episode27〜お節介〜
初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。
今朝はいつもより早く起きたカヌア。
なぜなら、昨日嫌われ気味だった馬のレグと仲良くするために、厩へ来ていたからだ。
「あの〜おはようございます。えーと、誰か…」
すると中から、少し色黒の青年が出て来た。
「おはようございます。何か御用でしょうか?」
彼は無愛想に言う。
「あの、急に来て失礼だとは思ったのですが、少し馬の様子…というか、お世話を手伝わせて頂いてもよろしいでしょうか?私、馬術を習っているのですが、中々慣れなくて…馬のお世話をして、少しでも歩み寄ろうと思ってるのですが…稽古が始まる前の朝だけでいいので」
「あぁ。えーと、確認しなければわかりかねますので…」
と断れると思った時、少し離れた所から可憐な声が聞こえた。
「あら?いいんじゃないの?リアム、ダメ?朝だけだし、特に彼女がお世話したいのはレグだから。それに、人手も足りないんじゃなくって??他の人に何か言われたら、私しの名を出してもいいわ。ね!だからお願い、リアム」
と超絶可愛い上目遣いをして頼んだのは、馬術講師ことロゥサだった。
(やっべぇ…最強クラスの可愛いお願いですよ!こんなお願いされたら、誰でも速攻聞いちゃうよ?だからお願い!)
とお願いされてないカヌアの方が胸を鷲掴みにされ、チラッとその厩番の方を見る。
すると、彼は微動だにしない。
(あれ?なんだ?彼には効いてないのか?あの攻撃が)
「……わ、わかりました」
かなり効いていた。
彼はロゥサの可愛さのあまり、気を失いかけていただけだった。
それが顔に出ないだけ。
(よっしゃ!!)
カヌアはそう思い、気を取り直して言った。
「ありがとうございます!それでは、早速!」
「あ、カヌアーリ様、レグをお相手なさるなら、まずこれを装着して下さい」
と厩番に渡され、言われるままそれをつけた。
(え……何?…これ?私これから殴られに行くの?剣道するの?前見えにくいんですけど。これはビジュアル的に大丈夫?私主人公だよ?)
そうである。
頭部をガッチリ防護するための、アルデリア王国風鉄兜と面金を渡されたのだ。
ロゥサはいつもと変わらない、そのニコニコ顔をカヌアに向けていたが、フラフィーがめちゃくちゃ不憫な顔をしていた。
厩番のリアムは真顔であったが、お付きのフラフィーはなぜか安心という雰囲気だった。
(あれ?そういえば、なんでリアムさんは私の名前知ってたんだろ?私、名乗ったっけ??あ、まさか既に有名人?やだー!ふふふ)
これまた得意の勘違い。
そしてカヌアは早速レグの元へと行った。
「レグちゃぁーん。おはよ…ヴ…」
レグに挨拶しようと近寄ると、思いっきり首を持ち上げ頭突きならぬ顎突きをして来た。
持ち前の反射神経で事なきを得る。
(あっぶねぇーそう言う事だったのか、この防具は。機嫌悪いのか?う〜ん、かわい子ちゃん困りましたねぇ)
「ご飯食べようねぇー。これかな?これがいいかな?」
是非とも周りが引いてるのに気が付いて欲しい、その言葉遣い。
だが、レグは与えた餌を全然食べようとしない。
(うーむ、やはり信頼してない奴からの手からは喰わねぇか…ん?)
するとカヌアは違和感に気づく。
「これって…」
厩番のリアムを呼んで、思った事を伝えてみる。
「あの、レグの‘ハミ‘なんですがおかしくないですか?」
とカヌアが聞くと、リアムが調べ始めた。
「…っ!確かに、ハミが壊れてますね。少し血も出てる…よく気が付きましたね」
(やっぱり!不機嫌なのもご飯を食べないのもそのせいだったんだ!)
ハミとは、馬の口にくわえさせる金属製の道具である。
乗馬の際に握る手綱に繋がっていて、その時に出す指示を馬に伝える。
とっても大切な道具なのだ。
「う〜ん、でも困りましたねぇ。今はレグに合う予備のハミが無いんですよ」
とリアムが言った。
(フラフィーも本当に困ってる。そうか…ん?買いに行けば良くね?)
「私行きますよ!今から、あ、でも特注品とかなんですか?」
と言うカヌアを見て、驚きながらリアムが言った。
「え、あ、それはとてもありがたいのですが、少し問題がありまして。特別に注文するようなものでは無いのですが、レグの大きさのハミは王室用の馬具店でしか売ってないんです。そこは王族の方の許可証、もしくは王族の方もどなたか連れて行かなければならなくて、今からとなると…」
カヌアは考えた。
そして閃いた。
(ほほぅ。王室御用達とな。是非とも、是が非でも行ってみたい!!もうこれはあの人しかいないっしょ!)
欲にまみれた娘である。
馬具の事になると目がなかった。
本当にこんな娘がいいのか、ウィルよ。
「大丈夫です!!私に任せて下さい!!」
と、ものすごい圧に押されたリアムには、止める由もなかった。
リアムからレグのハミ用の注文書を受け取ると、即座に向かった。
麗しき王子、ウィルの元へ。
「あ!カヌア様っ!それをっ!」
とリアムが何やら伝えようとしたが、既にカヌアは耳に入らず、そのまま走り去ってしまった。
ここまで読んで頂きありがとうございました!
突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。




