69話 幻想
「俺はお前が誰なのか、見当もつかないがまあいい。僕の力でお前を捩じ伏せてやろう」
僕はそうオレガノに言った。
「分かっているぞ。お前の力はもう他の奴のために使われているから、お前はもうあの力は使えない筈だ!」
オレガノは意気揚々に言った。
「どうやら現在の僕を知っているだけで過去の僕を知っている訳ではないようだな」
僕がそう言うとオレガノは冷や汗を掻いた。
「勉強不足だよ、お前」
僕はそう言い放った。
「まさかお前の力は他にも有ると言うのか!」
「そのまさかだ」
「暗黒解放:死と滅亡の運命・バグモード」
僕は剣を持った右腕を横に伸ばし、黒い大剣を斜め下に向けた。そして唱え、僕の頭の上に黄色いバグった天使の輪が現れ、電子音が鳴り響いた。剣から黄色い魔力が漏れ、体の周りから黄色い閃光が光り、そして消えた。
「病み上がりのお前に家族は守れるかな!!」
オレガノは黒い大剣を僕の子供に振り下ろそうとした。だが優一はオレガノの方へ手を向けると奇妙な電子音が鳴り、オレガノは動けなくなった。
(時よ、戻れ)
オレガノは能力を使い自分の時間を戻した。
「何だ先の力は」
オレガノは聞いた。
「この力は相手に手を向けるとそいつはバグり、永遠にそこから動けなくなる能力だ」
「ただ、時間を操る事の出来るお前には無意味なようだな」
僕は答えた。
(またか!)
僕はオレガノに手を向けるとオレガノはまた動けなくなった。
「死ね」
僕は動けなくなったオレガノに剣を振り下ろした。
(時よ、戻れ)
オレガノは自分の時間を戻し、僕の剣を避けた。
「どうやらタイムオーバーのようだな」
僕の頭の上にある黄色いバグった天使の輪はどの色になるか点滅した。
「ほう、次はこの力か」
「暗黒解放:死と滅亡の運命・もう一つの力」
僕の頭の上にあった天使の輪は色がランダムで決まり、緑色の天使の輪になった。黒い大剣から緑の魔力が漏れ、体の周りからは緑の閃光が光り、そして消えた。
「私もお前と戦うに当たって本気を出さなければならないようだな」
「暗黒解放:死と滅亡の運命・古代の力」
オレガノは剣を持った右腕を横に伸ばし、黒い大剣を斜め下に向けた。そして唱え、オレガノの頭の上に青い天使の輪が現れ、黒い大剣から青い魔力が漏れ、体の周りからは青い閃光が光り、そして消えた。
「お前のその力どこで手に入れたんだ」
僕は疑問に思っていたので聞いた。
「さあ、どこで手に入れたんでしょう」
オレガノはふざけた様子でそう返した。
「あと、お前の青い力はどこで変質させた?」
「ああ、この力の事ですか。昔、古代遺跡に行った事があってね、古代遺跡に眠る古代の力が私の青い力を強化し他の力とは比べ物にはならない位、超越した力となったんだよ」
オレガノはそう答えた。
「お前がハッタリを噛ましているかどうか確認してやる」
空に黒い雲が現れ、空を覆った。
「究極魔法:緑の雷」
僕が唱えると黒い雲から緑の雷がオレガノに目掛けて落ちてきた。
「そんな物は私には効かない」
オレガノは青いバリアを張り、緑の雷を防いだ。
「緑の雷よ、纏え」
緑の雷は僕に向かって落ちてきた。緑の雷は僕が前に突き出した黒い大剣に落ちてきた。緑の閃光が黒い大剣に走る。黒い大剣に緑の雷が纏った 。
「削れ!!」
僕は緑の雷を纏った黒い大剣を振り回すと、纏っていた緑の雷が地面を削り取り、オレガノに向かって行った。
「だから無駄と言っている」
オレガノはまた青いバリアで緑の雷を防ごうとした。
「特性変質」
僕は力を加えた。
「何っ!!」
オレガノのバリアは緑の雷によって割れた。
「どういう事だ?」
オレガノは焦った。
「分からないようだな。僕が先したのは緑の雷に力を加え、力の特性を変質させた。だからお前のバリアを貫通した。僕の力、アブソリュートバーストと同じ原理だ」
僕は答えた。
「流石、今まで幾人の敵を倒した事だけはある」
オレガノは僕を褒めた。
「だが、もう時間切れのようだな」
オレガノは僕にそう言った。僕の頭の上にある緑の天使の輪が割れた。
「くそっ」
僕は膝を突いた。僕の頭の上にはもう天使の輪が無くなっていた。
「お前の大技、イル・ネア・ブラストに特性変質をしていたら私も徒では済まなかった」
「まあ、お前が大技を使わない事は分かっていた。何故ならここにお前の家族がいるからな、本気は出せないよな!」
それを聞いた、僕の家族は悔しい思いをした。自分たちが足手まといになっているから。
「優一、もうお前には力が無い。私に殺されろ」
オレガノは僕にそう言った。
「みんな!お父さんに力を分けて!!」
アリスは叫んだ。
みんな、最後の力を振り絞って僕に力を分けた。
「ありがとう、みんな」
僕は再び、天使の輪の力を使えるようになった。僕の頭の上に黒い天使の輪が顕現した。だが、皆から貰った力は奴を一発で倒さなければならない位の力であった。
(次の一撃に全てを懸ける!!)
僕が皆から貰った少ない力で使える技は一つしかなかった。
「アブソリュートバースト!!!」
僕はオレガノの所まで走り、黒い大剣を振り下ろし叫んだ。
この技ならバリアを破壊し、相手をバリアごと斬り伏せる事が出来るが、だがオレガノのバリアは斬れなかった。僕は弾かれ、後ろに飛ばされた。
「くそ!!」
僕は奴を倒す事は出来なかった。僕は力を沢山使った所為なのか息を切らした。僕の頭の上にある黒い天使の輪は消えた。
「家族の力で倒す?そんな幻想はこの世の中では通用しないんだよ」
オレガノはそう叫んだ。
「お父さん…」
僕の後ろにはアリスが地に伏せっていた。
「はははははは」
オレガノは笑った。オレガノの周りに青い稲妻が走った。オレガノの剣の持ち手から刀身にかけて青い閃光が走る。オレガノの黒い大剣は青いオーラが渦みたいに流れた。
「まさか…」
僕は冷や汗を掻いた。
「そのまさかだ。もうお前の力は自分を空間魔法で逃げる位の力しか残っていない。さあ、選べ。お前の娘を見捨てて逃げるか、一緒に死ぬのか!!」
オレガノはは剣を振り下ろした。青い斬撃が僕とアリスの方へと向かってくる。
「お父さん、逃げて!!」
アリスは叫んだ。僕はアリスを一瞬、見た。
(私の黒い力。お願い、私はいいから。お父さんを助けて!!)
アリスは心の中で祈った。
「ははははは。優一、どっちを選んだ?」
辺りは砂埃で見えなかったが風が吹き見えるようになった。
「はははは?」
優一は左手をこちらに向けていた。
「まさか…」
オレガノは唾を飲んだ。優一は先の攻撃を片手で防いだ。
「暗黒第二解放:死と滅亡の運命・オーバー」
僕は自分の頭の上に黒い天使の輪を顕現させた。
「最高だよ。君のその力を私に見せてくれ!」
オレガノは嬉しそうに言い放った。




