魔法で手合わせをするようです。
6万PV、3万ユニークありがとうございます!これを励みにこれからも頑張ります!
セリアが杖を持って来るのを確認して、馬車から離れることにした。
「風よ、我が身を運べ【エアコーティング】」
あれ、今の魔法は……
「ご主人様の『エアコーティング』です。頑張って覚えました」
どうだ、とばかりに胸を張っている。おおう、揺れる揺れる。 じゃなくて
「覚えられたんだね。この前まで覚えられないってヒイヒイ言ってたのに」
「あ、あれはただ焦ってただけですよぅ……」
からかうと、耳を伏せてしょぼーんとしてしまった。セリアをからかうのは面白いなぁ。
「まあ、それだけ成長出来たってことだし、いいじゃないか。じゃ、行こうか」
「はいっ!」
しかし、褒めるとすぐに元気になって僕についてきた。げんきんなことで。
十分に馬車から距離をとったところで、互いに向き合う。
「今回はどうするの?」
「近接もしてください」
「りょーかい」
セリアとやりあう時は、近距離のみ、遠近両方、遠距離のみの3つから選んでやる。今回は両方みたいだけど、多分近づかずに終わると思うんだよな。
「始める前に、1つ魔法を使っていいかな?」
「いいですが、何の魔法ですか?」
「使ったら分かるよ。【重力10倍】」
途端に、周囲の草が潰れた。セリアも耐えるようにその場で踏ん張っている。
「ご主人様、これは……?」
「時空間魔法の1種で、重力を増やす魔法だよ」
「重力?」
「地上において物体が地面に引き寄せられる力のこと。 って言っても分かんないか。簡単に言えば、自分の重さが増すんだよ」
「なるほど、それでこんなに体が重いのですね。ご主人様は平気なのですか?」
「僕はこれを使えるようになってから、いつもこれの5倍を体にかけてるんだ。重複はしないから平気なの」
「ほえ!?」
セリアが素っ頓狂な声をあげて驚いた。
まあけっこう動きづらいんだけどね。触れた相手に重力か移らないようにするのも大変だし、しかも軽く毎秒500ぐらいはMP使うし。
「ところでセリア、動ける?」
「動けま……ぎゃん!」
無理に動こうとして前のめりに転けた。あれ痛いんだよなあ。コンクリに叩きつけられた時以上だったもんなあ。
「やっぱいきなり10倍は早かったか。とりあえずは、2倍かな」
重力を下げると、セリアが立ち上がった。自分の体が重いのに慣れないのか、涙を目に溜めてプルプルしてる。うーむ、これは何かグッとくるものがあるな。
「さっきと比べて体が軽くなった気がします」
「それが重力を大きくした後の効果だよ。MP、LUC以外が伸びるんだ」
「これは鍛えられますね」
「MPの消費も多いんだけどね。じゃ、このまま始めるよ」
「はい! 炎よ、敵を撃て【フレイムアロー】!」
「【アイスニードル】、【グラビティバレット】」
氷の棘が炎の矢を打ち消し、弾丸サイズの空間の歪みのようなものがゆっくりと(ゆっくりとは言っても銃弾に比べたらだが)セリアに迫る。
「【ストーンランス】! え?」
セリアが放った石の槍は『グラビティバレット』に当たった瞬間、あらぬ方向に飛んで行った。
「『グラビティバレット』は止められないよ」
悔しそうな表情で何発か魔法を放ったが、どれも当たった瞬間に色んな方向に飛んで行く。
目の前まで迫ると、流石に避けた。けど、そこにも『グラビティバレット』は放っていてーー
「きゃあっ!」
当たった瞬間、セリアは吹き飛ばされた。
『グラビティバレット』は表面に重力が発生していて、当たった場所次第で、様々な方向に吹き飛ぶ。止めるには、重力を弾くぐらいの強い魔法を使うか、同等以上の重力を使うしかないから、だいたいは避けるしかなかったりする。そして、1番厄介なのが……
「う、動けません……」
当たった相手に弾に込めた重力と同じ重力がかかることだ。今のは20倍だったし、セリアじゃ立つことも出来ないだろう。
「これで終わり。大丈夫?」
「はい……」
重力を解除すると、すぐに立った。『グラビティバレット』自体にダメージを与える効果はないから平気なはずだ。
「ご主人様は益々理不尽になっていきますね」
「それは褒めてるの? 貶してるの?」
「この調子だと、いつか魔法連合協会に消されますよ」
「おい無視するなよ。まあ、そうなったらこっちが消してやるさ」
「もしそうなったら立派な犯罪者ですよ。やめてくださいね? ね?」
何が心配なのか、念をかなり押してきた。軽いジョークなのに。
質問があったので補足しておきます。
『グラビティバレット』の発生している重力は斥力のようなものです。
以上!
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