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転生魔女のヤンデレ英雄譚  作者: ネクロノミ娘
第3章 学園生活
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第23話 Side カーミラ 超えられない壁

「それではお前たちも空いている席に付け。騎士クラスは午前中は座学、午後に兵科訓練をすることになっている」

「わかりましたわ」

「はい」


 ざがく?へいかくんれん?と考えているとレアは私の手を引いて空いている席へと促した。私たちは隣同士の席へと座る。


「他に連絡事項はない。それではこれでは朝のホームルームを終了する」


 そう言い残してバロック先生は教室を後にした。


「騎士クラスでは午前中にお勉強、午後から戦うための訓練をするみたいね」

「そうだったんだ。お勉強・・・」


 とうとうこの時間が来てしまった。

 避けては通れないけれど、乗り越えられるとも思えない。一体お勉強とはどういうことをするものなんだろう・・・。

そして別の初めてみる先生が入ってきてついに授業が始まった。


 ・・・


 ・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ん


「・・・ミラ」


 何だろう、視界がぼやけて仕方がない。

 ルミア・・・何にもできないお姉ちゃんでごめんね・・・。


「・・・-ミラ」


 こんな馬鹿はすぐにこの世から消すから・・・。

 私はそう思って自分の首を掴んでへし折ろうと力を・・・。


「カーミラ!」

「え、レ、レア?」


 突然耳元で大声があがる。耳がキンキンする。


「・・・一体、何をしているのかしら?」

「え、何の役にも立たないルミアに迷惑しかかけない生きる価値もない馬鹿を殺そうかと」


 私はありのまま答えた。


「だ・か・ら!あなたは勉強が全く、これっぽっちも、1ミリも、塵ほども、スライムほどもできなくていいって言ったでしょう!」


 レアが怒った顔でまくし立てる。

 うぅ、何もそこまで言わなくても・・・。


「それとすぐに殺気を放つのはやめなさい。みんなドン引きしてるから」

「・・・ごめんなさい」

「聞かなくても何となく分かるけれど、初めての授業の感想は?」


 さっきのことを思い出す。

 ・・・・・・・・・。

 死のう。


「だから死ななくてもいいから!それと殺気を出さない!」

「う・・・、イエス、マイロード」

「何かこのタイミングでそれを言うのは逆効果ね・・・。まぁそれより授業はどうだった?」

「・・・・・・・先生が歌いながら絵を描いていたようにしか見えなかった・・・」

「その回答は予想外だわ・・・、まぁ分かるところだけでも憶えておくといいわ」

「分かる・・・ところ?」

「・・・え?」

「え?」

「・・・なんでもないわ。さっき言ったことは忘れてちょうだい」

「イエス、マイロード」

「さて、お昼ご飯だけど・・・」

「少しよろしいですか?」


 突然男の子に声をかけられた。見覚えがある。確か最初に質問していた人だ。


「何かしら?」

「初めまして。プリンセスレア、レディカーミラ。クラスメイトのミハエル=レディエンスです。先ほどランチというワードを耳にしたのですが、よろしければ私たちもご一緒させていただけませんか?」

「それは別に構わないのだけれど・・・、朝やさっきのやり取りを見て声をかけてくるなんてなかなか勇気があるわね」

「あれは、誰が見てもレディたちに非はありません。それに私たちはこれでもナイツを目指す者。見くびっていただいては困ります」

「そうなの、頼もしいわね。後ろ人は確かデュークって呼ばれてた人ね」

「デューク=ウィンドクロイツだ」

「そう、よろしくね。それともうその一人は?」

「彼はシルフォンス。先に言っておきますが、レディカーミラと同じように貴族ではありません。それに極端に無口です」

「あなたが噂の・・・、よろしくね」

「・・・・・・・・・ます」


 シルフォンスと呼ばれた男の子から消えそうな声でよろしくお願いしますと聞こえた。


「一緒に昼食を取るのは構わないけれど、これからもう一人合流する予定する予定なの。カーミラ、行きましょう」

「ん」


 レアの言うとおりお昼ご飯はルミアも一緒に食べる予定だった。

 ルミアはお勉強大丈夫だったかな?ルミアのことだから心配はいらないけど、やっぱり心配だ。

 それでも頭の中がルミアのことでいっぱいになると、顔が思わずにやけてしまう。


「カーミラ。その顔は色々と拙いわ」

「え?」


 歩きながらレアが話しかけてくる。

 横を見ると男の子二人が真っ赤な顔をしていた。


「どうしたの?」

「い、いえ、何でもありません」

「・・・・・・・」


 一体どうしたんだろう?


「ゴ、ゴホン。えっと、こちらは医学クラスですね。もう一人の方というのは優秀な人なんですね」

「ん、自慢の妹」

「カーミラさんの妹ですか。それはさぞや美しい人なのでしょう」


 この人はルミアのことをよく分かっている。でも、注意しないと・・・ルミアは世界一可愛いから。リセにはいなかったけど、ルミアに言い寄ってくる男も出てくるかもしれない。もし、そんな男がいたら血の一滴も残らないように消し・・・。


「カーミラ、殺気」

「はい・・・」

「ルミアちゃんは可愛いけれど、手なんて出したら日の出を拝めなくなるわよ?」

「見くびられては困ります。私がレディに強引に迫るなんてするはずがありません」

「はっ!よく言う」

「な!?デューク。あなたは勘違いしている。私のは全て同意の下です。同意の下であるならばカーミラさんも・・・・・・いえ、何でもありません」

「カーミラ、殺気」

「はい・・・」


 この学園というところはもしかすると色々と危険なところなのかもしれない・・・。

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