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ブサイク得点王だった俺、最強スペックでサッカー人生やり直し〜今度こそ美女も世界一もすべてを奪い取る〜  作者: クズ吉(くずよし)
プロローグ

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第6話 幼なじみとの約束

 2011年4月


 今日は紗那とデートの日だ。


 映画を見に、隣の市のショッピングモールまでバスに30分ほど揺られる。


 俺はバスの隣の席に座っている紗那を見る。


 紗那は窓の外の景色を見ていた。


 手、繋ぎたいな。


 勝手に繋いでもいいかな。


 いいよな。紗那はもう俺の彼女なんだし。


 ぎゅっ…


 俺は紗那の手を繋ぐ。


 「ん、どうした?」


 窓の外を見ていた紗那が振り向いて俺に問う。


 「紗那、可愛いね」


 振り向いた顔が可愛すぎて、つい口に出してしまう。


 「ちょっと…他の人もいるんだからやめてよ」


 紗那は恥ずかしそうにそう言った。


 「ごめん。でも本当のことだから」


 「映画…面白いといいね」


 紗那は再び窓の外を見る。その顔は赤く染まっていた。



 ・・・・・・・


 

 「面白かったね映画」


 「うん」


 紗那と俺は映画を見終わってフードコートでアイスを食べている。


 「ね、大雅のも少しちょうだい」


 紗那が俺の食べてるアイスを要求する。


 「いいよ交換ね」


 ぺろっ


 ぺろっ


 紗那は俺のアイスを、俺は紗那のアイスを食べる。


 これが…間接キス。


 またひとつ紗那に俺を受け入れてもらった。


 そんな気がして俺は嬉しくなる。


 いいな。俺達本当にカップルなんだ。


 

 ・・・・・・・



 バスに再び揺られ、俺達の街へ帰ってきた。


 「散歩でもしよっか」


 俺は紗那を誘う。


 静かな夕暮れ時、二人で手を繋いで街を歩く。


 辿り着いたのは…


 豊田スポーツアレナ。


 名古屋アハトのホームスタジアムだ。


 「大雅は将来サッカー選手になるんだよね?」


 紗那が俺に聞く。


 「うん。いつかこのスタジアムで名古屋アハトのトップチームの選手として、日本代表としてプレーするよ」


 「…それはすごいね。大雅の夢が叶うように私は祈るよ」


 「ありがとう。俺が名古屋アハトのトップチームに上がったらこのスタジアムでの試合に紗那の事一番に誘うね」


 俺は前世でNリーグMVPと得点王になった男。


 もう一度サッカー選手になることはそう難しい事ではないはずだ。


 「うん!約束だよ。その日を楽しみに待ってる」


 約束か…いい響きだな。


 「紗那は?夢とかあるの?」


 「んー?あるにはあるけど…」


 「教えてくれたりする?」


 紗那はどんなことを夢見てるのだろうか。


 「今は内緒!」


 そう言って笑う紗那。


 でも一瞬だけ、少しだけ真剣な顔をした気がした。


 「えー?いつかは教えてくれるの?」


 「うん、いつかはね」


 「そっか。じゃあ俺も楽しみにその日を待ってる」


 俺達は笑い合って自宅への帰路についた。 


 一日を振り返って俺は思う。

 

 前世の俺は、こんな一日を一度も手に入れられなかった。


 隣に好きな人がいて、手を繋いで、他愛もない話をして笑い合う。


 それだけのことが、どれだけ遠かったかを俺は知っている。

  

 俺はそれを知っていたはずなんだ。

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