【92本目】シャフト(2000年・米)
サミュエルとリチャード・ラウンドツリーって7歳しか違わないんだ。
【感想】
サミュエル・L・ジャクソンといえば、MCUシリーズのフューリー長官や【パルプ・フィクション】のジュールスなどの演技が高評価された黒人俳優を代表する存在です。
そんな彼が、世紀の節目に主演を演じたクライムサスペンス映画が、この【シャフト】です。
尚MCUの現ニック・フューリーのビジュアルは元をたどっていくと今作のサミュエル・L・ジャクソンの影響を受けているともいわれています。
【ボーイズン・ザ・フッド】などで知られるジョン・シングルトンが監督を手掛けたこの映画は、1971年に第1作が公開されシリーズ化するほどの人気を得た【黒いジャガー】の現代版リメイクになっています。
90年代末から2000年代初頭にかけて、60-70年代の刑事ドラマが複数リメイクされる、という流れが存在しました。スティーブ・マックイーンの【ゲッタウェイ(1972年)】がアレック・ボールドウィンの【ゲッタウェイ(1994年)】にリメイクされたり、同じくスティーブ・マックイーンの【華麗なる賭け】がピアース・ブロスナン主演の【トーマス・クラウン・アフェアー】にリメイクされたり、といった流れです。
クライムサスペンス映画兼ブラックパワームービーの傑作である【黒いジャガー】が【シャフト】として新しくリメイクされたのもそういう影響があるようです。
ちなみに20世紀末はタランティーノ監督が【コフィ―】のパム・グリアを【ジャッキー・ブラウン】の主演に起用したりと、ブラックパワームービーの再評価も起きていた時代ですね。
【黒いジャガー】第1作と比べると、舞台は黒人コミュニティから外に出て、黒人の受けている人種差別の方にスポットを当てていますね。なんせクリスチャン・ベール演じるレイシストのボンボンが起こした黒人殺人事件を解決させることがメインイベントなので。リメイク元のようにほとんど黒人コミュニティの内部だけに話が終始、みたいな展開を期待すると拍子抜けするかもしれません。
まあ黒人マフィアが登場してシャフトと敵対したり、レイシストのボンボンが黒人マフィアと手を組んだり、さらにそのマフィアがシャフトの元同僚を買収したり、黒人殺人事件の裁判が最終的にああいう結末に終わったりと、この辺の黒人だからと言って決して一枚岩ではないことがわかる展開は正しく【黒いジャガー】のリメイクという感じですが(白人の同僚が【白んぼ】とか言われるあたりもw)。
ちなみにリメイクと銘打ってはいますがどちらかというと続編の方が正しいです。リメイク元の【黒いジャガー】の主人公、ジョン・シャフト(もちろん演:リチャード・ラウンドツリー)が主人公のおじという設定で登場するからです。
こういう先代主人公が登場すると主人公を食ってしまう、ということが続編ものではありがちですが、私立探偵だった先代に対して2代目は刑事(途中辞めるけど)だったり、レイシストを逮捕して浮かれている2代目シャフトに対して初代は事態を冷静に(ある種悲観的に)見ていたりと、ある程度新旧主人公が差別化されている点も見どころです。
【好きなシーン】
のっけから流れてくる【黒いジャガーのテーマ】と原色を印象的に使った映像を駆使したオープニングは心を鷲摑みにされる格好良さですね。
【ビバリーヒルズ・コップ】とか、(絡め手だけど)【ラッシュアワー】とかで黒人刑事が珍しい存在でもなくなってきた時期の話なので、ただ黒人が刑事というだけだとよくある刑事映画になってしまうところですが、このファンク・ソウルミュージックの名曲【黒いジャガーのテーマ】が流れているからこそ、【シャフト】という唯一無二の映画たり得ています。
あとシャフトが刑事ながらいろんな黒人仲間に顔が効いていて、その黒人仲間がTVカメラを前に喜ぶ目立ちたがりだったり前科持ちだったりと出番のわりにキャラが濃いのもツボです。




