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お風呂に入る……テンプレですよね! 2


「ふぅ、いい湯だ。しかもちょうど夕日まで見えるし、アル達も来れば良かったのにな」


 楓は一人でかなり広い風呂の中に入っており、かなり満足そうにしながら肩までお湯に浸かった。


 先ほど一度着替え部屋に入って行った楓であったが、どうせなら男四人でお風呂もいいなと思いアル、ルシフェル、セバスを誘ったのだが、全員少し苦笑いをしながら楓の誘いを断り結局楓一人で露天風呂に入ることになった。


「別にいいんだけど、久しぶりの一人って少し寂しいもんだな。最近は絶対に日向達が近くにいるから……変わるもんだな。最初に転移してきたときは一人で十分だと思っていたのに」


 楓は一人になったことをいいことにタオルを頭の上に乗せながらそんなことを呟く。


 ちなみに、この露天風呂の周りには楓産の結界を張ってあるのであの創造神レベルの神が突然やってこない限りは露天風呂に傷がつくことはない。


 まぁ最もそんな攻撃がこの世界に向かってされたのならこの露天風呂が破壊される前にこの世界が消滅してしまうだろうが……


「それは……またとんでもない結界を張りましたね。マスター、自重という言葉を知っていますか?」


「知ってるさ。知ってるだけでしようとは思わないけd……ナビ⁉︎ ってことはまさか!」


 楓はごく自然に隣からツッコミが入ったので思わずドヤ顔で答えようとしたが、よくよく考えれば先ほどまで一人で入っていたということに気づき、恐る恐るかわいい声のする方を向いた。


 すると、楓の隣には少し恥じらいながらも一糸まとわぬ姿のナビの姿があり一気に楓の体は緊張してしまう。

 それと同時に、楓はナビが一人で抜け駆けをするとは考えられず、思わず露天風呂の入り口の方に視線をやるがそれもまた盛大に後悔することになった。


「きーたよー。楓くん。なかなか本格的な露天風呂だね」


「ですね。ですが、とても癒されそうです」


「日向達まで⁉︎ って、バスタオル的なのは?なんでみんな何も隠さずに入ってきてるの⁉︎」


 そう、楓の妻が全員で仲良さそうに一糸まとわぬ姿で露天風呂に入ってきたのだ。普段なら索敵は常時しているので日向達の接近も気づくことができるのだが、楓は完全に露天風呂で気が緩んでいた。


 せめてバスタオルか何かで体を隠してほしい楓であるが日向がお湯の中にタオルをつけるのはダメだよ!と言い望みが叶うことはなかった。


 露天風呂で全員が裸。


 この文字だけ見るとごく普通のことなのだが、それが男1対女7なので全く普通ではない。


「やばい、このままだと息子が……」


「ダーリン?大丈夫?」


「だ、大丈夫だ!お、俺は体を洗ってくる!」


 幸い楓が小声で呟いたのを誰も正確に聞き取ることが出来なかったようだが、何かを呟いたことは聞こえたようで近くにいたヒストリアが心配そうに顔を覗き込む形で見てくる。


 当然、お湯の中で無防備な状態なのでヒストリアのピンク色のシークレットゾーンが見えてしまうわけで楓は急いで下半身を抑えながら体を洗うためにお湯から出て近くにあった椅子に座る。


「あ、あの、背中流してあげる」


「ん?ルミナか?ってえ⁉︎」


 ようやく落ち着けると思った矢先、楓の後ろからは一人のまたまた可愛い声が聞こえてきた。


 楓も先ほどからかなりテンパっているせいか冷静な判断が出来ずに無意識に後ろを振り返ってしまうがそこには顔を真っ赤にしながら大事なところだけを隠しているルミナの姿があった。


「……それ貸しなさい」


「あ、はい」


 人間、極度のパニック状態に陥ってしまうと反射的に相手の言うことを聞いてしまうものなのか楓はルミナの言うことを素直に聞き持っていたタオルを渡した。


「なぁ、日向達のあれって?」


「みんなでさっきジャンケンをして誰がカエデの背中を洗うかを決めたの。それで勝ったのが私ってこと」


「なるほどな……」


 楓はお湯に浸かっている日向達がルミナのことを羨ましそうな視線で見ていたのが見えてルミナに事情を聞き、ルミナはそれに答えながら楓の背中をゴシゴシと洗う。


 その理由に納得がいったのか楓はそう呟いてあとはルミナにされるがまま、背中をしっかりと洗ってもらうことにした。意外にもルミナの洗い方が上手かったので楓もいい感じに疲労が取れた。


「サンキュー。じゃあ、今度は俺がルミナを洗わないとな」

「あら、お願いしてもいいの?」


「もちろんだ。気持ちよかったしな」


 楓は素でルミナが洗ってくれたのが気持ちよかったのでそうルミナに提案すると、ルミナも嬉しそうにしながら頷いた。


 「そう?ならお願いするわ。ちょっとくらいなら触ってもいいけど、あんまり激しいのは今はやめてね。私も恥ずかしいから」


「あ、安心しろ。ここでするほど俺は盛っていない。頑張って耐えてみせるさ」


 この時には楓の男としての本能も治っており、普通にルミナの体を洗うつもりでいたが、ルミナのその発言によってまた若干意識してしまうことになってしまった。


 ただ、楓も所構わずするほど最低野郎にはなったつもりはないのでしっかりと理性と戦いつつルミナの体を丁寧に、優しく洗っていく。


 途中で少し当たってしまうことがあったが、楓は無事にルミナの体を洗うことに成功した。だが、まだ試練は残っていた。


「あ!今度は私ね!」


「ルミナだけずるいです。旦那様、私もお願いします」


「わ、私もお願いしたいです」


「マスター、私もよろしくです」


「か、カエデさえ良ければ私も……」


「ダーリン、私も体洗ってほしい」


 そう、ルミナだけはずるいと日向達がお湯から上がってきて楓に向かってそうお願いをしてきた。


「あ、あぁ。任せてくれ!」


 最後に楓は考えることをやめて日向達の願いを了承すると、一人ずつ丁寧に体を洗っていくのであった。


 これから約三十分ほど楓は理性との戦いを強いられることになるが、日向達の笑顔に比べればそれくらい安いものだと一人で気合を入れ直し、1番手の日向の元へと向かうのであった。

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