表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
59/60

第五十九話 里を出たウィッセル達

その4

 後続の砂糖組も十分に実力がついたので、冒険者に成ってきますとウィッセルは冬夜に報告した。

 それを希望したのは全部で八名初代砂糖組のほとんどの面子であった。

 残った面子は、後続だけでどうしようもなかった時にのみ動くと言って、のんびりと鍛錬だけはこなしながら家で過ごすそうだ。

 実際のところ、初代組は全員とも二百年ほどならおとなしく暮らしていける程度の資産を確保している。

 ほとんどが、魔物討伐時の部位売り上げのみというのが悲しいところではあるが。

 ウィッセルは漸く、楽しみにしていた旅に出るつもりであったのだが、出る前に何かいい依頼は無いかと、冒険者組合に行った結果、街道製作の警備任務という物を見かけ、聞いてみると幸いな事に、領内の街道を全てこの里から街のような作りに作り替え、魔物の心配はない街道とする計画だった。

 折角なのでと、元砂糖組全員が受けると申し出た際に、軍団を組んで受けると色々と有利になると言われ、早速軍団登録をしようとした。

 軍団名で悩んでいたところに、冬夜が来たので相談すると、安直だが砂糖を自分の世界ではシュガーともいうので、シュガーに騎士団であるナイツを付けてシュガーナイツでどうだと言われ、皆思いつかなかったしそれで良いかという感じで決定した。

 街道設置任務は、同時に複数個所で行うとの事で、八人しかいないが全員一人一カ所担当となり、他の冒険者たちとの共同任務となった。

 依頼内容は、魔物討伐と、賊の捕縛で捕縛した賊の人数により報酬が上乗せされるとの事だった。

 それを聞いたウィッセルは、街道工事付近の警戒を他の冒険者に頼み、斥候をしますと称し、その街道を馬よりも早い速度で駆け出していった。

 それを見たほかの冒険者たちが、疾風のウィッセル等と言っていたが、それも二日ほど戻って来なくなり、どこかで死んだんじゃないかと言われ始めた日の夕刻に、とんでもない状況を形成して戻ってきた。

 ウィッセルの後ろには、どう見ても山賊や盗賊の親玉らしき者たちが数名と、その部下らしきものたちが二百名近く、大人しくついてきたからだ。

 事情を聴いたところ、その辺に居た山賊や、魔物に負けそうだった盗賊を見かける度、OHANASIしていったところ、皆受け入れてくれたとの事だった。

 工事に参加した一部の者に聞いてみた所、捕まって死ぬよりもこの人に逆らう方が怖いと言う話をされ、結果他の冒険者たちは魔王ウィッセルなどと密かに呼ぶようになった。

 街道工事は、一地域が終わると、他の進みが悪い地域へと移動し、工事手伝うを繰り返すようで、人手が本来の数倍以上に膨れ上がっているウィッセル達は、他の場所へと繰り返し移動することとなった。

 結果的に言うなら、二年ほどをかけて領内のほぼ全域の回っていた。

 街道工事が終わった後、街道を作って居た犯罪者たちをどうするかという問題になったが、シュガーナイツの提案で決定された。


「こいつら根性も腕もなさすぎるから、まずは鍛えつつここの街道も長すぎるので中間あたりに、宿場町でも作らせます」


 それを聞き、最初は危険だ、問題が出るなどと言っていたが、一緒に工事していた面々が、この人たちも反省しているみたいだし、ここに宿場町が出来ればそこを仕切るのはこの人たちに成るわけで、やんちゃさえしなければ、安心して暮らせるようになるんじゃないかと言い出したのだ。

 しっかりと完成までは面倒を見るという事で、シュガーナイツに託され工事の終わった面々と、冒険者たちは帰って行った。


 初めの頃は、訓練の辛さから逃げようとしていた者もいたが、親玉たちが真面目にやっているのを見て反省し、しっかりと訓練についていき宿場町作りにも励んだ。

 結果半年ほどたつと、ただの山賊や盗賊だったころとは打って変わり、引き締まった少々強面の者たちが沢山いる宿場町は完成した。

 その後も訓練を続けその結果からシュガーナイツの面々は、そろそろ任せても大丈夫だろうと判断し、最後の訓練と称し、模擬戦をさせその結果と普段の動向から、警備役やまとめ役や相談役などを選出し、指名した後街へと戻って行った。

 任された元山賊盗賊たちは、宿場町を飛び出すと元の犯罪歴が戻ってしまう事もあり大人しくそのまま残り、その後はまじめに働き続け、一部は幸せな家庭を築き上げたと言う。


 街に戻り、本来なら半年前に手に入る筈だった報酬を、組合から受け取るとどこへ旅に出るかを相談した。

 組合で色々と聞いてみると、ダンジョン都市という、迷宮(ダンジョン)を中心に栄えた都市がいくつかあり、そこを攻略しようとして命を落としたものが多く、どの都市のダンジョンも未だに攻略はされてないと言う話を聞き、腕試しに行ってみようかという話が上がった。

 詳しく調べてみると、どこの迷宮も難易度は似たような感じで、土地の気候に合わせたような魔物が出てくる以外は、基本何処に行っても変わらないという情報を聞いて、二手に分かれてどっちが先に攻略できるかを比べようなどと話だし、周囲の冒険者たちをドン引きさせていた。

 十数年後、とある二つのダンジョン都市の迷宮が同時に攻略されたとの話が流れたが、だれが攻略したかはどこにも発表されなかった。

 当時冒険者組合に居た冒険者たちはこう語っていた、きっと魔王様たち(・・)がやったに違いないと。

 ダンジョンが攻略された後、枯渇したりするのかと思われたが、攻略報酬で手に入ったと言われる、ダンジョン操作盤なるものが組合に届けられ、それはダンジョンの詳細設定が操作できる魔道具であった。

 それを調べたところ、初回攻略者にこれが提供され、それ以降はその者や託された者がそのダンジョンを管理できるようになるだけで、これと言った問題は発生しないようだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ