第1話 農作物の高騰の原因
さて皆様、長い長い雨の後、ようやく秋晴れが広がり、気分的にも健やかであるかと思いますが、いかがお過ごしでしょうか?
しかして、お財布の中身は相変わらず寒風が吹き抜けるスッカラカン。
お寒い事情が続いておりますが、ここ最近、SNSなどで野菜の高騰が話題になっておりますが、農家の一人として心苦しい限りです。
特に葉物野菜の値上がりが顕著であり、物によっては一月前の倍額はしているものまであります。
昨日もスーパーで白ねぎが1束で200円超。
白菜に至っては、1/4カットで200円超。
かなり高めですね。
もちろん、これは農家が怠けていたとかではなく、天候によるものです。
今年は9月に入ると久方ぶりに秋らしい風を肌に感じ、去年に比べればかなり過ごしやすい9月でした。
しかし、それもこれも“雨”が降り過ぎているという状況によるものです。
千葉を始め、関東は特に今年は降水量が多く、印旛沼の決壊もそうですが、各所に甚大な水害をもたらしました。
東京でも“35日連続降水”という、観測史上最長の記録を残してしまい、とにかく日を見る機会が極端に少ない!
ちな、将門公の墓に無礼を働いた愚か者がおりまして、そこからすぐの豪雨やら長雨ですので、公の祟りであると自分は思っております(ぇ
それはそれとして、つまるところ、今年の9月は“日照時間”が全然足りていなかったのです。
全国的にも秋雨前線の動きが活発で、おまけに頻発する台風で刺激されて、元気モリモリになってしまった。
そのため、いつまでたっても雨が止まず、場所によっては記録的な豪雨になってしまいました。
日照時間も短く、最もよく日の当たる地域でも、例年の8割程度だそうです。
我が鳥取も、県内の日照時間は6~8割になっていました。
関東ではこれが深刻で、ひどい場所では例年の4割を切る場所も。
中には1カ月の日照時間が100時間を下回る所もあったとか。
こうなると、最も影響を受けるのが“葉物野菜”です。
葉物野菜は「天候不順のバロメーター」とも呼ばれ、何かしらの原因で天気が悪くなると、真っ先に値段に反映される作物なのです。
キャベツ、レタス、白菜、そして、白ねぎ等がそれに該当します。
なにしろ、葉物野菜は穀類のように備蓄できず、根菜ほど日持ちもしないので、ひたすら収穫し続けなければ、すぐに品薄になってしまうからです。
鮮度が落ちやすいので、これは仕方がないことです。
そのため、雨が降って収穫できなかったり、あるいは天候不順で生育が悪くなったりすると、備蓄がすぐに尽きて、一気に値段が跳ね上がります。
そして、今年は9月の長雨で、とにかく生育が悪い!
雨で肥料も溶けて、あとは日が照るだけで伸びる!
でも、その肝心の日の光が来ない!
水と肥料だけでは、決して作物は育たない事の証明!
太陽こそ、命の源だという再認識!
自分の畑でも、白ねぎの生育が遅れて、出荷量が落ちています。
値段が上がり傾向なので、出来ればガンガン出していきたいのですが、育っていないのではそれは仕方がない事です。
ただ、去年の熱波とは違って、焼けて消滅しているわけではないので、いずれは収穫できるのですが、これはこれで怖かったりします。
収穫が遅れているという事は、いつかそのぶり返しがやって来るという事です。
生育が追い付くと、それに伴う大量出荷による値崩れというパターンです。
しかも間の悪い事に、今年は“暖冬”との予報が出ています。
それもこれも、太平洋で発生した“エルニーニョ現象”によるものです。
エルニーニョ現象は平たく言うと、広範囲で海面温度の上昇が見られ、例年よりも水蒸気の発生量が多くなるという事です。
今年、台風が多かったのは、まさにエルニーニョによる水蒸気の多量発生で、台風生成の条件が整っていたからでもあります。
そして、水温低下がまだ見られず、気温も下がりにくい状態になっています。
今年は特に海面温度が例年の4℃も高い“スーパーエルニーニョ”と言う状態で、冬に入っても高温が続く可能性が高いというのが気象庁の予報です。
これが広範囲で影響が出てしまう。
暖冬で雪が減ると、真っ先に困るのはスキーなどのウィンタースポーツを生業とされている方でしょう。
雪のないゲレンデに誰が来ようと言うのか。
雪景色を楽しみながら、温泉に浸かる事もできない。
近場にスキー場がある身としては、稼げるときに稼ぐ事が出来ないスキー場の経営者やホテル関連の業者などが心配です。
四季の変化を楽しむ余裕もないってもんですわ。




