閑話 カウントダウン2
「何?ロードル家のルーファ嬢が居なくなった可能性がある?」
執務室で書類仕事をしていたら執事であるオリアンがそんな話を持ってきた。
「はい、昨日からロードル家が何やらあわただしいとの連絡を受け調べてみた所、どうやらルーファ嬢の事を必死に探している・・・と言う話が出てきました」
俺はペンを置きオリアンの顔を見ながらその情報について考える・・・前に口を開く。
「その情報は何処まで信用出来る?」
「8割・・・と言った所でしょうか」
まあ俺の所に持ってくる情報がガセな訳ないか。
フトマルの婚約者のルーファは思慮深い性格をしている者だった。
フトマルの婚約者を探している時フトマルの我儘な性格のせいで相手が見つからずにいた時にロードル家のバカッシュが『我が娘を婚約者候補に入れてはいただけないでしょうか?』と話を持って来たので確認がてら子供同士の顔合わせをした時に一度見たが人形のような整った顔立ちをした少女だった。
それを見て俺はルーファをフトマルの婚約者として認めそれから6年・・・俺はルーファの評価をかなり上げていた。
それは婚約が決まってからルーファは医学と薬学の家庭教師をつけ勉学に励み家庭教師伝手で貴族間で『ロードルの才女』と呼ばれるまでの者となった。
そんな才女が我がルシーラ家に嫁いでくるならルシーラ家の名も上がる、だからロードル家にかなりの援助もしたのだ。
「ん?」
婚約が決まった後に?と自分が思い出した過去に違和感を感じ少し考えこんでから自然と口が微笑む。
「婚約した時から狙ってたか?」
確かに聡い子だったから結婚寸前まで力を蓄えその日がきたらロードル家をルーファ出ていった可能性がある?
「オリアン」
「は」
名を呼べば真剣な顔で返事してくるオリアンをみて話を続ける。
「その情報の正確性を調べよ・・・・それと婚約が破棄になるのだからロードル家に貸し付けていた金も回収する・・・その為にロードル家の財産と隠し財産があるかもしれんから探れ、あとこっちでもルーファ嬢の捜索を始めろ」
「畏まりました」
部屋から出て行こうとするオリアンを見た後に俺は話を続ける。
「もしルーファ嬢を見つけたら密かにコンタクトを取れ、『婚約の話は無かった事にする、それとは関係なく俺が其方と話したい』と伝えろ」
足を止め俺の言葉を聞いたオリアンが少し驚いた顔をしたけど一礼し部屋を出て行った。
「あの凡庸な親から何故これほど優秀な者が生まれるのか・・・不思議なものだ」
誰も居ない部屋に俺の呟きが広がる。
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