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クラス対抗戦 1

あの後はルミナに膝枕しながら何を作るかずっと頭の中で考えていた。


だいたいルミナが1時間半くらい寝ていたからだいぶ有意義な時間が過ごせることができた。


ルミナの寝顔も滅茶苦茶可愛かったし、役得だな。


『普通、逆だと思いますけど…』


まぁ、ヒロインが膝枕っていうのは分からないでもないがたまには配役を逆にしても大丈夫だろう。


というか、ルミナが俺にデレてるなんてないだろう。


『鈍感男め…』


ん?何か言ったか?


と、こんな感じで残った時間はルミナの寝顔を楽しみながらナビちゃんと色々話をしていた。


ちなみにルミナが起きた時には顔を真っ赤にして顔面をグーパンチで殴りかかってきた。


まぁ、綺麗に避けたが…


誰もがラノベの主人公みたいに殴られるのを待っていると思うなよ。と、まぁそんな感じで続々と生徒達が登校して来て高等部二年生は訓練場へとそのまま向かっている。


今日は座学の時間がなくて一日かけて総当たり戦をやるみたいだ。


何やらクラス対抗戦が終わった後にレクリエーションがあるらしいが生徒達が何かするのかな?


まぁ、何かあれば適当にルミナを出しておけば何とかなるから別に大丈夫か。ルミナを出場させておけばだいたいが解決するしな。


「今、何か失礼な事考えてなかった?」


「ん?いや別に」


ルミナがジト目でこちらを睨んでくる。ルミナが意外と鋭いぞ…


「まぁ、だいたい何を考えていたのかだいたい分かるけどレクリエーションは生徒達が出るものの他に実技の先生達による一対一の模擬戦があるわよ?」


「は?」


ルミナの爆弾発言に思わず楓は素で返してしまう。


「いや、は?って言われても…聞いていないの?」


「そもそも俺って臨時講師だからあんまり職員室に行かないんだよな。あそこ意外と居心地悪いし」


「それはカエデ先生が悪い気がする…」


「普通、誰か教えに来てくれないか?」


「面識のある先生はいるの?」


「いません…」


「ダメじゃない…」


ルミナは呆れた声でそう呟いた。


面目無い…


「まぁ、ルミナ達の模擬戦が終わったら適当にこっちも優勝すればいいんだな?」


「あのね…簡単に優勝するとか言ってるけど一応全員実技の教師よ?流石に騎士団長や宮廷魔術師長なんかは相手に出来ないけど普通の騎士団の人達なら余裕で相手を出来る猛者ばっかりよ?」


へぇー、意外と王立学院の実技の先生って優秀なんだな。


『まぁここの実技を任される人達にすれば月給も格段にこっちがいいのと何より安全ですからね。なんとしても騎士団や宮廷魔術師になると決めている人達以外は声がかかれば基本的にこちらの方を選びます』


ほう、それで声がかかるのが一般の騎士団や宮廷魔術師達よりも強いのか。


『はい、ここはその騎士団や宮廷魔術師を育成していく学院ですからね』


へー、でもあの騎士団長や宮廷魔術師長よりも弱いんだったら余裕だろ?いっその事日向達にでもやらせようかな。


「まぁ、お前達が優勝したなら俺も絶対に教師枠で優勝してくるよ」


楓はルミナの頭に手を置きながらそう言っておいた。これで少しはやる気を出してくれ…


「わ、分かってるわよ!」


思いっきり手のひらをこちらに向けてビンタしてきた。まだ、頭を撫でる迄の親密度が足りないみたいだ。

前に抱きしめた時はなんともなかったのに…


『状況が違います』


なるほどな。それと教えてくれるのはいいがそんなに冷たい抑揚のないトーンで話さないでくれ。悪かったから…


「痛い…」


「私の全力を受けてなんで痛いだけで済むのよ!」


今回の件に関しては自分が悪いと楓も自覚していたので素直にルミナからのビンタを頂戴する。


ステータスも下げたのでしっかりダメージも入っている。久しぶりに痛い事をした気がする。


そんなくだらないやり取りをしながら楓とルミナも訓練場に向けて歩いていると一人の青年がこちらに向かって歩いてきた。


「ムートくん…」


ルミナはめちゃくちゃ嫌そう顔をしながらその青年の名前を言った。


まだ、そこまで近付いてなかったから良かったけど普通に失礼だろ。


ルミナは怯える様に楓の後ろに隠れる。


「やぁ、ルミナさん。今家出をしてるんだって?ダメじゃないか」


「何でそれを知っているのですか?別に貴方には関係のない話です」


ムートと言われる青年が家出について責めるとルミナはいつも他人に話すように敬語にしてぶっきらぼうに返事をする。


「いやいや、あるだろなんたって…」


「や、やめて!」


ルミナは大きな声でムートの声を遮ろうとするが…


「君の将来の旦那様だからね」


「は?」


思わず楓は場違いなトーンでそう返事をしてしまう。こういう所は日向達も尊敬する所だ。主に空気を読まない所は…


ルミナは今にも泣きそうな顔をしながら俯いている。


「初めましてカエデ先生。僕はBクラスのムート・ジンマエル。ルミナさんには縁談を持ちかけているんだけどまだ返事がなくてね」


「あー、さっき言ってた?」


楓が後ろのルミナに小声で聞くとコクリとルミナは頷く。なるほど、この学院には、というか俺の周りにはいい奴が多過ぎて気付かなかったがこういう奴もいるんだな。


さっきから何故か胸がモヤモヤする。ルミナをいじめているこいつを見ると無性に腹が立つ。だからなのか…


「悪いな、ルミナは俺ものだ。お前にやるつもりはない」


などと口走ってしまった。悪い、やりすぎた…


でも、ルミナは怒るどころか顔を真っ赤にして手を抑えてるから今は殴られないよね?


「ちょっと何を言ってるかわからないですね…教師はいつから生徒に手を出していいことになったのですか?クビになりますよ?」


「上等だ。そもそも俺は臨時講師だ。クビになろうがどうでもいい」


「知りませんからね」


流石に楓もこのまま間違いで口走っちゃいました。なんて言う事は出来ないのでこのまま流れに任せる。


って言うかこれからクラス対抗戦だよね?俺何してるの?


楓は目の前に憎しげな表情をしながら睨んでくる青年を見ながらそんな事を考えていたのであった。

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