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「器」執筆物語  作者: 猿吉


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第五話 点と線

まず最初に。


この執筆物語を読んでくださっているあなたへ。ここまで辿り着いてくださったこと、本当にありがとうございます。


正直に言えば、ここはとても目立つ場所ではないし、わざと何も案内をしていないくらいです。けれど、それでも見つけて、読み続けてくださっている方がいる。


その事実に、驚きと、ありがたさを感じています。

こんにちは〜。

今回も、ちょっと思うところがあって描いてみようと思う。


今週は、器零の二つの話を世に送り出した。

書き進める中で強く感じたのは、物語というものは、最初に思い描いた通りには進まないということだ。


構成を練り、先の展開を考えながら書いていても、気づけば全く違う流れに辿り着いている。

だが、それは決して逸れたわけではない。


むしろ、川が地形に従って自然に流れを変えるように、物語もまた、その時その場で最も無理のない形へと進んでいく。


無理に元の流れへ戻そうとすれば、水は濁る。

だから私は、その流れを受け入れることにしている。


ここで伝えたいのは、物語の話に見えて、実はそうではないということだ。


私たちは皆、その時その時を懸命に生きている。

夢や希望を抱きながら、未来を思い描きながら進んでいる。


だが現実は、思い通りにはならない。


思っていたのとは違う方向へ進むこともある。

望んでいなかった出来事に向き合うこともある。


だが、それを間違いだと決めつける必要はない。


目の前に現れる問題や出来事は、一見すると無関係に見える。

けれどそれは、例えるなら散らばった点のようなものだ。


その時は意味が分からない。

だが後から振り返ったとき、それらは一本の線として繋がっていることに気づく。


私自身、一度それを経験している。


だから今は、こう思うようにしている。

これは何かのサインかもしれない、と。


もちろん、だからといって流されていいわけではない。


大切なのは、夢を手放さないことだ。


違う道に見えても、そこから逃げるのではなく、今ある課題と向き合いながら進んでいく。


すると不思議なことに、それがやがて最初に思い描いた未来へと繋がっていく。


あるいは、それ以上の場所へ辿り着くこともある。


つまり、未来は一本道ではない。


むしろ、いくつもの細い道が重なり合いながら、気づけば一つの流れになっている。


この執筆物語を書いている意味も、きっとそこにある。


物語を書くことを通して、自分自身の生き方を見つめているのかもしれない。

そして、今こうして言葉にしているのは、ただ伝えたいからだ。


これを読んでいるあなたへ。


もし今、思い通りにいかないことがあったとしても、それは無駄ではない。


遠回りに見えても、それは必要な道だ。


私たちはまだ先の長い人生を生きていく。

そう信じている。


だが、その長さに確かな根拠があるわけではない。


それでも人は、未来を信じて生きる。


ならばせめて、自分の信じた方向へ進めばいい。


目の前の一歩を、丁寧に踏みしめながら。


その先に何があるのかは、まだ分からない。

だがきっと、それは想像していたものよりも、少しだけ面白い。


そう信じている。


今回も、お付き合いいただき。ありがとうございます。

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