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はじまり

「婚約破棄しようか」


 好きで好きでたまらない人が、突然そんなことを言い始めた。


「……どうして」

「僕、素直な子が好きなんだよね」

「え?」

「例えば、あの平民の子みたいな」


 つまり、この人は、私が性格が気に入らないから婚約破棄したいって? なにそれ、なにそれ。


「そう、なんだ」

「まぁ、婚約破棄って言っても、両親に相談して、そのあと本家にも連絡しないといけないから正式な決定ではないけど」


 けど、何。それでも自分は婚約破棄したいって言いたいのかな。やだやだ、私は絶対やだ。

 まだ確定してないなら、破棄を撤回させられるってことだ。相手は破棄する気満々だから、私が今更ダダをこねても状況は覆りそうにない。


 ならば、相手に結婚という形で責任を取らせるしかない。どうやったらいいかな。婚約指輪は贈られてなくて、式の予定もまだ立ってなくて。えーと、えーと。

 ……じゃあ、既成事実とやらを作ってしまえばいいのでは?


「とりあえずクラリスの意思確認をって……クラリス、聞いてる?」

「わ、わかった」


 いいよ、婚約破棄したいなら勝手にすればいい。そんなの、させないから。

 破棄される前に、無理矢理にでも既成事実を作ってやる!

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