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【127本目】ゼイリブ(1988年・米)

 あのサングラスでドキュメンタリー番組とか見たら、そのままなのか【OBEY】のテロップ流れるだけなのかが気になる。




【感想】


 ジョン・カーペンターと言えば、【ハロウィン】のような低予算ホラー、【遊星からの物体X】のようなSFホラー、【メタルギア】シリーズの元ネタにもなった【ニューヨーク1997】のようなディストピア近未来ものと、ダークな作風のSF・ファンタジー映画においては突出した才能を誇る監督です。




 そんな彼が、【支配者は知らぬ間に侵略を行い、我々市民を洗脳している】という胡散臭い陰謀論から(多分)着想を得て製作したのが、1988年の映画【ゼイリブ】です。目に見えるものが真実とは限らない、という映画ならではテーマを扱った本作は、カーペンター監督の他作品に同じく現在でもカルト人気の高い一作です。




 市民たちは当然のように働いてるけど、実は人外に洗脳されている世界、という後年の【マトリックス】を彷彿とさせる世界観(人間側に寝返る奴がいるのも一緒。実際、ウォシャウスキー姉妹も影響を受けたらしい)ですけど、僕としてはよく言われる【統治者が知らぬ間に市民を洗脳する構造】の風刺、という要素にはさほどノレませんでしたね……(もちろん全否定はしないけど)


 【金持ち連中が社会を洗脳しているのが悪い】って陰謀論は深く考えなくて済むから楽だけど、いろいろなニュースとか総合して考えてみると「現実はそんな単純じゃなくて、いろんな権力関係が入り組んだ結果誰も意図しないままに今の状況が起こっている」という方が事実に近いわけですから。


 侵略者たちの骸骨のような醜い外見、貧困層の主人公たちがひたすら暴力で侵略者たちを血祭りにあげる展開などから言って、どっちかというと【ジョーカー】などと同じ、【貧しい市民たちが持つ、富裕層や資本主義への鬱屈とした感情】を代弁した映画のように僕には見えましたね。レーガノミクス真っただ中の1980年代で、正に貧富の差が拡大しつつあった時代の映画だからこそ余計にそう思います。


 なおネオナチがこの映画に「世界を支配するユダヤ人の風刺」と主張して、カーペンター監督がそれを真正面から否定したという逸話もあるとかw




 余談ですけど、主人公がいくら肉体労働者でも宿無しホームレスなのにゴリゴリマッチョマンなのがきになるw多分今リメイクされるとしたらロック様主演なんだろうなー。




【好きなシーン】


 一つ思ったのが、主人公とフランクのストリートファイトのシーン長くない?とw


 いや侵略者の洗脳が進んでいる状況下なのに仲間割れをする人間たちを描写してたんでしょうけど、それにしたってマジで殴り合いしすぎだろ、とw明らかにラストの銃撃戦よりも気合が入っていたような気がする。


 でも、社会全体が資本主義の歯車と化した社会で、鬱屈した感情をぶつけるためには暴力しかない、という【ファイト・クラブ】に似た要素を、あの長い殴り合いの中には一応見いだせなくもないかな。




 あとサングラス越しに見た広告がどれも一律に命令口調の単調な英単語ばかりで、共産主義国のポスターを彷彿とさせる絵面だったのが、なんかすごい、(僕が勝手に感じただけかもだけど)皮肉が効いてると思いましたね。




 前半のホームレスのキャンプ地と、遥か彼方にある金持ちのいるビル街、という格差構造を強調した風景も印象的でした。

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