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【63本目】アビエイター(2004年・米)

 映画前半のレオ、まだタイタニックのジャックが抜けきってないな。




【感想】


 【アイアンマン】ことトニー・スタークと言えば、金持ちの目立ちたがり屋でしかも女好き、かと思えば天才発明家、はたから見れば変人だけど、どこか繊細な一面もある、というキャラクターですよね。原作者のスタン・リー御大は、ことあるごとに彼のモデルは実在した実業家・ハワード・ヒューズをモデルにしていると語っています(父親がの名前がハワード・スタークなのも多分そこから)。


 【アビエイター】はそんなリアルトニー・スタークな変人億万長者・ハワード・ヒューズの半生を、【タクシードライバー】【アイリッシュマン】を手掛けたマーティン・スコセッシが映画化した2時間50分の大作映画です。




 【ギャング・オブ・ニューヨーク】に次いで2作目の、マーティン・スコセッシ監督・レオナルド・ディカプリオ主演というコンビによって作られたこの映画は、2004年のアカデミー賞で作品賞を含む11部門にノミネートされ、うち撮影賞を含む5部門を受賞した映画です(ノミネート、受賞共に同年最多)。ディカプリオにとってはこの映画が初の主演男優賞ノミネートで、【タイタニック】だけのポット出イケメン俳優というイメージを払拭した映画と言えるかもしれません。




 あくまで富豪実業家の半生を描いた映画なので、スコセッシ映画にしては暴力シーンは薄目かな?と思いながら見てました。実際に直接的な暴力シーンは【ギャング・オブ・ニューヨーク】などの他のスコセッシ映画に比べて少なめでしたが、思い切りのよい行動を次々に実行していく序盤、金と女におぼれた狂乱の人生を歩む中盤、偶然その他が重なって凋落していく終盤、と、脚本の文脈はほとんどギャング映画でした。まあ終盤では一度凋落しながらもなんとか危機を脱して再起するところがギャング映画との違いですが。


 


 他のスコセッシ映画のギャングが銃と麻薬で名声を得るのに対して、この映画の主人公のハワード・ヒューズは飛行機と映画で名声をえます。実際の戦争でもここまで飛ばないぞっていうような数の飛行機を映画で飛ばしたり、映倫無視で当時としてはきわどいシーンの続く映画を作ったり、3日で世界一周したり、自企業の飛行機の受注のためにド派手なパーティーに軍人を呼び寄せたりと、ひたすら破天荒な行動を繰り返します。人によってはそれらの行動にドン引きしてしまうかもしれませんが、【考えるだけで実行には移さないこと】をマジで実行に移してしまうハワードの姿に、憧れを感じる人はそれ以上に多いことでしょう。




 物語は相も変わらず航空企業の現場で指揮を続けるヒューズで幕を閉じ、アメリカン・ドリームを追い求めた男の夢はこれからも続く……という形で幕を閉じます。ハワード・ヒューズはアメリカン・ドリームの擬人化ともいえるような人物ですが、国民の多くがアメリカン・ドリームを夢見ていた時代への郷愁を具現化したのが、この【アビエイター】という映画なのかもしれません。




【キャラについて】


 冒頭で少年期のヒューズが【QUARANTINE】(直訳すると検疫だけど、この映画では感染予防のための隔離)についての説明を受けるシーンは、短時間ながら【あ、過去に何かあったんだな】と思わせるのに成功していますね。


 おかげで自分のやりたいことのためにあらゆることに妥協を許さず、場合によっては不正も辞さない彼を見ても、観客が不快になり過ぎない脚本になっています。




 赤字確実な予算を自腹で切ったりして、金とは別のところ(承認欲求?)を重要視しているのも、元来の大富豪のイメージとは異なるって感じでいいギャップになっています。物語が始まった時点でのハワードはすでに大富豪だから、言うほど金に執着しすぎる必要はないわけですね。




 基本奇想天外な行動を連発する彼に振り回される部下や恋人たち、という形で物語が進んでいきますが、この辺ハワードをモデルにした人物が主役の【アイアンマン】とかなり共通しているのも面白い点です。




【好きなシーン】


 自分を追い詰めるための公聴会で逆に議員のライバル企業との癒着について言及し、傍聴席を完全に味方につけるハワードは、こんなところで好き勝手に弄ばれるだけで終わってたまるか!と言わんばかりの勢いがあって格好良かったですね。【スカーフェイス】の終盤でも敵ギャングに追いつめられた主人公が銃を乱射するシーンが好きなんですが、絶体絶命の状況下で例え悪あがきであっても降参せずに反抗する様は、意味不明なレベルの潔癖症と言う格好悪い素性がとっくに明らかになってるにも関わらず熱くさせられました。




 【市民ケーン】のモデルことハーストやキャサリン・ヘプバーンなど、戦前のハリウッドを知っていたら一度は聞く名前が要所要所で口に出されるところもレトロ映画好きとしたは興味深かったです。ケイトが一回名前を出すジェーン・フォンティンはヒッチコック映画の【レベッカ】の主役ですね。




 あとは【地獄の天使】撮影のための飛行中のハワードが、飛行機に設置してたカメラが吹っ飛ばされた後すかさず操縦席から別のカメラを取り出して撮影を続けるという、彼の用意周到さと頭の回転の速さが垣間見られるシーン、家族同士なのにひたすら会話のドッジボールが続くヘプバーン邸の食事シーンかな。

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