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4月1日の母ちゃん  作者: はしたか みつる


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ミッション8:「天国より来世よりこっちの方が100倍いいわよ、息子がいるもの」 / 4

 母ちゃんはディップに捕まったまま、俺に向かって、ディップに向かって言った。



 「天国より来世よりこっちの方が100倍いいわよ、息子がいるもの」



 そして、その瞬間、タイムリープのルールが壊れた──。なぜ壊れたのかは分からないが、警報音が鳴り響いている。タイムリープエラー、タイムリープエラー、と。ディップと死神の姉ちゃんは事態を呑み込めずにいる、その隙に母ちゃんがディップの腕から逃れて俺の元へ走ってきた。そして、言った。



 「大介!今なら戻れるわ!!」


 「どこに!?」


 「馬鹿ね!あたしが死んだ時よ!!」


 「はい!?」



  質問も意見も受け付けない、そんな勢いで母ちゃんは俺を巻き込んでリープした。目の前の景色が霞んでいく。そのリープはとてもとても長かった。リープ独特の感覚に気持ち悪くなってくる。しかし、母ちゃんと繋いでいる手の温もりが癒してくれた。


 何となく分かった。これが最後の、母ちゃんとのリープだと。母ちゃんは生き返る、そんな結末になる、俺は心の中でそう信じていた。強く、強く。だって、母ちゃんは俺が信じるより、ずっと強い人だから。


 ──リープの終わりが見え、その先の光景も見えた。そこは某年4月1日の、実家の俺の部屋だった。母ちゃんが死んだ日。そして、俺の知らなかった、母ちゃんの死んだ場所。俺は母ちゃんの手を、ぎゅっと握った。握り返してくれる母ちゃんの手は、少し震えていた。その手を、ぎゅうっと握る。

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