episode26〜嫌われたの?〜
初連載の続きです。なんとか毎日投稿出来てます。ゆるく読んでいただければと思います。
昨日は色んなことがあり過ぎて、脳内がまだ整理できずにいたカヌア。
しかし能天気娘は今朝も元気良く、王宮へと向かっていた。
目的の場所に着くとそこには、美しい毛並みとクリクリなお目々、この上なく凛と佇むその姿があった。
そうそれは、カヌアの愛するお馬さんであった。
本日は馬術場に来ていた。
カヌアは様々な顔つきの馬を見て、目を輝かせていた。
(うーん!最高最高!やっと来れたぁ!あー良いか・お・り)
一日二項目ずつ、もしくは三項目が限界ではないかと思われるので、中々毎日とはいかない。
弓術は毎日通うのは確定しているので、あとはどう時間を振り分けるか。
カヌアは優先順位を決めるのに悩む日々を送っていた。
(よし!ではかわい子ちゃんに挨拶しに行こう!)
とヘラヘラしながら、かわい子ちゃんこと近くにいた黒い毛並みの馬の方へと近づく。
するとその馬は、思いっきり首を高く上げた。
(ん?あれ?)
そして、じーーっとカヌアの方を見ると、耳をそばだてた。
(え?これって…)
カヌアは嫌な予感しかなかった。
すると、遠くの方から颯爽と馬に乗ったこれまた美女がこちらへと向かって来た。
そして元気よく、その場にいた人集りに挨拶をした。
「ごきげんよう!皆様!本日もよろしくお願いしますね!」
「よろしくお願いします!!」
と頬を染めた男どもが挨拶する。
私もそれに倣った。
(何だか皆…えぇ、おいおいおいおい、ここもかよ。フラフィー達の目からハートが飛び出ているよ?)
その場にいた者達が、美女講師目的なのが丸わかりのカヌアは、若干うんざりしていた。
「さぁ、皆さん、今日も思う存分この子達と仲良くしてやってください!それから今日は少し障害を超えるような訓練も致しましょうね!」
(とても良い雰囲気な人だな。先生が優しそうな女の人で安心…なんか、一通り教わりに行ったけど、身内がいたり指導する側に女の人が多い気がするなー……リュカ様はどっち側?)
そう、それはウィルなりの対策であった。
愛しいカヌアを危険から守るための。
そんな心配は特にいらないと言うことも知らないまま。
そして、リュカだけは想定外の配置になった。
各々が馬を選んでいく中、カヌアはどうしようかと見渡した。
すると、空いてる馬を見つけた。
先程の近づこうとした馬だ。
他の者はなぜかこの馬には皆近づこうとしなかったのだ。
そしてこのお馬さんは未だにカヌアの方を見ている。
(う〜ん、やはりそうか…どうしたもんだかなぁ〜)
カヌアは警戒されていることに気が付き、少しずつ歩み寄ってみた。
手綱を持とうとしたその時、馬は思いっきり首を上げて嫌がった。
(今日はご機嫌斜めなのかな?)
すると、すぐ横から美しい匂いが漂って来た。
振り向くと可愛らしい顔をひょこっと出して何やら呟いた。
「う〜ん、あなたこの子に嫌われているわね!ウフフフ」
(え?きら、き、嫌われて…)
カヌアは灰になって消え……るのを堪えた。
「申し遅れました。わたくし、馬術の講師をやっております、ロゥサと申します。以後お見知り置きを、ふふ」
と輝く笑顔を放出し、灰になる寸前のカヌアに光を当てた。
「私はカヌアーリと申します。よろしくお願いします。やはり、そうなんですかね…なんか仕草がそうだったんで嫌な予感はしてたんですよ」
そう言うとロゥサは少し考えた。
「そうねぇ、新参者のあなたがまだどんな人かわかってないだけなのかも。う〜ん、やっぱりまずは、この子達と仲良くするのがいいんじゃないかしら?」
とアドバイスをくれた。
そうロゥサに言われ、少し考えたカヌアはふと思い立った。
「そう…ですよね!わかりました!やってみます!」
それを聞いてニコッとロゥサは笑う。
「では、仲良くなるためにまずこの子の事を教えておくわね!お名前はレグ。とっても正義感が強くて人懐っこいの。ちょっぴり神経質だけど。…ね!レグ!」
とロゥサは教えてくれたが、カヌアにどうも違うように見えたようだ。
(人懐っこい……?性格が渋滞してないか?中々の曲者なんか?それにしてもロゥサ先生は、この子の性格を把握しすぎている。すごいな)
「ふふふふ、じゃあカヌアーリさん頑張って!では今日は見学だけにしておきましょうか!」
と言われ、カヌアは馬に乗りたくてウズウズしていたが、今乗ったところで振り落とされるに違いないと思い、我慢した。
そして、少し早めに切り上げ、その後弓術場へハシゴしに行くのであった。
そこには朝からずっと射り続けていたのか、ノゥリアがブレのない姿勢で立っていた。
(今日も綺麗なフォームだなー。こんなにか弱く見えるのに弓を引いてる時は本当に別人)
話すタイミングを見計らって、声をかけた。
「先生?ノゥリアせーんせいっ!」
とカヌアはからかい混じりで呼んだ。
ちっこくて可愛いので仕方がない。
「カ、カカヌアさん!先生はやめて下さい!」
と焦るノゥリア。
「えへへ。今日もすごい集中力ね!ノゥリア!眼鏡なのによく遠くまで狙えるね!弓術はいつからやってるの?」
とカヌアが聞くと、恥ずかしそうに答える。
「あ、えと、小さい時からおじいちゃんに教わって。私の家とても暗い所にあるので、そこは電気もあまり通ってなくて。それで集中し過ぎて目が悪くなり、外では眼鏡をかけることになりました」
(ん?外では?)
カヌアが少し疑問に思ったが、時は弓なり、練習を開始した。
本日も変わらず、ウィルに一日の出来事を伝える。
今日もウィルは幸せそうだ。
カヌアは報告が終わると一礼をし、ウィルの公務室から出た
。
すると、カブラが何やら追いかけて来た。
「カヌア様、少しお話したいことがございます。前日耳にしたのですが、武術場や剣術場で何やら手合わせの相手から一本取ったとか?」
「あー、はい。た、たまたまかもしれないですけど、そういう形になったのは事実です」
と気まずそうにカヌアは応えた。
「それらは叔父上のクーロス殿から教わったのですか?」
「はい!三年くらい前から色々と指導して頂いております。あの、公爵家の娘として分不相応なのは重々承知です。でも…それでも私は…」
とカヌアは言う。
そっとカブラを見ようとしたその時、ふわふわ〜と優しく微笑むフラフィーが現れた。
ふとカブラを見ると同じ表情で言ってくれた。
「大丈夫ですよ。わかっております。カヌア様は心も身体も本当にお強い。ウィル様もわかってくれます」
(え?なんでここでウィル様が出てくるん?でも…わかってくれた…のかな?)
と嬉しくなって微笑み返す。
「……ちなみに弓は教わらなかったのですか?」
「はい…」
何か言いたげのカブラだったが、それではまた明日と挨拶を交わし、カヌアを見送った。
するとカブラの元にひとつの影が現れた。
キラッと光る左耳の飾り。
「ワイム、お前の言ってた事と合致したな。ご苦労だった。引き続き頼む」
(やはり弓術は苦手そうな感じだったな)
そうカブラは思い、ウィルの元へと戻った。
そして、この引き続きカヌアを見張らなくてはならなくなったのは、例の猿ことワイムである。
彼はカヌアの強さのことで、ウィルの危険要素になり得る怪しい動きがないか、あらゆる武道場に潜入していたのだ。
そして、この潜入も今日で終わり、また新たな潜入が始まる。
カヌアの無事を見守るための潜入に。
彼は少し思い始めた。
(カヌア様のための任務は、一生終わらないんではないか)
ここまで読んで頂きありがとうございました!
突っ走って書いているので、何かお気づきの点があればコメントの方よろしくお願いします。




