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鬱蒼とした森の中を恐る恐る進む、軽く柔らかい足音二つ。
日はとうに暮れ果てて、枝葉の隙間から微かに漏れる月光は二人の歩くところまでは届かない。
一人は泣き腫らした目で、一人は涙をいっぱいに溜めた目で、互いに互いの小さな手を握り合いながら、落ち葉が厚く積もった道なき道を歩いていく。
二人の手に包まれたのは、お守りだと渡された玩具の首飾り。掌の中でただ硬く生温く、残念ながら守ってくれそうな気配は感じない。
狼が出るとか、熊が出るとか、散々に脅しつけられた森の中。
人の声が聞こえないかと耳を澄ますも、少し前まで聞こえていたフクロウの鳴き声や虫の音すら、今はどこからも聞こえない。
それがおかしいことなのか、考える余裕すら二人には無い。
ふと、周りを見回していた一人が、空いた手でもう一人の袖を引いた。
指し示す方を見れば、影になった木立の向こうに見える、頼りない微かな明かり。
二人はほっとして互いの顔を見合わせる。
そして固く手を握り合ったまま、明かりの方へと登って行った。




