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アイビス!  作者: フユルト
第七章 魔淵大戦
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魔淵開幕

お久しぶりです…(´・ω・`)

〜グラミリオ王国〜



「聖教国によると、どうやら魔王達が動き出したらしい…しかも、一体はここへ来るようだ」



「そっ、それは…」



長年目立った活動をしていなかった魔王達が活動を始めたこと、そしてこのグラミリオ王国が標的になっているということが自らの女王から聞かされて、大臣達は困惑する。



「此度の戦いは大精霊であるカノン様もお力をお貸し頂けるように交渉した。その結果、こちらの話を快諾いただけた」



「おお、ならば…」



「だが、直接的な介入は出来ないそうだ。あくまで防衛に力を貸すだけという契約だな」



「それは…」



「なにか、直接介入出来ない訳があるのだろう…それよりも、我々が使える戦力を結集させる事が先決であろう」



グラミリオ王国の女王であるアテナは、大臣の言葉を遮りながらも冷静に言葉を紡ぐ。そうして、通達も終わり大臣達が去ったあと…アテナは1人小さくため息を吐いた。



「…」



…それは、交渉をしていた時に見せた不安そうな、どこか困ったような笑みを浮かべたカノンの事が頭から離れなかったからだ…







〜ヴァルヴァトス帝国〜




「今回の帝威式典は中止することにした」



「…っ!!それでは、あの虫共(・・)は…」



「それに関しては問題ない。今回はお母様(・・・)…いや、ヴァトス様が代わりにしてくださるようだ。だから、なんの心配もせずに魔王との戦いに戦力を集中できるな?」



「…そうですな」



「どうした、宰相?」



「いえ、今まであの虫共と魔物を相手にしかしていない我々が、魔王に対抗できるのかと…」



「なんだ、そんなことか…心配することはない。ヴァトス様は我々に(・・・)魔王の相手を任せてくださったのだぞ?もし対抗できないのであれば、今まで通り虫共の相手を命じる筈だ…それに、ヴァトス様にもなにか考えがあるようだから…な?」



玉座で足を組み直した赤い髪をした女性…ヴァルヴァトス帝国の女帝であるイグニスは不敵に笑った。






〜アフテリア〜



氷の大精霊であるフィレは一人で森の中の開けた場所にいた。そこには、小さな2階建ての家が建っていた。フィレはその2階へ足を運び、一つの部屋の扉を開けた。



「…」



…そこには、冷気を放つ青い氷の棺が設置されていた。彼女がその棺の表面を撫でると、一瞬でその蓋が消えた。中には、鈍い銀色をした二振りの剣を抱いた男性がいた。フィレはその中で眠る人物の頬へ手を伸ばし…優しく撫でた。



「…貴方が、居てくれたら…」



フィレは小さく弱音を吐いた後、部屋から出ようとした時…『ゴトンッ』と床にナニカ重いものがが落ちた音が響いた。



「…?」



そこへ視線を向けると、一振りの鈍い銀色の剣が置かれていた。慌てて視線を棺に戻すが、そこにはちゃんと二本の剣がある。



「…っ、えぇ、そうよね…私達は、ずっと一緒だったわね…」



フィレは再び棺に近づき…棺で眠る人物の頬へ小さく口づけをした。その後、棺に氷の蓋を生成して塞いだ。



「…それじゃあ、行きましょうか」



扉を開けたその手の薬指には、まるで氷で作られたかのような青く透き通った指輪と、鈍い銀色の指輪がキラキラと光っていた…




〜アトラス王国〜




「ティ、ティーちゃんっ、落ち着いて…?」



「これが落ち着けるわけないじゃん!!まおう?っていうヤバイのがここに来るんでしょ!?」



おとなしそうな紫色の髪をした女性である闇の大精霊が、テラスで騒ぐ黒髪の少女…フィフティナを諭す。



「だ、大丈夫だよ?私も力を貸すし…」



「でも、リアは直接戦っちゃだめなんでしょ!!聖教国の人から聞いたもん!!」



「…」 



その言葉に、闇の大精霊であるリアムは口籠る。



「…私も戦う」



「…っ!?だめッ!!」



「なんでっ!?みんなは戦うんでしょ?なら私もみんなと一緒に…っ」



リアムは、まだ何かを言おうとしたフィフティナの言葉を遮るように、自身の胸へ顔を埋めさせるようにして抱き止める。



「みんな、貴女を守るために命を賭けて戦うの…もし、貴女が前線に来ちゃったら、みんな心配して、上手く戦えなくなっちゃうから…」



「…どうして、私なんかのために…」



「…」



…それは、何もできなかった彼女の後悔と…全ての責務を背負わせてしまった我らの贖罪…







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