【第22話】仲間を守るために――認定職員試験、始まる!
王都、福祉魔法学院――
セカンドリーフ代表者たちが受ける“職員認定試験”会場は、石造りの厳かな講堂だった。
「試験は三部構成。筆記・実技・面談……」
レオンが震えながらプリントを抱えている。
「お、落ち着いてレオン。君の魔力診断はAランクだったろ?」
「でも筆記で魔導介護論が出たら死ぬ……!」
サラは逆に腕を組んで余裕顔。
「大丈夫。体当たりでなんとかなる」
「それ、試験じゃないからね?」
優一は受付で提出された書類を見て、ふと目を細めた。
【受験者】神田優一
前職:地球界 特別介護福祉士
転移者枠(特例)扱い
「……なんか、肩書きだけ立派に見えるなあ」
だがその瞬間、施設の利用者たちの顔が脳裏に浮かぶ。
(この資格があれば――もっと守れる。もっと広げられる)
筆記試験。
魔力反応と介護理論、異種族支援法、倫理規定に関する問題――
優一は迷わずペンを進めていく。
(現実の現場じゃ、“正解”より“選ばなきゃいけない答え”を知ってる)
実技試験。
ドワーフ人形への移乗介助、スライム型利用者への入浴誘導など、
異世界ならではの特殊課題が続く。
サラは意外にも、緻密な配慮で高評価を受け、
レオンは“癒やし魔法と声かけ”の連動技を成功させ、会場をざわつかせた。
最後の面談。
「あなたが“福祉”に必要だと思うものは?」
優一は少しだけ考えて、こう答えた。
「“答えを出すこと”より、“一緒に考えること”です。
介護って、答えがひとつじゃないからこそ、
迷いながらも“寄り添い続ける”強さが必要だと思うんです」
面接官たちは、静かにうなずいた。
試験終了後。
講堂を出た3人を、リリスが迎えに来ていた。
「おつかれ! お祝いに焼きたてパン用意してるわよ!」
「……落ちてたら、胃に詰まりそうだな」
「それでも焼くけどね?」
その夜、セカンドリーフに届いた封筒にはこう書かれていた。
【結果通知】全員合格
「やった……!」
レオンが思わず両手を上げ、サラは珍しく「よっしゃ!」と叫び、
優一は小さく、けれど確かに、目を細めてつぶやいた。
「これでまた……この場所を守れるな」
次回:「制度を超えて――セカンドリーフ、“本認定”へ!」
ついに正式認可の最終審査。
施設運営・利用者の声・地域との関わり……すべてが評価される時――!
第22話まで読んでいただき、ありがとうございます。
今回は、認定試験という“外からの評価”を受けることで、
それぞれのキャラクターが自分自身の原点と向き合う回になりました。
現実の介護の世界でも、「資格」や「認定」はとても大切です。
でもそれ以上に、その人の中にある「なぜ、この仕事を選んだのか」という
小さな想いが、いつも大切な原動力になっていると思っています。
自信がなくても、迷いながらでも。
それでも目の前の誰かのために動こうとする――
そんな気持ちが、どんな資格よりも強く、温かいと信じています。
次回は、いよいよ“認められること”の意味と、
それがもたらす新たな展開に触れていきます。
引き続き、どうぞよろしくお願いします。




