【133本目】【辛口注意、かも】吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー(1970年・香)
サイコロ丸すぎ
【感想】
香港映画界で【元祖カンフー映画】と言われている映画が、ブルース・リー主演映画でも、そもそもゴールデン・ハーヴェスト社の映画でもなく、ショウ・ブラザーズという映画会社で製作されたということは、あまり知られていません。
当時剣術を使った武侠映画が主流だった1970年代の香港映画において、当時の映画スター・ジミー・ウォングが徒手空拳での格闘戦をメインとした映画を考え付き、監督・脚本・主演兼任で撮ったのがこの【吼えろ!ドラゴン 起て!ジャガー】です。
この映画、物語としては、中国拳法の達人が日本人の空手家に喧嘩を売られたから思いっきり復讐する、というのが軸になっています。まあ大体【ドラゴン怒りの鉄拳】と一緒っすね。
映画の作風を一言で挙げるとすれば、【荒唐無稽】の一言に尽きるでしょう。
この格闘スタイルは空手っていうのか?この構えも剣道じゃなくないか?つーかなんで剣道着とかじゃなくて浴衣着てるんだ?てかこんな邦題なのにダブル主人公とかじゃないんだ?と、細かいツッコミどころを上げていくとキリがありません。
またジャッキーやブルースを見た後だと、肝心のカンフーアクションも未完成感が否めないです。
一戦ごとのカット割りは多いし(ブルースとかと比べて)あんまりキレがあるようには見えないし、吐血とか目つぶしとか首切断とかグロ描写多すぎて逆に何かごまかしてる感がありありだし。
後半短剣や日本刀使い出すからカンフー映画かどうかも怪しくなりますし。
ただそういった荒唐無稽さゆえに楽しい映画なのも確かなので、ステイサムやセガールがよくやる悪者を片っ端からボコボコにしてスカッとする映画が好きな人にはオススメの一本かもしれません。
細かいこと考えなくて済む、という点ではある意味ブルースの映画よりも優れてると言えますし。
なお当時米国にいたブルース・リーがこの映画を見て「この手の映画なら俺の方がもっとうまく撮れる!!」とキレながら香港映画界に帰還した、というエピソードがあります。(多分その結果できたのが【ドラゴン怒りの鉄拳】ですね)
なのでクオリティはともかくこの映画がなければブルース・リーの活躍もなかった、と考えると、俗にいう【偉大なる駄作】の一つかもしれません(当時はヒットしたらしいので駄作ではあっても失敗作ではない。はず。)。
【好きなシーン】
活気のある下町風景・賭博場風景とか、パンを印象的に使うカメラワークとか、揺れるランプのアップの後死屍累々とした道場の風景を映す、とか、カンフー以外の要所要所の部分、特にカメラワークでは光る箇所も多かったですね。
あと特に必然性とかないのに気合の入ってるレイプ描写なども見どころ。




