クラス対抗戦に向けて 2
あの後一通りルールの確認をしたのだが主にこんな感じだった。
・場所はいつも楓たちが使っている訓練場とは違う対抗戦専用の場所。
・降参もしくは戦闘不能になると敗北。
・武器は各自で持ち込み可能。ただし刃を潰す必要あり。(学校の備品の使用可能)
・その他の道具の持ち込みは不可能。もし不正が発覚した場合即敗北とみなす。
・1試合10分。決着が付かなければ引き分けとなる。
以上、王立学院の学生の自覚を持って正々堂々戦うべし、だそうだ。
まぁ、最後の正々堂々云々は聞かなかった事にする。勝てばそれでいいんだ。
「一通りのルールは分かった、それじゃあさっさと訓練場に行って特訓するか」
「あ、あの…作戦は?」
「ない、まぁその代わりあと二日間は出場選手は俺がみっちり見てやる。他のみんなは悪いが日向達に教えて貰ってくれ」
と言う事で、Aクラスの2日間の特訓が始まる。
残れる人は補修という形で放課後も特訓する手はずとなっている。
「先生、選抜の四人を連れて来ました」
「おう、ありがとな」
一人目はルミナが連れて来たのは以前楓とアル対Aクラス全員で戦った時にルミナとは別機動隊のリーダーをしていたマーク。
二人目は剣術の師範の息子のダント。
三人目はルミナと仲の良いモニカ。ただモニカもただ仲が良いという事だけではない。
いつもルミナの模擬戦のパートナーを務めているのでだいぶ強い。
四人目はニースだ。ニースも女の子だが他の男子を超える力を持っている。
そして最後、我らの主力であり大将でもあるルミナだ。
ルミナが楓の作った剣を持つと何故かは分からないがめっちゃ可愛くなる。
剣を持っていて殺伐としているはずなのにルミナがいつもより倍増しで可愛く見える。
他の剣を持つといつものムスッとした顔になるのだがこの楓の作った剣を持つとめっちゃ可愛くなる。
そんなにこの剣いいものかね?
『分かってませんねマスター。恋する乙女ってやつですよ』
ほう、ルミナも恋をしているのか。いいねぇー学生してるねぇー。
なんで俺の作った剣を持って可愛くなるのかは分からないけどまぁ誰かに恋をしているのだろう。
「よし、五人とも揃ったな。じゃあまずは一人ずつ俺に斬りかかって来てくれ。他の四人はその戦っている所を見て動きの参考にしてくれ」
「「「「はーい」」」」
「分かりました」
ということで一番最初はマークと模擬戦を始める。マークは大会のルールに則ってやってもらって楓はいつものように素手で対抗する。
「行きます!」
マークは楓にどうやっても勝てない事が分かっているのか初めから全力だ。
「マーク、本気でやるのはいいが少し落ち着け。剣筋が乱れてるぞ。それじゃあ勝てる相手にも勝てなくなる」
マークは少し熱が入ると冷静さを失うみたいだ。
「はい!」
その後のマークの動きは格段に良くなった。
本気の中にも落ち着きが出てきた。だいぶ冷静に戦える様になっている。
吸収がめちゃくちゃ早いな。素直に人の意見を聞けるからその分吸収も早いのだろう。
その後10分ちょっきり戦ってマークとの模擬戦を終了した。
マークは終わった瞬間地面にへたりこむ。相当きつかったみたいだ。
楓はまだまだけろっとしているが…その惨状を見て、他の四人はやはり苦笑いだ。
そんなこんなでルミナを含む全員との模擬戦が終了した。
みんな、初めは悪い所が何箇所もあったが楓か注意をして戦い方を学んでいくに連れて格段にいい動きが出来る様になってきていた。
ここら辺は楓のスキルも関わっているのだろう。
指導スキルなんかが教えた事を吸収し易くしている原因だ。
『もう、マスターのどこが自重しているのか分かりません』
だろうな、自重なんてしてないから。
まぁ、せっかくAクラスの担当になったんだからエリートとしての華を持たしてやりたいじゃん?
ルミナなんか負けたら何を言ってくるか分かったもんじゃないからな。
「や、やっぱり先生は異常です…」
「お、やっと復活したか」
先程ルミナを倒したばっかりなのでまだ復活には時間が掛かる様だ。
「ていうか私だけ一段階動きが速くなかったですか?」
「そりゃ、他の奴よりも強いんだから他の奴と同じ力でやってても意味ないだろ」
「そ、そうですけどなんか嬲られてる感が否めません」
「まぁまぁ、次はお前ら同士でやってもらう。ルミナ対マークとモニカだな」
「え、僕とモニカさんの2人でですか?」
「2対1なんて無理ですよ」
「は?この前お前ら俺とアルに集団で襲ってきといて何が無理だ。しかもあれ、容赦なかったよな?」
「う、でも〜ルミナさんは…」
「そうですよ!なぜ私が二人を相手にしないといけないのですか!?」
「いや、そっちの方が三人のスキルアップに一番手っ取り早いからな。ルミナは不利な状況への対処を。マークとモニカはルミナと殆ど対等で戦えるから良い経験になる筈だ」
まぁ、ルミナなら二人でもなんとかなりそうな気はするけどな。
こいつ、なんだかんだ言いながら俺が言った事は全てこなしてくるし。
「わ、分かりましたよ。マークくん、モニカさん。遠慮なく掛かって来なさい」
そう言ってルミナは剣を構える。少し嬉しそうなんだけど何かあったか?
「わ、分かったよ」
「まぁ、ルミナさんなら何とかすると思うし良いか」
二人も渋々ながら剣を構える。残りの二人は楓のそばで三人の戦闘を眺めている。
「よし、では始め!」
楓のその合図と同時に三人の模擬戦が始まったのであった。




