美味しく頂くようです。
ストライク・ザ・ブラッドって面白いですね。今出てる分を全部買っちゃいました。ギターも買いました。
金が吹っ飛んだZE☆ HA HA HA!
…はぁ。
では、続きをどうぞ!
今回はちょっと最後にエロ要素が混じってるので苦手な方は読み飛ばしてください。
街の中はいかにも異世界って感じだった。亜人とか剣とかいっぱいだ。
「ふわあ〜」
セリアはお上りさん丸出しだ。
「ほら、行くよ。宿をとらないと」
「そ、そうでしたね」
「にゃあ」
街に入った後、カシムさんとは別れて良い宿の場所を教えてもらった。
宿の前に着くと、中が騒がしいのに気づいた。扉を開くと、怒声が聞こえてきた。
「俺様の言うことが聞けないってのか!?」
「うるさいわね。周りに迷惑をかけるやつなんて出て行きなさいよ」
むきむきのおっさんとエプロンをつけた緑色の髪をポニーテールに結った少女がカウンターで口論していた。おっさんが攻めて、少女が受け流す感じで。
「なんだとこの野郎!」
男が殴りかる。傍観するのはここまでだ。
「クロネ」
「にゃあ」
振り降ろされた拳ごと影で捕まえた。
「ああ、なんだこれは?」
「おじさん、暴力は良くないよね」
「うるせえぞこのガキ! 俺をランドがっ!」
うわっきたな。唾飛ばしながらしゃべんなよ。腹いせに殴ったけど。
「……」
あれ、気絶してない?弱っ。
「流石です!」
「にゃあ」
「はいはい。ねえ、大丈夫だった?」
「え、あ、ありがとね」
「どういたしまして。泊まりたいんだけど、部屋空いてる?」
「ちょっと待ってね」
手元のパソコンを見て何かを確認している。 ……ってパソコン!?
「ねえ、それ何?」
「これはパソコンっていう魔道具よ。知らないの?」
「いや、僕は田舎から出て来たから知らないんだよ」
「ふぅん。なんでもこれは、100年くらい前のマサヒロ・カトーって変な名前の勇者が作ったらしいわよ」
そいつ日本人じゃん。何してんだよ。というか100年前?時間軸ズレてない?
「空いてたわ。どのくらい泊まるの? 日数によっては割引きもあるけど」
「とりあえずは2週間かな」
「それなら1割引きで41680メルンよ」
小銭も欲しいし10万でいっか。
「はい、おつりの58320メルンね。じゃあここの説明をするわ。朝食は3の鐘から4の鐘まで、夕食は6の鐘から8の鐘までよ。その間の食事は無料だけど、時間外の食事は有料よ。
4鐘半に部屋の掃除とシーツ換えに来るから。水は裏の井戸から汲んでね。
何か質問はある?」
「もし1日部屋を空ける時は?」
「その時は言ってくれればその日の分は返却するわ。他には?」
「ない。セリアは?」
「ありません」
「にゃあ」
クロネもね。
「ねえ、ちょっと気になったんだけど、その猫ってケットシーよね?」
「そうだけど?」
「ケットシーなんて始めて見たわ」
「珍しいからね。この子はちっちゃかったころから育ててたから僕に懐いたみたい」
「へぇ~、そんなこともあるのね。それじゃあこれが部屋の鍵よ。2階の204号室になるわ。
改めて、『猫の羽休め亭』へようこそ!」
猫が羽休めをするのかとツッコミたいのを心に留めて部屋に入った。ベッドとイス、テーブルだけの簡素な部屋だ。
「さてと、まだ昼過ぎだけどやりたいこととかある?」
「では服を買ってはどうでしょう? 見たところご主人様は1着しか持ってないようですし」
それもそうだな。ついでにセリアの分も買おう。貫頭衣1着じゃかわいそうだしな。
そんなわけで服屋にやってまいりました。
「はいセリア、これ」
「え!?」
渡したのは純銅板、つまり10万メルンだ。
「こ、こんなにいただけません」
当たり前か。
「おつりを返してくれればいいから、好きなだけ買いなよ」
「……分かりました。では後ほど」
どこか神妙な顔をして女性用コーナーに行った。僕も買おうかな。
ある程度予想してたけど、この世界の服ってあんまり色のバリエーションがない。毛皮とか糸とかからしか作れないからだろうな。色染めなんてしないだろうし。
結局適当にシャツとズボンと下着を3着ずつ買って終わった。5000メルンしか使わなかった。安いよな。
セリアを見てみると、店員さんと話しながら青ざめたり神妙な顔をしたり照れたりしてる。何を話してるんだよ? 店員さんは黒い笑顔してるし。
「お待たせしました」
セリアが戻ってきたのはだいたい1時間してからだった。貫頭衣じゃなくて白のワンピースになってる。腰あたりについた青いリボンがワンポイントだ。
「似合ってるよ」
「ありがとうございます……」
赤面して、耳と尻尾がピコピコしてる。可愛いけど、どんだけ買ったんだよ。10個以上袋があるように見えるんだけど?
「おつりは?」
「は、はい」
返ってきたのは銅貨3枚と銅板1枚だけ。結構うろちょろしてたのは見てたけど、まさか目についたものを全部買ったとかじゃないよね?
「目を逸らさない目を」
「………」
こりゃダメか。後でお仕置きしよう。
「とりあえず、宿に戻ろうか」
「はい」
目を逸らしたまま宿に戻ってる途中、不意に体が止まった。クロネの仕業だな。
「どうした?」
「にゃあ」
「あれが欲しいの?」
「にゃ!」
「買ってあげるからこれ解いてね」
クロネが欲しがったのは眼と同じ色の首輪だ。
「いいですねぇ」
「どこかの誰かさんは服屋で98700メルン使ったのに?」
また目を逸らしたな。
そんなこともありつつ宿に戻ると、ちょうど夕食の時間だった。買った服を部屋に置いて適当な席に座った。
メニューを見てみると、知らない食べ物ばっかだ。よし、ここは無難に本日のおすすめにしよう。
「すいません、本日のおすすめを2つ」
「はいはーい。あ、さっきの」
オーダーを取りにきたのは口論してた少女だった。
「さっきはありがとね。おかげで助かったわ」
「そりゃどうも。僕は幸人。君は?」
「私はユリウスよ。種族はエルフだからね」
まじか。どうりで耳が長いわけだ。
「じゃあ持ってくるからちょっと待っててね」
セリアとのんびりしゃべっていると、ユリウスが大きな皿を2つ持ってきた。
「はい、本日のおすすめのコケッコの蒸し焼きとコルのスープね。」
……鶏の蒸し焼きにコーンスープの間違いじゃないの?
「ごゆっくりどうぞ〜」
業務的な挨拶をして他の客のオーダーをとりに行った。
「ねえセリア、コケッコって白くて丸っこい飛べない鳥?」
「そうですけど?」
「鳴き声はコケコッコー?」
「はい」
鶏じゃん。
「いただきます」
「いただき……それは何ですか?」
「これは僕の国の感謝を表す言葉だよ。何かを食べるということはその命をいただくこと。それに感謝して『いただきます』って言うんだ」
「いい言葉ですね」
「そうかな? あ、食べ終わったら『ごちそうさま』だかね」
「はい。ではいただきます」
「にゃあ」
味もそっくりで美味しかった。飯の後と言えば、そう、お風呂だ!
個室に風呂はないけど、公衆浴場はあるらしい。魔法で温水を出せばいいからすごく楽。ぬるくなっても適当に温めれば問題なし。魔法様々だな。
「はふぅ〜」
「坊主、随分と気持ち良さそうだな」
「1日の最後は風呂でゆっくりしないとね」
「がははははは! 分かってんじゃねえか」
一緒に入ってたおっさん達と仲良くなったりしてゆっくりと浸かった。
「お先してました」
「はいはい。」
セリアは先に上がってたみたいだ。
「にゃあ……」
「猫は入れないからしょうがないよ」
クロネも残念そうだ。魔法を使えるようになったら浴槽を作って一緒に入ろう。
こっちの世界の就寝時間は早い。夜は暗いからね。
「おやすみ〜」
「おやすみなさいませ」
「ふにゃあ〜」
こうして異世界の1日目は終わった。
……と思っていた。
「ご主人様……」
あの、セリア?
「何で僕のベッドにいるの?」
柔らかいものが当たってるんですけど。
「そのですね、あの、……抱いていただけないでしょうか?」
「へ?」
それはつまり、ヤろうってことだよね? 僕も男だしいいんだけど……
「セリアはいいの?」
「はい」
即答かい。しょうがないなあ……
「セリア……」
「ご主人様……」
互いに呼びあって、唇を重ねた。
最後のいきなりにはちゃんと理由があります。詳しくはwebで。 …じゃなくて、登場人物紹介で。
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