19話
最悪なのは前世の家で今世の家ではないです。ややこしい書き方してごめんね。
…俺はなんで俳優をしているのだろうか。
ふと、そんなことを考えてしまった。
…なんで唐突にそんなとこが頭をよぎったのかはわからない。
でもその疑問は確実に俺の…楓の頭に残り続けた。
彼の前世は控えめに言って最悪だ。
彼の親は自分の子供に無関心・無責任で家はずっと静か。
やっと帰ってきたと思ったら冷たくあしらわれる。
そして両親は死亡、ここまでは前に伝えたと思う。
彼は小学生の時の時に…まあ…いじめを受けていた。
それはもう凄まじいものだった。
それこそ無視や仲間はずれは当たり前として、暴言や暴力、窃盗などを初めにエスカレートして行き、最終的には…言わなくともわかるだろう。
ちなみに中学校でもいじめに遭いそうになっていた。こちらは教師が有能だったため未遂で終わったが、 小学校の頃は周りに頼ることもできないのに彼はよく頑張ったと思う。
幸いだったのは彼の家、一応リビングという判定になっている、物が一つもなくただテレビだけがポツンと置いてある部屋。そこで彼は例の特撮モノを見ることができた。それは少なからず彼に影響を与えた、励ましてくれた。
(あの主人公のようになりたい)
そう思えた時の彼はそのクソみたいな人生の中で1番幸せな時だった。
そうして彼の夢はいつしか
(昔の俺が救われたように、誰かを救いたい)
というものに変化していた。
そこからの彼は必死になって演技の練習をして行った。
─ただ、その業界だって願えば主演になれるなんて甘い世界じゃない。
当然自分が主演になるためには他の人を蹴落とさねばならない。逆に蹴落とされないようにもしないといけない。
そんな世界の中で、彼の(誰かを救いたい)という夢はいつしか彼の心の中から消え、
(憧れの特撮モノの主演になりたい)
そんな夢に変わって行った。
だからその本来の夢は小学生の時の凄惨ないじめの記憶と一緒に、深い闇に消えて行った。
…俺はなぜ俳優をしているのだろうか。
その考えはここ数日の間ずっと俺の頭の中にあった。
…確か、憧れの特撮モノの主演になりたくて俳優を目指したんだっけ?
じゃあなんで俺は主演になりたいと思ったのか?
…
……
………
なんにも思い出せない。
もういいや、そろそろ寝よう。
そんなことを考えながら俺は─楓は深い、深い眠りにつくのだった。
11月XX日
楓は家族が起こしに来るまで起きることはなかった。
11月XX日
楓はベットから起き上がることができず、学校を休んだ。
11月XX日
楓は今日も学校に行くことができず。学校を休んだ。
11月XX日
楓は気がおかしくなったのか、一言も話さないようになった。
11月XX日
楓は今日放送されるエイフ第三話を見ようとせず、一日中寝込んでいた。
11月XX日
楓は一度も起きることなく1日を終えた。
11月XX日
楓は医者に重度の鬱だと診断された。
なんなら主演になったあとも下半身不全になって自殺してるからね。
作者「ゲラゲラゲラゲラゲラゲラwww」
感想 ポイント リアクション等よろしくお願いします。
おい今ブラウザバックしようとしたそこのお前!
特にシリアスだからって逃げようとしたそこのお前!
そうお前だよ!
もう1話だけ!もう1話だけ見てってください!




