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「おー!コーラルさん!
クリアぶりですねー。
って、ここで何をされているんですか?」
何もないだだっ広くて暗いところに指揮官と私が突っ立ってる。
「え?
何してる、って、何してるの?」
お互いクビを傾げる。
指揮官は可愛くないけど。
「んーと、ココにお呼びしたのは前回の勇者様御一行なんですよねー。
コーラルさんの元にもメール、、、連絡入りました?」
「メー、じゃなくて連絡は貰ってなくて、魔王とくっつく以外もルートがあるのかな、って思ってログイ、、、もう1度来てみたらいつの間にかこんなトコにいたんだよね。」
そんなやり取りしながら自分の服を見てみると、
やけに派手でヒラヒラしてる。
「あー、説明受けていないんですね。
こちらをご覧ください。」
差し出された鏡を覗き込むと
「うぉっ!
目玉の色が変わってる!
何これ!」
私の瞳の色があまりにも変わりすぎていてすごくビビった。
だってコレって、、、
「そうです、コーラルさんは魔王と結ばれた事によって魔王の眷族となりました。
その影響で瞳の色も変化したのでしょう。
魔王以外持ち得なかった黒と金を溶かし込んだ色に。」
こまりましたねー。
こんな展開は私も伺っていませんよ。
指揮官の独り言は聞こえずひたすらビックリしている。
「あれ?
と、いう事は、、、?」
「コーラル、こんな所にいたのか。
どうした?
外の世界に帰りたくなったのか。
それはできない相談だぞ。
だが、他のワガママならなんでも叶えよう。」
魔王登場。
「あー、うー、、」
魔王登場に何て言っていいのか困ってると、魔王はいつの間にか私の前にきて抱きしめる。
う、わーー。
止めてよー!
あの後魔王と一緒に魔王の国行った後、特にコレといった事もなく、婚儀の宴とやらを延々とやってて困ってたらいつの間にか〜fin〜ってなってたんだよね。
だから私と魔王の間には何もない。ハズなんだけど、なんだろ、この甘々な展開。
指揮官も困惑した顔してるし。
「ちょっと!指揮官!
コレってこれからも続くの?
なんか今いる場所も村じゃないみたいだし。」
とりあえず顔だけは指揮官の方を向いて話す。
「他の男の顔ではなくずっと私だけを見ていろ。」
とか意味不明な声は無視して。
「あまり詳しい事はお話できないのですが、コーラルさんはこちらにいらっしゃらないし、魔王は今回は出演予定はないハズなのですが。
向こうの指揮官もそう認識しているハズです。
ただ、魔王という特殊な立場なのでかなり自由に裁量を任されてはいるのですが。」
さらっと裏事情みたいなのを聞かされたんだけど、、、。
チラリと魔王を見上げると涼しい顔をして指揮官を見ている。
その涼しすぎる顔が逆に不自然だった。
お読みくださりありがとうございます( ´ ▽ ` )ノ
甘々ルートにはならないハズです?