開戦 3
7月16日の0時に本編とは全く関係のないものを投稿します。
よければ見に来てください(*´∀`*)
だんだんと赤髪の冒険者が近づいてくる。
赤髪の冒険者はずっとミリアを見ており、肝心のミリアは心底気持ち悪いのか自分の腕をさすりながら日向たちの後ろへと隠れていた。
そんなわけで、戦争前に面倒ごとを起こしたくない楓は頭をフル回転させ一つの解決法を思いついた。
「おい、お前がかえで……」
「よし、走って逃げよう」
「了解!」
「え、ちょっとま……」
「お互い戦争頑張りましょう!」
楓はそれだけ名前も知らない赤髪の冒険者に言い終えると道中でアリウスやジャンたちを拾って一足先に戦場へと向かうことにした。
楓たち『無限の伝説』はバルバトスやカレンからも臨機応変に動くことを許可されているので、先に戦場へと向かおうが怒られる筋合いはない。
まぁ、相手の斥候や、下手すれば本陣を相手にする必要が出てくるかもしれないが、そうなればメイドたちやジャンたちには少し後ろに下がってもらえればいいだけの話である。
日向たちもすでに人外の強さを得ているので一般兵がどれだけ襲いかかってこようが死ぬことはないだろう。
メイドたちですら、普通に一般兵程度なら蹴散らすこともできるのだが、日向たちと違って疲労が溜まるのが早いため一応後ろで戦ってもらうことにしておく。
「おい、カエデ。いきなり走ってどこに行くつもりだ!」
当然のことではあるが、冒険者たちの手伝いをしていたのにも関わらずいきなり途中で辞めさせられほぼ全速力で走らされてきたジャンたちはかなり怒っているようで走りながら楓のことを怒鳴っている。
一方でアリウスたちはまだ余裕があるのか文句を言うことはなかったのだが、不審そうな顔をしていた。
ちなみに、その護衛たちは死にそうな顔をしながらも一生懸命アリウスたちの足手まといにはなるまいと歯を食いしばってついてきている。
「えーっと、ちょっと面倒な奴に絡まれそうになったので逃げるがてら先に少しでも数を減らしておこうと思って……」
「お前は馬鹿か! こんな少人数でなんとか……なる集団だったな。だが、儂とジルは他のメンツと違って活躍できるわけではないぞ」
「わかっています。ルーナのお父さんとヒストリアのお父さんはうちのメイドたちとアリウスたちの護衛も一緒に後方支援に徹してもらいます。残党狩りが主な仕事ですね」
「なっ! 我々が後方支援だと⁉︎ 舐めるのも大概に……」
楓の言葉に黙っていられなかったのか、アリウスたちの護衛の一人が声を荒げて楓に異議を申し立ててきた。
どうやら、アリウスの護衛としてのプライドが許さないようで、理解はしているのだがどうにも納得できていない様子だった。
「やめろ。今の時点でついてくるのがやっとの奴がどうにかできる相手ではない。カエデの言う通り後方支援に勤めろ」
「で、でも……」
「後方支援だってすごく大切だよ。私たちは楓くんと違って絶対に取りこぼしをしちゃうし、そんな時に後方支援の人たちがいるとすごく安心だよ。だからお願い。だめ、かな?」
「うっ……ダメではない。アリウス様の言う通り、我々では役に立ちそうではないのはわかっていることだった。足手まといたちが荒ぶって悪かった」
楓やアリウスが言っても難色を見せた護衛たちも日向の気遣った言葉と笑顔には敵わなかったようで、先ほどとは打って変わってすんなりと納得することができたようで、日向の言葉に嬉しそうな顔をしながら頷いていた。
そんな魔族たちに楓もアリウスも一言言いたかったが、ここでやる気を削がれても嫌なので黙っていることにした。
「ううん! 一緒にがんばろ!」
「お、おお!」
楓たちがそんなことを考えているとはつゆとも知らず、アリウスの護衛たちは日向に励まされてガッツポーズをしながら走っている。
先ほどまでしんどそうに走っていたと言うのにも関わらず、少し美少女に励まされたら嘘みたいにパワーが出てくる。
その辺は魔族も人族も同じなんだなと楓は内心で思っていたが口に出すことはなかった。
「やっと戦えるけど、一気に全員で攻める感じ?」
「いや、とりあえず4組くらいに別れる感じでそれぞれのリーダーに俺とアル、ルシフェルにアリウスがなってもらおうと思う」
「うん。それがいいと思うよ」
「我も異論はない」
「私もたった数人に的確な命令をできなければ端から魔王としてやっていくことは不可能だしな。私も問題ない」
楓の提案にリーダーに抜擢された三人とも異論はないと言うことで決まり早速先ほど考えていた組みに分かれるように指示を出していく。
ちなみに、楓の臨時パーティーにはルーナ、ミリア、メイドのユニル、魔王候補だったアイン、あと護衛の二人の合計七人編成となる。
楓のパーティーだけが七人で他は全部六人チームに分かれてもらって一小隊で動いてもらうことになった。
他の面々も楓のチーム選択に異存は無いのかみんな走りながらさっとリーダーの元に向かい各々リーダーの指示を仰ぐことになった。もちろん楓のパーティーの目標は『安全第一』である。
「それじゃあ、敵もそろそろ見えてくる頃だろうし、分かれて敵の数を減らしていきますか! みんな、絶対に死なないように!」
「「「「「「「「了解!」」」」」」」」
最後に楓が全員に『命令』を出してから他のパーティーと距離をとって戦闘に臨むのであった。
ちなみに、この時の楓たちに『自重』と言うものが頭から離れていることは言うまでも無いだろう。




