美人秘書ってよく聞くけど、実際どんな仕事なのかはよく知らない
「じゃあ、まず取り分を分けよう。
稼げた金は総額37万8756G。ピンカートンが4割、他が1割ずつ、残りの3割は資金プールだ。一応、買い叩いた色んな素材もあるが、これは含めてない。『ヒノキのスティック』はピンカートンに渡すとして、他の素材の扱いは後で決めようぜ。」
「そんなに貰って良いのぉ?」
「あぁ、作っているのはお前だからな。俺らは素材調達とアイテムを捌いているだけ。妥当なとこだろ。」
この配分については事前にサクラと話し合ってある。
ピンカートンに依存する商売にも関わらず、些か俺らの取り分が多いと苦言を呈されたが……まぁピンカートンだけだとこんなん無理だからな、妥当だろ妥当。
あぁ、スラリソ?お前はなんか、うん…ぽよぽよ跳ねて集客に一役買ってた……様な気がしないでもない……。
あぁもう分かった分かったって!!
ほらどついてくるなよ!
俺の取り分から後でなんか買ってやるから!!
「明日以降の役割も説明しとこう。
サクラ、お前は引き続き掲示板で"サクラ"をしてくれ。別に気付かれたって構いやしない。アレだ、ステルス・マーケティングってやつ?宣伝部長に任命する。」
「何、ダジャレのつもり?つまんないわよ?」
「サクラさんがぁ、サクラ……あぁ!すごぉい!」
うるせぇよ!!偶然だ偶然!!
そんな名前のPC作る方が悪い!!
あとピンカートンに褒められても嬉しくねぇ!!
桃華ちゃんは分かってなさそうな顔してるね。かわいいね。
「ピンカートン、お前は引き続き生産しててくれ。
あと暇を見つけて新商品の開発もやって欲しい。現段階の商品3種類を考えるに、他のモンスターでもアミュレットを作れる可能性が高い。攻略wikiのモンスター眺めながら色々試してみてくれ。高めに買い取った素材がたんまりあるからな、いくらでもやってくれて構わん!
客は今日よりごっそり減るだろうから、試作の時間はある筈だ。今の商品も材庫が…そうだな、100個以下にならなけりゃそれで良い。」
「おっけぇい!生産部門部長だねぇ!
うぅ〜ん、なるほどぉ、他のモンスターかぁ……試してみよっかなぁ。」
「つまり商品開発部門部長も兼任だ。高級取りも納得だろ?」
新商品の開発と在庫の確保はこの商売の生命線だ。
木彫りのモンスター像、なんてぶっちゃけゲームプレイヤーなら馬鹿でも『他のモンスターもイケるのでは…?』てな感じで気が付くさ。
まぁ、ピンカートンは反応からして気付いてたか怪しいが…。
「ハイッ!わたしは何すれば良いですか、アーク社長!」
「桃華ちゃんはそのままお店の看板娘として頑張って欲しいな!!」
「私だけ役職無いんですか…?」
「社長秘書に任命します!!!」
「わぁい!なんだかよく分かんないですけど頑張りますね!」
「ワンッ!」
意気込んでペットのゴンタとキャッキャしてる桃華ちゃんはかわいいが、俺も秘書業務が何なのか知らない。
ていうか何なら社長業務も分からない。
俺たちは雰囲気で会社をやっている……。
………でも桃華ちゃんから社長って呼ばれるのは良いな。
社長と美人な部下のアブない関係、なんてよくある題材だしね……グヘヘ。
あっ、何かを察したサクラの敵意を感知!
エマージェンシー!エマージェンシー!
謝罪を実行します!!
調子こいてすいません!!
「そ、それでだな、俺は全体の把握と、資金を使ってヘッドハントだな。有望な生産スキル持ちが居たら交渉してみるかな!!」
後追いの中で、有能な奴が居たとして。
こちらへ引き込めば脅威にはならない。特に、腕の良い木工スキル持ちなら最高だ。他の生産スキルでも、余ってる素材を活用出来るだろうしアリだな!
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「じゃ、そういう感じで今日は解散!!
明日はまた同じ時間に集合って事でよろしく!!」
「了解。じゃあ桃華、今からレベル上げ行かない?稼いだお金で新しい装備も買いましょ。」
「わぁい行く行く!アークさんも行きませんか!?」
「もちのロン!!社長、秘書の桃華ちゃんに随伴させていただきます!!」
「ボクは新しいモンスターの木彫り試してみよぅかなぁ。なんか良いの出来たら連絡するねぇ。」
レベル上げに同行する事になり、サクラからはデカい舌打ちが聞こえたが、まぁ気のせいでしょう!!
あ、気のせいじゃない?わざと舌打ちを大きくした?
だよね!!!知ってた!!
あ、装備の更新は出来ればプレイヤーのフリマでオナシャス………あ、ハイ………NPCの店売りは買えないので……ハイ…。




