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【23本目】テルマ&ルイーズ(1991年・米)

【感想】


 プリキュアシリーズが好きです。全く性格の違う女の子たちが、非日常と戦いの中で、彼女たちなりの友情を培っていくさまが尊いから。


 アメリカンニューシネマも好きです。【明日に向かって撃て!】とか【俺たちに明日はない】とか。たとえバッドエンドな結果が待っていたとしても、主人公たちが自分を偽らずに生きようとする光景が尊いから。




 【エイリアン】【ブレードランナー】のリドリー・スコット監督で1991年に上映されたこの映画は、プリキュアシリーズとアメリカンニューシネマ、その両方の要素が詰まった映画と言えるでしょう。


 二人で主演を務めたジーナ・デイヴィスとスーザン・サランドンは、この年のアカデミー賞で【二人とも】主演女優賞にノミネートされています。(結局受賞したのは【羊たちの沈黙】のジョディ・フォスター。まあしゃーない)


 昨年の【ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド】もレオナルド・ディカプリオとブラッド・ピットのW主演といってよかった構成でしたが、今年のアカデミー賞ではレオは主演男優賞、ブラピは助演男優賞でのノミネートでした。それを考えると、【テルマ&ルイーズ】がいかにW主演映画として高い評価を受けていたか、ということが理解できます。




 少し前の【天気の子】と【ジョーカー】が上映されていた時期、【二つの作品は恵まれない弱者が一発の銃を手にした結果、世界に反旗を翻す話】という点で共通している、って語られ方をされてました(確か新海監督自身もそういってたような?) この【テルマ&ルイーズ】も、一丁の拳銃によってアメリカ社会に反抗する構成になっています。


 ただ【ジョーカー】が後戻りできないレベルにまで狂ってしまった男のもの悲しさが強調されているのに対して、テルマとルイーズのどんどん家族していく犯罪逃避行は話が進むにつれて痛快感が増していきます。


 その理由を抑圧された女性二人が男系社会に生きる傲慢な男性たちに一泡吹かせる映画だから、という、フェミニズム的な視点から語る人もいますが、DVDの音声解説で彼自身が語っているように、リドリー・スコット監督がフェミニズム的視点を意識して製作しているわけではないようです。


 僕もそれは同意見で、この映画の面白さはフェミニズムとかそういう思想は超越してるところにあると思っています。【テルマ&ルイーズ】は鬱屈とした日常を過ごす人間が、戦いと友情の日々の中で己と向き合う物語であり、いわばストレスの多い社会でなんとか自分らしく生きようとする全ての人へのエールとして見られるからです(プリキュアとアメリカンニューシネマの要素ってのはこれねw)。




 だからこそ個人的には、旅に出るテルマとルイーズが若さと未来のある高校生とか大学生とかじゃなくて、30代くらいの専業主婦とウェイトレスが主役って部分にリアリティを感じて魅かれるんですよね。普通の生活に適応しようとして、でもモヤモヤは晴れないままで……という若者時代を過ごしたであろうことが容易に想像できるから。


 多分僕みたいなアラサーの人が見ると、若返ったというか、子供に戻った気分になれる映画かもしれません。




【好きなシーン】


 やはり冒頭気弱でルイーズに引っ張られっぱなしだったテルマが後半になるにつれ急に単独で銀行強盗をやり出したり、ルイーズに撃たれたレイプ魔のことを思い出し笑いしたりとアグレッシブになっていく流れは印象的ですね。


 でよく見たらね、テルマの銀行強盗のシーンってJDと一夜を過ごした直後なんですよね。長いこと夫と不仲だった彼女にとって、いろんな意味であの夜を境に色々満たされて吹っ切れたんだな、っていうのが想像できて興味深いです。


(これ突き詰め過ぎたらセクハラになりそうなので書きませんけど)




 あとは冒頭でテルマが夫相手にコーヒーを渡したり、「夕食は何がいい?」と聞いたりと、普通の主婦っぽく振舞おうとしているくだりが印象的です。【普通】に適合できない人ほど、何とかして【普通】に幸せとかやりがいとかを見出そうとするっていう描写が不遇な人の描写としてリアルすぎて(そして返り討ちに合うところまでがセット)。

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