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クラス対抗戦に向けて 1

生徒一人一人の武器を作ってから丁度一週間が経った。


あの後は毎日訓練場で剣術の訓練や集団戦闘での戦い方を教えていた。


ルミナやその他の成績優秀組は日向、ミルと戦わせたりもした。


まぁ、日向とミルの圧勝だったが少し危ない場面も何箇所かあった。これは日向達の訓練にもなるから丁度良かった。


生徒たちの武器の使い方も前よりも格段に良くなり剣が傷つくのもだいぶ少なくなった。


そして今日、これから新しい授業をやってみようと思い一度教室に全員集めて話そうとしたのだがルミナが手を上げて楓に発言をしてきた。


「先生、3日後のクラス対抗戦って誰が出るのですか?」


「は?」


楓が以前特別に剣を作ってからルミナもだいぶ楓に対する対応が優しくなってきている。


まだどこか距離を感じるが今の所作戦通りだな。


『まぁ、ルミナさんも喜んでいましたし良いんじゃないですか?』


何故そんな救えない子を諭すようなトーンで話してくるんだよ!


俺、何も悪い事してないぞ。


『…』


ま、まぁ自重はしてないけどな。てへっ…


っとそんな事を言っている場合ではない。クラス対抗戦?なんじゃそりゃ?


「ま、まさか知らないんですか?」


「ま、まぁ。誰もそんな事言ってなかったし…」


「クラス対抗戦とはそのクラスの成績上位者5名を選び1対1で模擬戦をしていくものです。先に3勝した方が勝ちです」


団体戦みたいなものだな。って俺そんなの全く聞いてないんですけど…


『校長先生はあえてそうしてますね』


いやいや笑えませんよ?あの校長本気でやりやがったな…って言うことはシエラ先生もグルか!?


『いえ、あの人は座学担当ですしマスターが知らない事を知らなかったのでしょう』


なんて酷い話なんだよ…


「半年に一回各クラスの生徒がどこまで成長しているのかを図る為に行われるのです。Aクラスとして負ける訳にはいきませんが作戦は?」


ルミナがだんだん意地悪な声を出して楓を攻める。


普段、模擬戦でぼろ負けしてるからってこんな時に意地悪な事をしてくるとは…


でも、他の生徒に聞くとAクラスは負けはしないものの必勝とは言えない事が多いらしくしかも今年のBクラスはAクラス並みに優秀な生徒が何人もいるらしい。


まずったな、他のクラスどころか他の学年の生徒とも授業であった事がないからどんな奴がいるのか想像出来ないぞ…


って言うか他の生徒たちってどこで授業受けてんの?


『基本的には室内で戦い方を覚えるかグラウンドで基礎体力をつけたり剣術や魔法を習ったりされてますね。まず、訓練場なんて使う先生達なんて他にいませんよ』


え、なんで?


『設備がいい代わりにあれって国営なので少なくない額が教師のポケットマネーから引かれる事になるんですよ』


あー、給料から引かれる感じか。その点俺達はお金には困ってないから使い放題の貸切状態な訳だ。


「悪い、作戦は明日発表する。選手は…そうだなルミナ、お前を大将にするから他の四人はお前が決めていいぞ」


「はぁ!?私に丸投げですか?」


「僕達がここに来てまだ一週間。まだ全員の特徴や癖を把握出来ていない。それなら一番力のある君に決めてっ貰った方がいいって事だよ。ね?」


アルが横からルミナに向かってそう言う。


「あぁ、頼んだぞルミナ」


「何が頼んだぞ、ですか!ただ考えるのが嫌なだけでしょう!」


「僕が思うにカエデが君を信用しているから頼んだんじゃないかな?」


すかさずフォローにはいてくれるアル、マジで頼りになります!


「し、信用ですか?」


ルミナも楓に信用されていると知り一瞬固まる。


そして、少し考えた結果…


「分かりました。先生が私の事を信用して下さっているなら応えてあげてもいいです。人選は任せて下さい」


「おう、頼んだぞ」


と、言う事で出場メンバーに関してはこれで決まったな。後は残された二日をどうやって過ごすかだが、どうしようか?


『とりあえずルール確認が必要ですよ?』


そうでした、すっかり攻城戦と同じ感じの殆どルールなしの試合かと思ってたよ。


「えーっと、それで悪いが誰かクラス対抗戦のルールを教えてくれると嬉しいのだが…」


「あ、なら僕が、クラス対抗戦の勝利条件はさっきアスタルトさんが言っていた通り一対一の模擬戦で先に3勝した方が勝ちという極シンプルなものとなっています」


因みにアスタルトってルミナのことだ。


「基本的なルールですが魔法は使ってもいいんですが初級魔法以外は禁止されています」


「え?結界とか張らないの?」


ちょうど疑問に思っていた所を日向が突っ込んでくれた。


「一応結界はありますがあまりレベルの高い魔法を使うと放った術者本人の体内で魔力が暴走する可能性がありますから」


なるほど、まだ学生のうちは危険な事はさせない様になっているのか。


初級魔法なんて一般生徒なら魔力が相当高くない限りそこまで威力がでないから殆ど意味ないしなー。


必然的に近接戦闘になってくる訳だ。


楓はその後約20分ほど生徒全員からクラス対抗戦のルールを聞いたり各クラスの要注意人物を聞いたりして作戦を練っていくのだった。

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