表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
胞子系終末短編集  作者: 胞子観測者
11/11

低温生命体図書館  本館

低温生命体図書館 本館 


森から送られてきた本をワゴンから棚に並べながら、私はそっと耳を澄ませる。


最近の図書館は少し呼吸が浅く、時折咳のような異音が混ざる。

数人の利用者からも空調がおかしいのでは?

と聞かれた。


一度地下を確認するべきか。


考えながらもワゴンを押して、本の入れ替えと汚れや破損がないか確認していると、不意に制服の裾を引っ張られた。

振り返ると五、六才と思われる女の子がいた。


「どうかしましたか?」


私が尋ねると困ったような顔で 


「今日図書館変な音がするけど、大丈夫なの?」

と言う。


私は心持ち目線を合わせながら

「図書館も長生きですからね、今日は調子が悪いみたいですね」と返す。

「図書館、生きてるの?」不思議そうに首をかしげる少女に

「そうですよ」

と答えると、ぱっと目を輝かせた。


「それ、ママにも教えていい?」


「いいですよ」  




本館の地下に潜ってみると、司書達が待っていたとばかりに集まってきた。


皆図書館の咳の原因を探っていたのだ。


「谷分館で本棚の爆発があったようです」


「少し前に森が沢山実らせたようですから」


「谷の司書が棚の整理をしたようです」


ーーあぁ、谷分館か。

皆の顔に安堵と呆れが混ざっていた。


学院から学者を数名、谷に派遣してもらえないか問い合わせよう。


一番は人類学者がいいのだが贅沢は言わない。


分類学、人文学辺りの学者でも有難いものだ。


「谷の司書には学術書の棚は触らないように伝えて下さい」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ