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【117本目】【ネタバレ注意、かも】ユージュアル・サスぺクツ(1995年・米)

 ジョジョ5部の何巻だかの扉絵がこの映画モチーフって聞いたのがこの映画知ったきっかけ。




【感想】


 映画ではミステリの叙述トリックの変形として、【信頼できない語り手】という手法を使った映画が評価されることがよくあります。すなわち、一人の語り手に事件などのいきさつを語らせた後で、その語り手が実は信頼できない人物で事実は丸々彼の証言と異なっていた、というミスリードの一形式です。


 ミステリとは違いますけど、黒澤明の【羅生門】とかが【信頼できない語り手】を使用した映画としては有名ですね。




 【ユージュアル・サスぺクツ】は正にこの方式を使用した映画として、上映された四半世紀位経過した現在でも話題にされることの多い映画です。


 その方式が評価され1995年のアカデミー賞では脚本賞を受賞したほか、ケヴィン・スペイシーもこの映画で同年のアカデミー助演男優賞を受賞しています(この受賞結果を先に見たからなんとなく黒幕を察せてしまっただなんて言えない……)。




 後に【ボヘミアン・ラプソディ】の監督を手掛けるブライアン・シンガー(降りちゃったけど……)や、後に【ミッション・インポッシブル】シリーズなんかの脚本も手掛けることになるクリストファー・マッカリーという豪華なスタッフが製作した映画ですが、やはり上記の通りケヴィン・スペイシー演じるヴァーバル・キントの回想パートを主軸に置いた脚本の秀逸さにこそ、この映画の魅力が詰まっているといえるでしょう。


 ストーリーがキントの回想シーンを追う形で物語は進んでいきますけど、この回想シーンにはいくつか(僕はいくつか、だったけど察しのいい人はもっと多いかもしれない)の【なんか変だな?】と思う箇所が見られます。


 【ベニチオ・デル・トロのこいつ、フェンスターって名前の感じじゃなくない?メキシコ系だし……】【コバヤシって名前だけどピート・ポスルスウェイトじゃん!バリバリの白人じゃん!】などの【微妙な違和感】を、回想シーンに対して持つことになるのです。


 聞き手であるクイヤン捜査官はあくまで言葉として聞いてるから何の違和感も持たずに聞いてますけど、我々は映像越しに彼の語りを追っているので言葉と映像の微妙な食い違いに違和感を持つことになります(聞き手が普通に聞いてるので、違和感を持ちつつもスルーせざるをえないのがポイント)。


 結果ラストで真相を知った我々は、その違和感にも【あー白人のコバヤシもそういうことか!!】と一種のアハ体験的カタルシスを味わうことができる、という脚本なわけです。




 また終盤ではキートンがカイザー・ソゼの正体、ってところをいかにもクライマックスの事件解決パートっぽく(過去の映像もおさらいっぽく振り返って)強調して事件解決!と思わせておきながら、ラスト5分でものの見事に全部ひっくり返す!という巧妙なミスリード。


 あの【正体はキートン】というパートは、【このケヴィン・スペイシーがカイザー・ソゼなんじゃ?】と疑ってた観客たちに提示された、【それは違う】というミスリードでもあったのかもしれません。


 そんな感じでラストで盛大にどんでん返しさせる映画でありながら、シナリオが決して【信頼できない語り手】に頼るだけに終わっていないのがこの映画の魅力となっています。


 脚本で魅せたい物語を作りたい方にとっては、一見の価値ありの映画だと思います。




【好きなシーン】


 改めて見るとクイヤン捜査官は最初からキートンを疑いにかかってて、彼をとっつ構えるためのでっち上げ材料としてキントの回想を聞いていますね。この映画ではキントのみならず、彼もまた【信頼できない語り手】だったのかもしれません。




 あとラストのクイヤン捜査官の「今出て行った男は!?体の不自由な奴だ!!」と問いかけるシーンが奇しくもまんま「ばっかもーん!そいつがルパンだ!!」で笑いこけましたw

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