第34話:戦場の圭介 <翔サイド>
再度、見直しました。
「おいおい、何で俺だけ除け者にするんだよぅ。皆、俺の見舞いに来てくれたんじゃないのかよ」
服部圭介の第一声は、そんな調子だった。男にしては甲高い声、高校の頃と変わらない懐かしい声だ。
藤田翔は、『ああ、間違いなく圭介だ』と思って、安心しようとはしたのだが……。
「おっ、圭介もいたんだな。カーテンの影に隠れてるから、全然気付かなかったじゃねえかよ」
松永陽輝がとぼけたふりをしてみせると、圭介の声で「ひっどいなあ」と返ってくる。
もちろん松永だって、別に圭介の存在を忘れていたわけじゃないのた。
この病室に入った瞬間から、誰もが否が応にも意識せざるを得ない。圭介が横たわるベッドからは、それくらい強いオーラが放たれていて、それを無視できる者なんて居る筈がない。
そもそも、さっき迄の彼らの会話は、全て圭介の存在を意識の外に起きたいが為の気晴らしだったのだ。
ただ、それができたのも、ベッドからこちら側を隔てるカーテンがあったからで、そのバリアが取り除かれた今となっては、誰もが無言で立ち竦むしかなかった。
「どうしたんだよ。皆、黙り込んじゃってさ。何か言ってくれよ」
圭介と思われる声は、ベッドの上の白い塊から発せられていた。その塊とは、包帯でぐるぐる巻きにされたミイラのような何かだ。そして、その上に薄手の布団が掛けられている。
頭部と思われる所にも当然、包帯が巻いてあるのだが、そこには二つの穴があって、その奥の瞳が、こっちをじっと睨んでいた。
その目に怯んだ翔は、他の仲間の顔を密かに伺ってみる。
松永はもちろん、ここを訪れるのが初めてじゃない山口沙希の顔も強張っている。こうした状況には滅法強い水草薫でさえ、今は固く口を噤んでいた。
普段めったなことでは動じない薫なら何か適切な対応をしてくれそうなものだが、さっきからひとことも言葉を発していないのが、むしろ翔には不気味に思えた。
「ほら、何か言えってば。何年ぶりかに会ったんだから、話すことなんか、いくらでもあるだろ」
圭介の言葉には、どことなく棘があった。まるで野バラのような、それとも砂漠のサボテンのような……。
「お前、痩せたな」
気が付くと、翔の口から感じたままの言葉がこぼれ落ちてしまっていた。
丸椅子に腰かけた沙希のハッと息を飲む音がした。それが聴こえる程に、室内はしんと静まり返っていたのだ。
「そうだな。いつも重いもん持って、走ってばっかだったからな」
翔が知っている圭介とは違う、どこか自嘲じみた口調だった。
「アホだよな、俺。小さな女の子を見付けたんだ。戦場のど真ん中でだぜ。七、八歳くらいの可愛い子だった。ただ身に纏ってるのはぼろぼろの服でさ。当然、裸足だった……」
翔の脳裏に少女の姿が浮かぶ。エキゾチックで堀の深い褐色の肌の少女。ウェーブの掛かった肩までの髪は、淡い茶色だろうか。中東の強い日差しを浴びて、きっと光って見えたんだろう。
「……最初は淋しそうだった女の子がさあ、俺の方を見てにこっと笑ったんだ。素敵な笑顔でさ。こっちこっちって、手招きするんだ。それで、ついふらふらと、そっちに足を向けちまった。その子が悪魔だと気付いた時には、もう全てが後の祭りだよ。そこに地雷が埋めてあったんだろうな。気が付いた時には、このざまだ」
少女の笑みに悪意は無い。たぶん、ごく普通に笑っているだけだ。罪悪感の欠片もない無邪気な笑顔だからこそ、圭介は引っ掛かってしまったんだ。
――生まれながらの人間兵器。
翔の頭に、ふとそんな言葉が浮かんできてしまった。いつだっただろう。ニューヨークの歯医者で順番を待っている時、待合室に置かれていた雑誌で読んだことがある。
生まれながらに、兵器として育てられる子供達のことだ。
戦場しか知らない子供達。
敵を殺すことを何とも感じない子供達。
自分の幼さを武器に相手に近寄って様々な悪事を働いた挙句、最後は身に着けた爆弾で相手を巻き添えに自爆してしまう。
死ぬ為に生まれ、一桁の年齢で天国に行ってしまう、短命な子供達……。
「チクショーっ! 何てことしやがるんだよ。何なんだよ、あの悪魔は。あの女の子が、俺の全てを奪いやがったんだ……」
今の圭介の体重は、高校の時の三分のニくらししか無いんじゃないか。すっかり痩せ細った上に、毛布に包まれた下半身の先の方がぺしゃんこになっているからだ。
翔には、それを確かめる勇気は無い。口にするのも憚られる話題だ。
「お前、痩せたら、意外とイケメンだったんだな」
松永がポツンとそんなことを言った。
実際の圭介の顔は、包帯で隠れていて見えやしないのに。
「そうだろ、そうだろ。実はさあ、軍では俺、割と女にモテたりしたんだぜ。彼女だっていたんだ。お前らに会わせてやりたかったなあ。ほんと、可愛い娘でさ」
圭介の話は、全て過去形だった。まるで彼が、もう過去にしか生きてはいないかのように……。
「本当はさあ、ちゃんと分かってるんだ。もう働けない身体なんだってこと。俺はもう社会のお荷物でしかないんだ。そりゃ―、軍から一生涯、生きていけるくらいの年金はもらえるかもしれない。けど、やっぱ働けなきゃ、結婚なんてできないだろ。彼女、千夏ちゃんって言うんだけどさ、同じ部隊のひとつ年上の先輩で、入隊の時から色々と世話焼いてくれてたんだ。親しくなってからは休暇の時とか、よくベイルートでデートしたんだ。洒落たカフェのテラスで暗くなるまで語り合ったり、クラブで朝まで踊りまくったり……」
圭介は、そこで深いため息をついた。氷河に開いたクレバスに落ちて行くような、絶望的なため息だった。
「あと軍に半年いれば、それなりに金が貯まるから、二人して除隊して一緒に住もうって、約束してたんだ。……ほんの一瞬だけだぜ、血迷ったのは。それだけで人生の全てがおじゃんだ。もう、ダメだよな。あれから千夏には連絡してない。できやしねえよな、こんな身体になっちまってよう」
翔には、重すぎる話だった。本当は耳を塞いでしまいたい。それなのに圭介は、なおも翔の心の奥の奥まで深く抉ってこようとする。
「ああ、もう死にたいよお。死んでしまいたいよお……」
圭介の母親、服部和紗が顔を歪める。そして、そのまま病室を出て行った。沙希が追い駆けようとするが、出口の所で立ち止まってしまう。
振り向いた沙希は、泣きそうな表情だ。
松永もまた、じっと何かに耐えている様子だった。
それなのに薫だけが、まるで何事も無かったように平然としていた。そして、次の瞬間、彼女は笑ったのだ。
本当の悪魔は、こいつかもしれない。
そう思えてしまうくらい、不気味な笑顔だった。
冷たい表情の美しい女。
その女の唇が、微かに動く。
そうして放たれたのは、翔でさえ耳を疑うような言葉だった。
「だったら、圭介、死んじゃえば?」
★★★
翔には一瞬、薫が言ったことの意味が分からなかった。
松永と沙希も同じだったようで、その二人が顔を見合わせている。
その時、薫が放ったその言葉は、それほどにインパクトのあるものだった。
そして、一拍遅れてから、彼らを氷点下の沈黙が襲った。
当の本人である圭介はというと、やはり同様に無言だった。
ただし、彼が無言なのは、たぶん別の意味だろう。彼は薫が言ったことをどう実行に移すかを考えているんじゃないか?
少なくとも翔には、そのように思えてしまったのだ。
「失礼しまーす。服部くーん、ベッドのシーツ、取り替えますねー」
「失礼しまーす」
「失礼しまーす……あれ、お客さん?」
突然、ドアが開いて、静かな室内に明るい声が響いた。翔がドアの方に目をやると、若い看護師が三人、ぞろぞろと部屋に入って来た。
彼女達の登場によって、翔は病室内の冷え切った空気が一気に常温に戻ったのを感じた。
翔たちにしてみれば、絶体絶命のピンチを救われた思いだった。その彼女達に翔が感謝のまなざしを向けた時だった。
「うわっ、今日は懐かしい顔ぶれが揃ってるわね。えーと、服部くんと同じ剣道部の人たちかしら」
「ええ、そうよ。全員、剣道部。私が呼んだの」
「そっかあ。良かったね、服部くん」
三人のうちの一人が話し掛けてきて、沙希が応じた。その親しげな口調からして、たぶん沙希の知り合いなんだろう。
他の看護師も含めて三人とも顔に大きなマスクをしているせいで、誰が誰なのか判別しづらい。背丈も体系もあまり変わらないし、違いと言えば、ひとつだけ。
隣にいた松永陽輝が、肘で翔の脇腹を突いて来る。どうやら松永も同じことを思ったようだ。
「ほら、あの娘」
翔が顎で示した彼女は、確かに凄い巨乳だった。でも、さっき沙希が受け答えしていた方の子だって、相当な大きさだ。もう一人の子は、まあ、普通サイズだな。
「大中小だな」
「LL、L、Mだろ」
「いーや、それを言うなら、3L、2L、Mって感じ……いや、5L、3L、Mでもいいぞ」
「あんたら、何、ぼそぼそ言ってんのよ」
小声で松永と言葉を交わしていたら、沙希に思いっ切り睨まれた。
「どうせ嫌らしいこと考えてたんでしょう。ほんと、男子はナースが好きなんだから」
「えっ、そっち?」と思った翔だったが、口には出さなかった。ここでツッコミを入れだりしたら、藪蛇になる。
「もう。彼女達は、白衣の天使よ。そんなエロい目で見ないであげてくれる?」
沙希は、まだプリプリと怒っている。松永が堪え切れなかったのか、「そんなエロい目ってなんだよ」と口を挟んで、いきなり頭を叩かれていた。
それを見た圭介が笑った。今日、初めての笑い声だ。
「お前ら、変わんねえなあ。高校の時とおんなじじゃねえかよ」
その声を聞いた看護師のひとりが「良かったね、服部くん。お友達が来てくれて」と明るく声を掛ける。
「だから、服部くんは止めてくれって。『くん呼び』すんなら、下の名前にしてくれって言っただろ」
「はいはい、服部くん」
「ちぇっ。お前、絶対わざとだろ」
舌打ちしながらも、圭介は楽しそうだ。さっきの会話の刺々しさが、すっかり影を潜めている。
そんな二人の会話を聞きながら、翔は思い出した。
そう言えば、さっきの彼女、「懐かしい顔ぶれ」って言わなかったか?
ということは、彼女も天王高校の同級生なんだろうか。
そんな疑問を浮かべていた翔の前で、その彼女がパッとマスクを外した。そこに現れた顔は意外にも整っていて、充分に美人の範疇に入るものだった。
ただ、この時、翔が感じたのは、「誰かに似ている」という不思議な感覚だったのだ。だけど、それが「誰に」なのかが分からない。翔にとっては、実にもどかしい気分だった。
「どうしちゃったの、見惚れちゃって?」
「あ、いや。綺麗な人だと思って……」
「おい翔、何いきなり口説いてるんだよ」
ツッコミを入れてきたのは松永で、「まあ、オレもそう思うけどよ」と言った所で、またも沙希に叩かれていた。
「痛ってえなあ」
「あんたが詩織をエロい目で見るからでしょうが」
「見てねえよ。それに彼女を口説こうとしたの、翔だぞ」
「おいおい、勝手に俺を巻き込むなよ。俺は彼女が誰だったか気になっただけで……」
翔が松永と言い合っていると、当の彼女の方から自己紹介してくれた。
「ふふっ、私、堀田詩織です。ここにいる全員とは一応、天高の同級生だと思うんだけど……」
「一応?」
「ああ、私ね、高校の時は地味で大人しい子だったし、特に男子には分からないと思ったからだけど」
「そうなのか?」
そこに喰い付いて来たのは、松永だった。彼は、かなりのイケメンで校内でも目立つ存在だったが、その裏で実は女子の情報通でもあったのだ。
「松永でも知らないってことか?」
「あ、いや、ちょっと待てよ。うーん、確か眼鏡っ子だったとか」
「正解よ。私、眼鏡して髪の毛を三つ編みにしてる、マンガに出てきそうな陰キャだったから」
「そう言えば、そんな娘がいた気がするな。いつも勉強ばっかやってた……」
「当時の私って、勉強だけが趣味だったからね。もっとも、藤田くんには適わなかったし、最後は水草さんにも負けちゃったけどね」
「俺らは文系だったからさ、比較になんないと思うよ」
相変わらず翔には目の前の女性のことが全く思い出せなかったし、彼女が誰に似ているのかも分からない。ただ、その彼女が国立理系クラスだったことは、何となく想像できた。
「てことは、昔は眼鏡してて今はしてないんだから、沙希の逆ってことだな」
「ふふっ、そういうこと」
つまり、高校の時の沙希は眼鏡をしてなくて今はしている訳だから、彼女の反対ということだ。
「詩織はね、一年の時、私と同じ五組だったの」
「そういう沙希も、こないだ再会した時は私のこと忘れてたんだけどね」
「そうだっけ?」
「そうでしょうが」
どうやら、その彼女、堀田詩織と沙希とは、かなり親しい関係のようだ。そのことを翔が言うと、彼女が沙希との再会のいきさつを説明してくれた。
「私が沙希と再会したのはね、まだ先週の土曜のことなの。服部くんが入院して最初にお見舞いに来たのが彼女でね、その後、三人が同級生だってことが分かって、沙希と私だけで飲みに行ったんだよ」
そこで口を挟んだのは、圭介だった。
「それって、ズルくない? 俺も行きたかったなあ」
「ダ―メ。女どうしの飲み会なんだから。でも、服部くんも元気になったら、誘ったげても良いかもね」
「ちぇっ。それって、すっと先のことじゃないかよ」
「ふふっ。楽しみは、後に取っておくものでしょう」
さっきの圭介の憎まれ口をこんなにも棘の無いものに変えたのは、彼女の功績に違いない。
その彼女の顔には全く化粧っ気がなくて、それでも目を惹くのは、やはり美人だからだろう。大きめの目は綺麗な二重だし、何より笑うと右側の頬にできる片エクボが可愛らしい。
だが、どことなく疲れている様子なのは、看護師という職業がそれだけ激務だからだろうか。薄っすらとだが、目の下に隈ができているような気がする。それに後ろで無造作に結わえただけの黒髪だって、何となくパサついているような……。
「もう、そんなにじっと見ないでくれるかなあ。昨夜も応援で呼び出されちゃって、あんまり寝てないんだよね」
彼女は、そう言いながら、さっき外したマスクを再び着ける。
「すいませーん。堀田先輩。昨夜は、お疲れの所、呼び出しちゃって……」
「それは別に良いんだけどね、そうやって助けてあげられるのも今のうちだし……ああ、それにしても、疲れたなあ。今日は早く帰ってゆっくりとお風呂に入りたいとこなんだけど、今夜も人手が足りないみたいなんだよねえ」
そんな会話の間も彼女達、看護師の手はせわしなく動いている。さっきの翔の憶測どおり、看護師というのは相当にハードな職業のようだ。
彼女達は、まもなく作業を終えて、三人のうちの二人が部屋を出て行った。残ったのは同級生の堀田詩織だけだ。
「でも、ここにいる皆って、服部くんが会わせてくれたようなもんだよね。ありがとう、服部くん」
妙にしみじみと言った彼女の言葉に、圭介は照れくさそうに「そんなの、たまたまだろ」と返していた。
ただ、そうやって感謝されることは満更でもないらしく、さっきまで死にたいとか言っていたのが嘘のように落ち着いている。目元しか分からないのだが、たぶん今は笑顔なんだろう。
しばらくすると、圭介の母親、服部和紗が病室に戻って来た。そして、さっきとは打って変わって圭介が明るい表情をしているのを見て取ると、すぐにお礼の言葉を口にした。
「堀田さん、今日もありがとうね。あなたが良くしてくれるおかげで、本当に助かるわ」
「別に特別なことはしてませんよ。これが私達の仕事ですから」
そう言って、ニッコリと微笑む彼女の笑顔は、相変わらず翔の目に輝いて見えた。
★★★
堀田詩織は、その後も更にしばらくは一緒に居てくれて、翔たちは高校の頃の思い出話に花を咲かせた。そこにはちゃんと圭介も加わって、ほんの一時の穏やかな時間を過ごすことができたのだった。
そんな中、水草薫だけは、普段以上に口数が少なかったのだが、そのことに気付いていたのは、翔だけだったかもしれない。話の真ん中にいたのは圭介で、誰もが彼を中心に会話を回していたからだ。
だけど翔は、そのことがどうしても気になっていた。もちろん理由は、こないだケンカ別れをしたからで、何とか関係を修復しようと彼女の動向をずっと気にしていたからだ。
圭介の病室を出た後、翔は何とかして薫と話す機会を窺っていた。
その彼女は、エレベーターホールの手前にあるナースステーションに寄って、何やら知り合いのことを尋ねていて、その人が不在と知ると少し落ち込んだ様子を見せた。
「そっか。水草さんって川上さんと親しかったんですね?」
「はい。私、すっごくお世話になっちゃって」
「分かりました。今日、水草さんが来たこと、ちゃんと伝えておきますね。でも、それより、また服部君のお見舞いに来てあげて下さいよ。彼、まだまだ感情が不安定みたいで、私も心配なんです。あ、皆さんも、ぜひ、また来て下さいね。服部君、喜ぶと思いますから」
薫と話していた堀田詩織が、今度は皆に向かってそう言った。
「おう。また来るよ。今日はありがとうな、堀田さん」
その言葉に元気良く答えたのは、松永だった。その後で彼は、「やっぱ、彼女の胸もでっかいなあ」と囁いてきた。咄嗟に翔は沙希を探したが、彼女は今、その堀田詩織と何かを話している。
その様子を見た松永は、「どうせ、飲みに行く話でもしてるんだろうぜ」と呟いた。
堀田詩織とは、このナースステーションで別れたのだが、この時には翔の彼女に対する好印象が確立していた。
そうなると、目の下の隈やパサパサだった髪の毛ですら、彼女の魅力のひとつであるかのように見えてくるから不思議だ。それに彼女のナーズ服に染み付いた消毒液だとか、それ以外の得体が知れない薬品の臭いもまた、むしろ好ましい香りに変わってしまう。
翔は、今まで自分が感じてきた市民病院に対する嫌悪感までもが、彼女のお陰で多少は和らいだ気がした。
ところが、その一方で翔は、薫と話すきっかけは、未だに掴めずにいた。
彼は、そんなもやもやした気分のまま、仲間達四人で、ちょうどやって来たエレベータに足を踏み入れたのだった。
ここまで読んで頂き、どうもありがとうございました。
あともう一話、病院での話が続きます。
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