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届け、私たちの気持ち! 2


 楓が勇者たちとの攻城戦に勝利を収め、やっと結婚式を進められると思ってテラスに向かうと日向たちにストップをかけられて、日向たちがひっそりと撮っていたビデオみたいなのが流された。


 そんなサプライズも現在二人まで終了してまだまだあと五人もいるのに楓はすでに涙腺は崩壊しかけており、涙を抑えるのに必死だった。


 ちなみに、現在はルミナの次にエリスが映っており場所はエリスたちを召喚したクランハウスになっていた。


『カエデ様。まずは、私たちと結婚してくださってありがとうございます。私はカエデ様に従えるメイドとして本来ならメイド以上の感情を抱いてはいけないのですが、カエデ様はそんな私を許してくれて、そして妻にしてくださって、あの時はとっても嬉しかったです。私は他のみんなみたいにカエデ様に素直に感情を表すことは出来ませんが、みんなに負けないくらい愛しています。きっと、今頃このビデオを聞いている私は顔を真っ赤にしているでしょうが最後に一言だけ……か、カエデ!大好き!』


 最後にエリスは楓のことをいつもは様付けしているのだが、様をつけることなく呼び捨てで大好きとだけ伝えて画面がまた切り替わった。


 それを聞いた楓までもが思わず顔を赤くしてしまう。きっと、今頃どこかに行ったエリスも顔を赤くしていることだろう。


 そして、次はナビへと変わり場所は同じくクランハウスだった。


『マスターは世話が焼けて大変でした』


「いきなりだな……」


 楓もそうだが、他に見ていた国民たちもナビのいきなりのその言葉にバッと笑いが起こった。


『マスターは大変です。基本的に自重という言葉は知らないし、最近は好き勝手に行動するし……それでも少し熱いところがあって、自分の大切な人が傷つけられた時にはわれを忘れるくらい怒ってくれる素敵な人だということもわかっています。私はマスターの妻になるのは他のみんなよりも遅かったですが、一番マスターのことを理解しているのは私だと断言できます。……ごめんなさい。私はこう言う素直に気持ちを伝えるのは得意ではありません。だけど、マスターのことを心の底から愛しているのは確かです。その気持ちだけは知っておいてください』


 ナビは最後ににっこりと笑いながらそう言って終了した。


 なんともナビらしいと言うか、楓と似て不器用なところがありナビの言葉を聞いている楓も思わず微笑んでしまったが、楓はしっかりとナビの気持ちが伝わったのか胸に手をあててナビへと感謝の気持ちを伝えておいた。


 返事は返ってこなかったが、きっと聞こえているだろう。


 次に画面が切り替わると今度はルーナとヒストリアが二人で出てきた。


 当然天狐族の姿で出てきて、二人の神々しさに国民たちもかなり盛り上がっている。意外と二人は天狐族の姿でも人気があるのか、ミルたちに負けないくらい歓声が上がっている。


『えーっとカエデ。いきなり結婚してくれなんて頼んで迷惑じゃなかっただろうか?明日、この姿が他の国民に知られるとわかると緊張して言葉が出てこないが、こうして本来の姿でいられるのは間違いなくカエデのおかげだ。本当にありがとう。新参者だが、他のみんなに負けないくらいカエデを愛していこうと思っている。大好きだカエデ。本当に愛している』


『ルーナ、結構言うね。私も負けないくらい頑張らないと。ダーリン、さっきルーナが言ってたけど、本当にありがとう。私は、あんまり話すのが得意じゃないから普段はあんまりいっぱいは話さないけど、それでもずっとダーリンとみんなの会話は聞いてるよ。今日、私とルーナで頑張ってゴーレムを倒してダーリンにプロポーズしようって言ってたんだけど、上手くいって今死ぬほど嬉しいよ。私もルーナと一緒で、他のみんなにも負けないくらいダーリンを愛するから、覚悟しててね?』


 二人は覚悟というか、これからの抱負を伝えてお終いになった。


 まだまだ二人は楓といる時間も長くないので楓もこれからいっぱいいろんな事をしようと決めて最後の日向が出てくるのを待った。


『どうだった?楓くんは気に入ってくれたかな?いつも楓くんにはいろんな事をしてもらっているから、何かお返しが出来たらなって思ってこういうビデオを作ることになったんだけど、喜んでもらえたら嬉しいな。ミルと一緒に最初に楓くんのお嫁さんになって、心も体も楓くんのものになってすごい幸せだった。誰かを好きになる幸せを楓くんが教えてくれたんだ。楓くんを愛せて、そして愛してくれて本当に嬉しかった!これからも、ずっとずっと楓くんと、他のみんなと一緒に居られる事をずっと願ってます』


 最後に日向がとても大事そうに婚約指輪を握りしめながらそう言うと急に画面がブラックアウトしてしまった。


「なんだ?」


「落ち着け。これはトラブルではない」


 一瞬魔力切れを疑った楓であったが、追加で魔力が補充される様子もないので楓はそのまま動くことはなかったのだが、空が暗いせいで国民たちはざわざわとざわめき出した。


 あまり続くようなら楓があの雲を全て取っ払って明るくしようと手を空に向けたが、バルバトスに止められた。


 一瞬訝しむ楓であったが、すぐにバルバトスが楓を止めた理由がわかった。


 そう、王城のテラスから7色の光が空へと浮かび上がり、そこには日向たちの姿があった。


「楓くん!私たちを、あなたのお嫁さんにしてくれてありがとう!さっきのビデオでも伝えた通り、私たちは全員、楓くんを愛しています!」


「「「「「「届け、私たちの気持ち!望め、幸せな未来!」」」」」」


 日向に続いて残りの六人が空を浮かびながらオリジナルの魔法名を詠唱すると、空が一気に晴れて虹色の流れ星が大量にデスハイム王国を通り過ぎていく。


「うわぁ!すげぇ!」


「女神様だ!」


「女神様が降臨したぞ!」


 見たこともない超常現象に国民たちは皆興奮したように日向たちのことを女神と呼び、全員が空で起こっている景色に目を奪われるのであった。


「綺麗だ」


「彼女たちが全員で編み出した魔法だ。カエデのためにな」


「そりゃあすごいな。俺の妻達は世界すらも変えられるみたいだ」


 楓は、バルバトスにそう言いながらも他の国民たちと同じように日向たちの魔法が終わるまでずっと空を眺めているのであった。

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