ぶちのめすようです。
今回はちょっと長め。
後書きにお知らせを書いてるからちゃんと見てね!
セリアとの魔法の訓練を終えて馬車に戻ると、ちょうどご飯が出来ていた。
「おかえり。また魔法の訓練でもしてたの?」
「うん。ミルは上がった?」
「ええ。さっきレオと一緒にいたわよ。呼んできてちょうだい」
「りょーかい」
呼びに行くと、確かにレオと一緒にいた。
「よいですか、レオ。ルミナス様は、この世界をお創りになった我らの神です。敬い、奉仕せねばなりませんよ」
「がう?」
どうやら、ルミナス教の教えてを説いていたみたいだ。レオは全く分かってないみたいだけど。
「ご飯出来たよ」
「がう♪」
「分かりました」
ユリウスが作った料理と聞いてミルは拒否感を示したものの、どうやら空腹には勝てなかったようで、バクバク食べた。ユリウスの料理は美味いもんな。『料理Lv.6』はだてじゃない。
「「「ごちそうさまでした」」」
「ごち、何ですかそれは?」
「僕の故郷の習慣だよ。命を頂いたことに感謝して、ごちそうさまって言うんだよ。」
「ルミナス様に感謝を捧げることと似たようなものですね」
多少違うけど、それを言ったらまたぎゃあぎゃあ言いそうだからやめた。片付けをして急いでルミトナルに向かう。
「【エアコーティング】」
「ヒヒーン!」
今日もうーちゃんは元気だ。
「その魔法は?」
「僕のオリジナルだよ。秘匿してるから教えない」
「秘匿してると言った割には大胆に使ってますが」
白々しい目で見られた。
「これ、覚えるの難しいからね」
「そうなのですか?」
「うん。行きながら説明するよ。乗った乗った」
僕達を乗せて馬車は走る。うーちゃんは速く走れるのを喜ぶかのようにびゅんびゅんとばす。ガッタンガッタンなるから今日も『フローティング』。
ミルに『エアコーティング』の原理を教えても、覚えられなかった。空気抵抗を風魔法で減らすだけなんだけど、この世界はまだ化学がそんなに発達しておらず、空気抵抗という概念がない。僕が教えられたらいいんだけど、あいにくそこまでの知識はない。いつもなんとなくで使ってるからな。
覚えられたセリアは良いほうで、ユリウスに至っては暴走したからなあ。
*
その後は特に何もなく(と言っても盗賊が襲ってくるぐらいのことはあったけど)、ルミトナルに着いた。外見は、ミトレムにそっくりで、違いは壁にルミナス教のシンボルマークと思われるものが描かれてるぐらいだ。遠くに神殿っぽいのが見える。
「巫女様、よくぞご無事で!」
ミルが門にいた衛兵に手を振ると、慌てて数人が駆け寄ってきたーー武装して。
「貴様らが巫女様を攫った犯人だな! 大人しくしろ!」
……ねえ、何で僕達槍の矛先を向けられてるの?
「落ち着きなさい。この者達は私を助けてくださったのです」
「騙されてはなりませんぞ。こやつらは巫女様を利用しようとしているだけです!」
はあ? 何こいつ?
「ごめんミル、君を助けなきゃよかったって思ってる」
「謝罪するのはこちらのほうです。貴方方に矛先を向けるなど、恥です」
ミルが僕に頭を下げると、さっきからいちいちうるさいやつが突っかかってきた。
「貴様、巫女様に頭を下げさせるとは何奴! 俺と勝負しろ!」
駄目だこいつ。こういうやつはぶちのめすに限るな。
「いいよ。ミル、少し離れてて」
「はい」
ミルが後ろに下がった瞬間、槍を突いてきた。
「慌てんなよ」
「ほう、少しはやるようだな。だが次はどうだ!」
初撃を避けると、次はは腹と足へ2連撃。これも難なく避けた。
しばらく手を出さずに様子見で避けていると、調子に乗りだした。
「どうした? 避けるだけで精一杯か?」
うっぜ。止めてやるか。
「何っ!?」
槍を受け止めたぐらいで、そんなに驚くかね?
槍を引いたり押したりするものの、全く動かない。それもそうだ。体にかけてる重力を半分にしてから50%の力で握ってるんだから。
「貴様! どんなイカサマをしてるんだ!」
「イカサマとは失礼な。ただ握ってるだけさ」
「嘘をつくな。でなければ俺の槍を止められるわけがないだろう!」
近くでいちいち大声を出すなよ。うるさいな。
「【アイスエッジ】」
手元に出来た氷の刃を薙ぐと、槍がバラバラになった。持ってたやつの顔が驚愕に染まった。
「なんーー」
「はい、終わり。それともまだやる?」
喉元に『アイスエッジ』を近づけると、口を噤み、俯いた。もういっかなと思い、『アイスエッジ』を解除した。
その時だ。僕の左腕に衝撃が走った。こいつが蹴りをかましてきたのだ。
「馬鹿め、油断するから……だ?」
「不意打ちか。別に誇れることでもないけど、立派な戦法の1つだね。」
「何故だ! 何故効いていない!」
「いいか、蹴りってのは、こうやるんだよっ!」
左足を踏み込み、腰を回し、太もも、ふくらはぎ、足に力を伝わせる。
「おらあ!」
ロックレイヴンの素材で出来たブーツで放つ蹴りが当たり、地面と垂直に20m程吹っ飛び、何回なバウンドして止まった。人ってあんな飛び方出来るんだなあ。
「お見事です」
「ユキトなら、これくらいは普通よね」
ユリウスとミルが寄ってきた。2人はいつの間にか仲良くなってた(ユリウスが餌付けしたとも言う)。セリアは馬車の中で大人しくしてるようだ。
「これで、街の中に入れる?」
「……は、はいっ!」
近くにいた衛兵に尋ねると、怯えながら返事をした。何で怯えてんの?
「あ、あとこれを。読んでみてよ」
ビクビクする衛兵に羊皮紙を渡すと、目を見開いて驚いてる。そりゃあそっか。
「こ、これは! 早く神殿に戻らないと! 巫女様もご一緒に!」
「ですが……」
こっちを見てなんとも言えない表情をしてる。大方、僕も連れて行きたいんだろう。
「僕達はしばらくこの街にいるから、何かあったら連絡してよ」
「ありがとうございます! このお礼はまた後日!」
「うん。あ、ちょっと待って」
急いで行こうとするミルを止めて、僕の『毒・麻痺・睡眠耐性Lv.9』とHP、VITを複製した。微妙な間が空き、ミルは不思議な顔をしてる。
「どうしたのですか?」
「ちょっとしたおまじないさ。またね」
「はい。失礼します!」
あっと言う間に、街に入って行った。あの人忘れて行っちゃったよ。どうすんだろ?
とりあえずは、これでいいのかな?
(うむ、ありがとうなのだ)
(どういたしまして)
(今度お礼をするのだ。楽しみにしておくのだ。)
(ありがと。ねえ、ちょっと聞いていい?)
気になったことを聞いてみよう。
(ルミナスって神は本当にいるの? 誰かがなりきってるとかじゃなくて?)
(どうしたのだ? やけに疑い深いのだ)
(いやさ、フレイヤはちゃんと解析したし、ゼウスはこの目で不可思議なことを見たけど、ルミナスは声だけだから)
(まあ、疑うのは良い事なのだ。ちゃんといるのだ。月を司る中級神なのだ)
(へえ〜。神にも階級があるんだね)
(ちなみに私は上級で、ゼウスが最上級なのだ)
(あいつすごいんだな。そうは見えないのに。ルミナスって神によろしく言っといて)
(分かったのだ)
フレイヤとの通信が途絶えた。
「じゃあ、街に入るか」
「がう!」
「ねえ、レオって街中に入れるの?」
…………さあ?
*お知らせ*
来週はテストがあるので、17.21日の投稿はお休みします。
22日の土曜日に、3話まとめて午前0時に投稿します。悪しからず。
感想や質問、誤字・脱字の指摘お待ちしています。




