後日談 帝国に行く話。Part2
ああ、もう学校が始まってしまう…… 家に引きこもっていたい……
今回は短めです。
『ほう、我が名を知っているとな、人間よ』
頭に直接話しかけてくるような感覚、これがテレパシーか。というか、名前なのね。どこぞの勇者がつけたに違いない。
「い、いや偶然だよ。それより、僕を呼んだのは何で?」
『1つ頼みたいことがあってな。聞いてもらえまいか?』
「大丈夫だよ。それより、場所を移してもいいかな? あなたが急に来たから街のみんなが怯えてるんだ」
『ふむ、それは悪いことをしたな。では我に乗るがよい。我の棲みかに案内しようぞ』
「本当に? 乗っていいの?」
『うむ。貴殿が走るより速く着くだろう。して、その娘は?』
「伝令役さ。街のみんなにあなたが来た理由を早く知らせようと思って」
『そういうことか。では一緒に乗るがよい』
「だってさセリア。……おーい、セリアー?」
シェン◯ンを見て硬直してらっしゃる。耳をさわさわ。
「ひゃう!? ななな、なんでしょう!?」
「落ち着いて。暴風龍が棲みかに乗せて行ってくれるって」
「……ふう」
フラーッと真後ろに倒れそうになったから、支えてあげた。気絶してらっしゃる。何で?
『大丈夫なのか、その娘は?』
「ある程度したら目を覚ますから大丈夫だよ」
セリアを背負ってシェン◯ンの頭の上に乗った。
『では行くぞ。捕まっておれ』
「りょーかい……って、うおおおおぉぉぉぉおおお!?」
はやっ! 毛を掴んでなかったら空中にフライアウェイだったんですけど!? セリアが吹っ飛びそうになって間一髪で足を掴んだ。今日の下着は黒のようだ。白い素肌と黒の下着のコラボが素晴らしい。
なんてちょっとした現実逃避をしている間に棲みかに着いたようだ。あれ、ここってこの前ロックリザードの討伐に来た山の山頂じゃん。
カルデラのように凹んでいて、大きな藁が敷いてあり、端っこに何かの大量の動物の骨が積んである。
『では、貴殿に頼みたいことを話そう。その前に、名前は?』
「ユキトだよ」
『ユキトか。良い名だな。
ユキト殿に頼みたいこととは、西の大陸に住む人間共に盗られた我の卵を取り返してほしいのだ』
まさかのこんなところで帝国が出てくるとは。
「いいけど、自分で取り返しに行かないの?」
『もちろん1度行った。だが、卵は地下にあるようでな、我が行けば卵ごと地下を破壊しかない。故に、人間に頼むことにした。初めは勇者に頼もうかと思ったが、山で強力な魔力を感知してその根源を追ってみたところ、ユキト殿だったというわけだ』
だからあんときレオはずっと威嚇してたんだな。納得がいった。
『我の頼み、受けてはくれまいか?』
「もちろんいいよ。僕に任せて」
『助かる。では早速行こうではないか』
「ちょっと待って、セリアにこのことを伝えなきゃ」
『分かった。なるべく早くしてくれ』
今だ気絶していたセリアを起こして帝国に卵を取り返しに行くことを伝えた。反対はされたが、暴風龍の頼みだからと言って説得した。
「気を付けてくださいね。この前みたいな無茶はしないでくださいよ」
「分かってる。セリアもちゃんとルミトナルまで帰るんだよ」
「はい。風よ、我が身を運べ【エアコーテング】」
セリアが山頂を飛び出していくのを見て、僕達も帝国に行く。
『では行こう。乗れ』
「ああ」
僕が乗った途端、飛び出した。それだけ心配なんだろう。頑張らなきゃな。
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