、ハマルがめえめえ文句を言った。


「違うもーん。レナ様がお持ちのリボンで縛っていただけませんかー?」

「髪を、だよね」

「全身……♡」

「はい髪ね」


 大きくなってもハマルはハマルだなぁと面白く思いながら、ハマルに椅子に座るようにレナが促した。


 短髪の時の長さそのままに毛量が増えたので、もふっっと横に広がっている愉快なヘアスタイルだ。

 羊の角に絡まないように丁寧にまとめて、三本の束を作ると、レナは編み込んでいく。


「ボクね〜お揃いだと嬉しいな〜」

「そう言ってくれるのかなって思ってたよ。だからね、三つ編みハーフアップの赤リボン縛りにしました」

「わーい!」


 さっとキラが鏡を持ち出してハマルの髪の後ろ側をアップで写した。


 にこーっと微笑む、その表情の作り方はまるで幼い頃と変わらない。


 そして、笑みを収めると、とたんに美しい少年となるので、全員が息を呑んだ。


(うちの子とっても綺麗……! 知ってた)

(黙ってればまともだよね。知ってた)

(これを報告するのは大変だな……知ってた)


「なにか新しい技能を試してみたいなー。レナ様のためのもの」


 ハマルがそんなことを言うのでレナは、


「じゃあ今日はガーデンで、外快眠!」


 すぐにそう言った。


(故郷のお兄さんのこと言われるかと思ってた〜……まあリトルなボクじゃまだ無理なんだけど〜。レナ様が今望むのは故郷じゃなくて、ここにいるボクたち従魔なんですね〜?)


 ハマルはレナの手を取って頬をすりすりすりつけると、喜びに弾むように足を動かして、ガーデンへと導く。

 途中、たまらなくなって獣型に戻ると、レナを乗せて音もなく走った。



「ハマルの足……若干浮いてないか!?」

「夜の間ならモヤに乗るように動ける。隠密にも長けたね。リリーの[幻覚]と組めばめちゃくちゃ強いし、レナを乗せていればテンションがぐーんと上がってこれまた強い」

「おそるべき羊だ……」


 オズワルド、ルーカ、レグルスが話す。

 わずかに先を越されてしまった気がする。


 しかしレナがしっかり地力をつければ、従魔全員が、これからどんどんと伸びていくことが可能だ。




 ガーデンにて。

 巨大化したハマルの羊毛に埋もれるように、みんなが寝転がる。

 ▽最ッッッ高の寝心地!


『スキル[周辺効果][快眠]〜』


 ▽赤の聖地すべてが ぐっすりと眠った。

 ▽やさしい眠りが レナたちを芯から癒した。





 *




「すっごい不安が消え去ってるの」

「[快眠]極めてますからね〜。ふふーん。あとね〜レナ様たちの夢にほんのわずかに刺さっていた棘を抜いちゃいました〜。ボク、なにが悪夢か分かるようになったみたい〜?」

「棘……? 不安の元だったのかな」

「おそらくー? 全部忘れちゃうのもどうかと思ったから〜ボクの中に保存していますよ〜」

「大丈夫!?」

「きゃん! そんな触り方してレナ様のえっち〜。とそれはともかく〜……仲間を守ってチクチクしているのはとっても快感です〜!」

「ええ……」


 ▽レナは ハマルを またひとつ理解した。


 レナが掴んだ時にズレたマントを、着付け直してあげる。

 髪を結んだ赤リボンもチェック。よし。

 そしてハマルの赤の正装・短パンはすいぶんと短くなっているなぁと悩んだ。黒タイツを履いているから仕立て直すまではこれで、と許容した。


 ▽アルテミスリトルハマル 誕生!



「じゃ、キラがサディス宰相に連絡とってくれたから行こう」

<おまかせあれ!>


 ▽夜明けにどえらい連絡をされた宰相は疲れている。

 ▽エリクサーを差し入れた。


「みんな。今からメデューサ一族の方々のところに向かいます。私の潜在能力を引き出してもらうために」


 レナが玄関先で告げた。

 黒紫の瞳を、ぱちぱち瞬かせている。

 ぐっ、と拳を握った。手の中には鞭がある。


「大丈夫だもんね!」

「そう。僕らが助けるにきまってるから」


 ルーカの言葉に全員が頷いて、屋敷に居残る従魔たちが手を振り見送った。


 レナたちはモスラに乗る。

 さっそく[騎乗]スキルが大活躍だ。


『参ります』


 天帝が空を飛んだ。

 これからもレナは、このような器を支えて導いていくのだ。





<鎮めの墓地の跡地>に降りた。


 現在、純白の更地になっている。


 天使族の結界が解かれる。

 ディスが調整をしてくれた。彼自身はまだ反省の塔にいるものの、族長の力が削がれたために、副族長として発言権を伸ばしているらしい。

 引きこもりがトップか……とオズワルドの文句に、レナが小さく苦笑いする。



 墓地の中央に、すみれ色の髪の女性たちが集まっている。

 メデューサ一族だ。


 レナたちの気配を感じ取ると振り返った。


 彼女たちはおでこから薄い布を垂らして顔の上半分をすべて隠している。レナの隣にいるメドゥリ・アイのリーカみたいに瞳は桃色なのだろう。


 メデューサたちの儀式の異様さに、レナたちは驚いた。

 しかし肝が座っているので、すいすいと足を前に進める。


 真ん中の長身の女性が嬉しそうに微笑み、レナに会釈をした。

 顔をレナに向けたまま、腰だけを少し曲げるしぐさ。何重にもなった袖の布がズルズルと地面に擦れた。


 第三の目で何もかもを見透かされそう……とレナは思った。

 しかしそれも随分と慣れっこなので。


 レナもぱっちりした黒紫の瞳で、メデューサの第三の目を見つめ返した。



 あらあ、と芝居掛かった呟き。

 ポポポ、とメデューサの頬が赤くなる。


「情熱的ざんすね……」

(ざんす!?)


 ▽怯むな!


「赤の女王様の伝説は予々……」

(待ってどのパターンのやつ!?)


 ▽頑張れ!


「会えて嬉しいざんす。あたくし、メデューサ一族の族長をやらせてもらってます。ほな、藤堂レナさんの才能の芽…………とくと観覧させて頂きましょうかぁ」



 ▽基礎からの強化を目指そう!

 ▽メデューサ族長が 現れた!







獣型

挿絵(By みてみん)


成長ヒト型


レナの前でかわいい顔

挿絵(By みてみん)


クール塩対応

挿絵(By みてみん)


髪のうしろと、

いろいろ模索してたラフ

挿絵(By みてみん)



色塗ってる暇はなかったです〜(。>ㅅ<。)汗

いずれ!



アルテミスは月の女神なんですけどハーくん「っぽい」のでキラが適切判定しました(笑)ほかの命名候補はあんまり〜だったみたいです。


遠方によさげな夢を見つけたらズンって突進してって狩りとってきます!



ステータスおかしな点があれば教えてください……(土下座



読んで下さってありがとうございました!



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