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兄の話  作者: なみあと
Ⅱ 見えるものの話
14/23

7 見えるものの話(終わり)



 数ヵ月後、新聞の端に小さく載っただけの記事。

 それを見て、ようやく私はその人の思いを知る。



「……世の中っていうのは、こんなことばっかりだ」

 この間聞いた言葉を、今度は自分で口にする。細々とした響きはあの人の声で聞いたそれとまったく異なり、説得力など欠片もなかった。

「だけど、そんなの……」

 私は。

 少し躊躇ってから、携帯電話を取り出し。更に長い時間を迷ってから、ようやくメールを送信した。

 しかしそれに対する返信は早く、そして文面は非常に短く――

 文字と文字の隙間から、いつもの嘲笑が見えたような気がした。




  いずれにせよ、我慢なんかするもんじゃねェよな。

  まったくもって、馬鹿馬鹿しい。





     *





会社員自殺、労災認定へ

▼株式会社クマル・コーポレーション(本社・東京都中央区銀座)で営業の仕事をしていた男性(当時25)の自殺について、某労働基準監督署は、過重労働が原因だったとして今月20日付で労災認定していたことが分かった。▼男性は某年に入社。同年6月から同社の営業業務に携わったが、月100時間を超える時間外労働が続いた。翌年9月中旬には「ノルマが達成できなかった」という心理的負荷から気分障害を発症、10月5日に自殺した。








  おしまい。



 次章はまたそのうち載せます。

 ありがとうございました。


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