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教会 4


「なんでこう無謀な戦いを仕掛けてくるのかね……」


「あら、無謀かどうかはわかりませんよ?私たちもそこそこ優秀ですから。そこら辺の冒険者よりかは良いところ行くと思いますよ?」


「無駄なんだよなぁ……」


 楓は迫り来る教会騎士を相手しながらいまだに余裕そうにしている巫女と話をする。


 先ほどのルシフェルの威圧を受けた教会騎士たちはわかりやすいほどにルシフェルを避けてアウラたちを狙っているが、それでもアウラたちに負けており見ていた楓の方が恥ずかしくなってきた。


 今は前座のようで教会騎士の中でも見た感じ若手やステータスの低そうな者たちが楓たちに襲いかかってきており、巫女や先ほどのメイドなど実力者はまだ余裕の笑みを浮かべたまま楓たちの戦いを面白そうに眺めていた。


「ダーリン。私たちで片付けて良い?」


「行くか?なら頼む」


 楓が適当に教会騎士と剣を打ち合っていると横からヒストリアがやってきて自分たちでやりたいといい出したので楓はそれを快く了承して教会騎士の剣を一気に粉砕した。


「りょーかい。ルミナとエリスと三人でやる。他のみんなは下がってて」


 ヒストリアは二人を連れて他のみんなに下がるようにお願いをする。


 どうやら雑魚狩りは三人でやって残りのまだ強い方は日向たち四人で片付けることでまとまったらしく、ヒストリアの指示に全員迅速に従った。


「みなさん、女性が出てきたからと言って油断してはいけませんよ。先ほどの攻撃を見ていてもわかりますが油断していると……ほら、言ったそばからやられているでしょう?」


 ヒストリアたちが動き出すのと同時に巫女は教会騎士たちにそう注意を促して前線に出ているルミナとエリスに攻撃を仕掛けようと各々の武器で襲いかかっていく。


 先ほど数人の教会騎士が日向たちにやられていたのだが、どうやら注意が楓やルシフェルにしか行っていなかったのかほとんどの教会騎士がヒストリアたちの格好を見て油断をしていたため、巫女の注意があるまで皆棒立ちと言っても良いほど警戒心が薄れていた。


 その隙を狙ってヒストリアは魔法を仕掛けると、見事に教会騎士の一人に命中してようやく警戒心が出てきたのか、それと同時に巫女の忠告もあったことによってほぼ全ての教会騎士は本気でヒストリアたちを仕留めるために容赦なく殺気のこもった視線を向けている。


「やっとやる気になったみたい」


「これからが本番ですね。ご主人様にも良いところを見せないと……」


「勇者の子孫的には教会に楯突くのは良くないのかもしれないけど、すでに私は家族と縁を切っているし、今はカエデのお嫁さんだから問題ないわよね。ってことで、

私も気合を入れていかせてもらうわ!」


 普通の女の子なら今の状況に放り込まれただけでも泣いてしまいそうなものなのだが、あいにくと三人ともそんなに優しい女の子ではない。


 教会騎士がやる気になったことでヒストリアたちもやる気を出して戦えると喜んでいる。一体誰の戦闘狂気質が移ったのかはわからないが、三人の成長を実感できて楓は内心で嬉しいなと感じているのであった。


 ちなみに、先ほどルミナが言っていたことなのだが勇者召喚の元をたどれば教会が初めて行ったと言うことで勇者の子孫と教会とは結構密に連絡を取り合ったり協定を結んだりしているのだが、すでにルミナは自分の家族とは決別しているため、ここで協会側につかなかったことでアレコレと言われることはない。


 そもそも、もし協会側から非難されようともルミナが楓の敵になることは絶対にありえないので大した問題ではないのだが……


「ふふっ、私たちに勝とうとしてるんだったらそんなヤワな武器では全く役に立たないわよ。せめて達人級以上のものを持ってこないとね」


「ですね、ご主人様が創ってくださった武器が強すぎて、あなたたちのその貧弱な武器では攻撃すらまともにできないようです」


「良いな。カエデ、今度私にも武器を創ってね?」


「おう。帰ったらルーナの分と二人に武器を創ってやる」


「やった。ダーリン大好き。頑張るね?」


 現にルミナは、と言うか三人とも先ほどまでの鬱憤を晴らすためか、攻撃を仕掛ける前にいちいち教会騎士を煽ったりしている。


 ヒストリアに関して言えば現在は今まで宮廷魔術師長の時も使用していた杖を使っておりまだ楓から武器をもらっていないので戦っている最中にその約束を取り付けている始末だ。全く戦いに集中していないヒストリアにやられるのは教会騎士もプライドが許さないのか、それから集中的にヒストリアを狙った攻撃を仕掛けているが、やる気になったヒストリアに敵うはずもなく先ほどよりも早いペースで教会騎士たちが倒れていく。


「あんまり楽しくないわね。ねぇ、もう少し強い相手はいないの?」


「そんなに強いものをお望みなら、私の方も一枚切り札を切りましょうか。いきなさい」


 ルミナが巫女に向かってそう煽りを入れると巫女は笑みを崩さないままそう言っておもむろに指示を出した。


 すると、室内の陰から約20もの人影が現れそれが一気に三人の元へとやってきた。


「暗殺者か。なかなか面白いじゃない」


「ですが、その程度では私たちには攻撃は通りませんよ?」


「って言うか、気配バレバレ」


 三人は教会の暗殺者20名が自分たちの元へとやって来る前にそれぞれ結界を自分自身に張りある一定の距離以上近づかせない。


 暗殺者たちは手に毒ナイフを持っており、1発でも擦ればヒストリアたちに命はなかったのだが、そもそも攻撃が通る通らない以前に接近すらできないこの状況に暗殺者たちは驚愕し一瞬であるが動きが止まった。


「「「貰った」」」


 その瞬間を三人が見逃すはずもなくそれぞれ自慢の攻撃手段で暗殺者二十人の意識を一瞬で刈り取るのであった。


 これにて第1ラウンドはルミナたちの圧勝で幕を閉じることになったのだが、まだ巫女の顔に余裕の笑みが残っているところでまだ切り札があることを察しているルミナたちであったがこれからは日向たちの出番ということで素直に日向たちにバトンタッチをするのであった。

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