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【36本目】プロジェクトA(1983年・香)

 なんかいずれジャッキー特集と称して色んなジャッキー映画レビューしていきたいとか思ってるんですが、とりあえずジャッキー映画ofジャッキー映画のこれを。




【感想】


 バラエティ番組でジャッキー・チェンの活躍が取り上げられるときや、日本のギャグ漫画とかでジャッキー・チェンがパロディのネタになるときほぼ確実に一緒に取り上げられる映画。つまりはまあ、ジャッキー・チェンの代表作中の代表作です。2010年に行われたジャッキー映画の人気投票では2位に倍近い差をつけて1位になったりもした映画です。




 のちに【スパルタンX】【サイクロンZ】などでも見られるジャッキーとユン・ピョウ、サモハン・キンポーの黄金トリオが見られる作品でもあります(テレビ番組でこの映画が使われるとき、ジャッキーメインで話進むからユン・ピョウとサモハンにはほぼ時間割かれないのがつらい……)。




【好きなシーン】


 もう好きなシーンだらけなので速攻で好きなシーンについて話します。ジャッキー映画はストーリーよりもアクション主体なので必然的に話の大筋よりもシーンで語る映画になります。




 ハロルド・ロイドの【要心無用】にインスパイアされた伝説の時計台の落下シーンは言うまでもなく鉄板なんですが、この映画のすごいところはそこだけじゃなくて、深く考えずにみられるエンタメ系映画だからこそ物語創作のお手本となる要素が随所にみられる、ということです。




 改めて思うのは、創作で真っ先にやらなきゃいけない【キャラ立て】は功夫映画だと簡単にできるんだなーってことですね。ドラゴンが初めて登場するシーンで、


降りた自転車を放り投げるように勝手に駐輪場まで走らせてますけど、あの場面一つでドラゴンの【警察官でありながら規律とか節度にとらわれない】っていうギャップによって一瞬でキャラ立てを完了させてるんですよねー。


 カウンターから落ちそうになるグラスを自然にスッ…と受け止めるジャガーや、雀卓がぶっ壊れても自分の牌を持ち続けて役を確かめるフェイも然り。




 キャラクター同士をかかわり合わせることで、各キャラクターを際立たせる手法も創作では基本ですが、【プロジェクトA】はその手法でも全く外しません。


 前半の喧嘩シーンで向き合ってるときはお互い堂々としてるけど見えないところで隠れてめっちゃ痛がってるドラゴンとジャガーとか、やってることは同じなのにお茶目なとこもある前者とクールでいけ好かない後者ではまるで印象が違います。(ジャガーまでめっちゃ痛がってるところで、なんとなく作品の個性というか、作風が視聴者にもわかる作りになっている)


 でも関係性の描写として白眉なのはやっぱり随所で滅茶苦茶に息の合ったやりとりを見せつけるフェイとドラゴンですね。無言でジャンケンして負けた方が食事代おごったり、ケンカしてると見せかけて銃で脅してる敵に殴りかかる場面とか。警察官(辞めるけど)と泥棒という正反対の立場ながら小学校以来の友達みたいに息ぴったりなので、結果的にお互いのキャラをこれ以上ないってくらいに際立たせてますよ。


 まあそんな感じで気を抜いたら見逃すレベルで自然にキャラを印象付ける行為が繰り返されます。それを繰り返し見せつけられた僕らはキャラクター自体に愛着がわきだすので、気が付いたらアクションシーンだけじゃなくて普通に会話してる、動いてるパートだけでも楽しめるようになっています。


  よく【ライトノベルはキャラ文芸】なんて言われますけど、ワナビの人々にとっては下手なハリウッド映画より参考になるところの多い映画なんじゃないでしょうか?


 


 あと至近距離で手榴弾爆発したり、自転車乗ったまま二階から落下したりと危険なアクションやってるのに、コミカルなノリで進んでいくポップな作風も観てて心地いいです。上記の各キャラを印象付けるやり取りが自然と繰り返し行われるからこそ、それが積み重ねとなって、作品自体の個性になっているんですよね。


 時計台から落ちた直後のドラゴンの「一つ気づいたことがある。引力って本当にあるんだな(これ声に出して喋れる時点ですごい)」というとぼけた発言は、ドラゴンのキャラのみならず【プロジェクトA】という作品自体の個性を表した名台詞だと思います。






 あと中盤の自転車でのアクションシーンも何回も繰り返し見ましたけど、今見ると「へぇー昔の香港の裏路地ってこんな風になってたんだ……」って違うところに興味が出てきますね。

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