表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

32/134

episode31〜再び〜

初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。



ある広い部屋に二人の青年がいた。


一人は感激のあまりに、もう一人は想像を絶するあまりに…


彼らは各々の衝撃で固まっていた。


何やら下を向いて、手に持っている紙を見ている。


そう、これは人相書である。


いや、人相書なのかもわからないほど、無惨と言えるのではないか。


昨日、カヌアが都で見たフード帽の男の人相書らしきものを、ウィルが手にしているのである。


カブラは本人からそれを受け取った際、もう二度と目にすることはないと思っていたが、一応主人に報告したところ寄越せと言われた。


そして、今に至る。


ウィルはカヌアが描いた絵を初めて目にし、それを手に入れたことに感激していた。


もう一度言う。

これは人相書である。


「これはっ!なんて素晴らしい曲線なんだ!」


目を輝かせてウィルは言う。


(ウィル様はこれが本当に、人相書であると認識して言っているのか?)


そうカブラは思いながら、話を進めた。


「ウィル様、一応聞きますけどこの顔に見覚えはございますか?」


「え?顔?ない…が、ここに雲?花?のような物があるな?」


とウィルが指差したところを見ると、確かに雲か花のような物が描いてある。


「本当ですね。申し訳ありません、見逃していました。これは何なのか本人に直接聞いてみましょう」


とカブラが言うと、ウィルが頷いた。



そしてその本人こと、カヌアは今朝も念入りにレグの周りをうろついていた。


レグは少し困惑気味だった。


ひと通り嫌われながらも、コミュニケーションを少しずつ取るようにしている。


そして、まだレグの口内の傷が治っていないため、今日はこの後剣術場に行くことにした。


そこには長身美人ことサラが剣を握っていた。


「おはようサラ!今日も剣術?」


とカヌアが声をかけた。


「おはようっ!カヌアッ!」


サラは気合いが入りすぎて、少し大きな声になってしまったもよう。


「久しぶりね。私は剣術と馬術のみしか来てないからほぼ毎日いるけど、カヌアは忙しいの?」


(なんだかフラフィーが寂しそう)


「ちょっと色々あってねぇ。ところであそこに少し人だかりができてるけど…何かあったの?」


とその方へ指を向けたカヌア。


「あぁ、あれねぇ、また例の男が懲りずに新入りをいびってるのよ」


(例の男?)


と思い、様子を見にカヌア達も近くへと移動した。


すると見覚えのある顔がいた。


いびってる側の男は例のビッグマウス男である。


あの日カヌアに瞬殺されたはずなのに、本当に懲りていない。


そして、見覚えのある顔はそいつだけではなかった。


(え?何でここに?)


そうカヌアが思った瞬間、ビッグマウス男の持つ剣が真上に飛んだ。


そして、男の前髪を擦り切り真っ逆様に地面に突き刺さった。


それは、カヌアが来る数分前の事だった。


彼は男を従えて、ある人物を探しに剣術場に来ていた。


そう、この国の殿下、ウィルである。


ウィルはいつもの王族衣装ではなく、動きやすくかつシティーボーイに見える程度の服装を身に纏っていた。


彼はカヌアの姿を探しながら剣術場を回っていると、目の前に態度のデカい男が現れた。


そう以前カヌアに一撃で剣を奪われた男、通称ビッグマウス男であった。


そして、言わずもがなそいつは王子の前をニヤつきながら、ウロウロし始めた。


このプライドの高い男は、また懲りずに新たな新入りに自身の威厳を見せつけようとしていた。


そんなものは皆無なのに。


そして今回のそのターゲットがウィルだ。


もちろん男は彼が王子だとは認識していない。


そんな無知な奴がウィルに言う。


「おいお前、なんだぁ?男のくせにそんな細っこい腕で剣なんか振れるのか?まぁなんだ?俺が?手加減して?相手してやってもいいが?」


え?なんだ?この会話そっくりそのまま過ぎて、作者コピペしたやろ?ってくらい同じ台詞を言っている。


彼なりの台本があるのか?


「ウィル様、相手にすることはありません」


とカブラが囁いたが、ニヤリとしてウィルが言った。


「いや…お相手願おう」


と礼をすると、次の瞬間ビッグマウス男の持つ剣が真上に飛んだ。


そして、男の前髪を擦り切り真っ逆様に地面に突き刺さった。


ここからはもうカヌアが見た光景と同じだ。


(え!?ウィル様めっちゃ強い!えぇーえへへへへへへぇ)


カヌアはその光景を目の前に、不気味な程ウズウズし始めた。


すると、何度も同じような光景を見て来たサラが、ビッグマウス男に言い放った。


「いい加減学習しろ」


その言葉に異常に反応したようで、ビッグマウス男が突然サラの後ろを狙って斬りかかろうとした。


その瞬間、ジャキンッと剣で迎え撃つ音が鳴り響いた。


剣を構えてたのは、指南のレイルであった。


「いい加減に見過ごせない。お前は2度と王宮の敷居をまたぐな、出て行け」


と冷静に言うレイル。


それに対し、冷静にお礼を言うサラ。


「レイル指南、ありがとうございます。すいません、油断しました」


「いいんだ、あいつが良くない。不意を突いて後ろから襲うなど」


と、レイル。


そして冷静じゃない人がここに一人。


(お、お兄様!かっちょぇぇえーーこりゃ惚れるぞ?惚れるぞ?)


とチラチラ横目でサラを見るカヌア。


二人とも無表情のままだった。

無表情×無表情だ。


(興味ないか…あれ?でもフラフィーが…え?)


とカヌアは残念がったがそうではなかった。


サラはレイルにめちゃくちゃ惚れてしまっていた。


いつか、その感情を表に出す日が来るのか来ないのか?

その時が待ち遠しい。


一方、ウィルは野次馬の中にカヌアを見つけ、浮かれていた。


「カヌア!探したぞ!少し聞きたいことがあってな」


と、今の出来事が何もなかったように言って来たが、ウィルの剣の強さを目の当たりにしたカヌアは、身体の疼きが止まらなかった。


「ウィル様!とても素晴らしい剣裁きでしたね!是非!私と手合わせ願いませんか?」


と目を輝かせながら言った。


もちろん条件[1]の手合わせをする際、男性からの誘いはしないということに反してはいない。


しかもカヌアからのお願いである。

断るわけがない。


「承知した」


と笑顔で言う。


まさかの連戦かという周りの反応をよそに、二人は礼をした。


すると、まずはカヌアから仕掛けた。


(一応王族だからな、傷つけちゃうと怖いしあまり本気は出さないようにしよう)


とカヌアは気を回したが、見事に全ての攻撃を受け流される。

しかも軽々と。


カヌアはそのうち本気になって、強めに攻め入ったが、どんな攻撃も受け止められた。


そう、ウィルはめちゃくちゃ強いのだ。


もちろんカヌアに攻撃を一切仕掛けるつもりはない。


ただ、カヌアから来るその鋭い切先を受けたいのである。


尚の事、全ての攻撃を身体に受けたいくらいだとさえも思っている。


まさに ’変態‘ だっ!!

言った!言ったぞ!ついに言ってやったぞ!


すると、ジャキンッジャキンッと両サイドの剣が止まる音がした。


間に両手に剣を持ったレイルが二人を止めたのだ。


(キャーーー!二刀流!!初めて見た!かっけぇーー!私もやりたいっ)


「レイル兄様?」


とカヌアが聞くと、無表情のまま応えた。


「勝負は…引き分けという事でよろしいですか?」


とウィルに聞く。


これ以上やっても、カヌアがバテるまで長引くと判断したためだろう。


ウィルは少し物足りないような様子で頷いた。


「わかりました。ウィル様、お相手して頂きありがとうございました」


とカヌアは一礼した。


彼女は久しぶりに強い相手と一線交えることができたので、心が満たされていた。


ウィルの方はと言うと、カヌアに攻められた幸福感で本来の目的を忘れかけていた。


ここまで読んで頂きありがとうございました!

突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ