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猫、救われる。

作者多忙のため、短め遅めで進行します。

「あん、あん、あん!(おいちゃん、おいちゃん、それなん!)」


「うぉん!(森、奥、落ちてた。)」


 どうやら、子供が興味津々のご様子。

ここで、媚売っとけば助かるかもしれない。

意識が飛ぶ前に、ひと鳴きだけでも鳴かないと・・・。


「にぃ~(にゃ~)」


 僕の意識はここで途切れた。


「あんあん。(いきてる?ちっさいね。)」


 おいちゃんと呼ばれた彼は考えていた。

この小さな子が興味を持っているこれをどうするか。

これは食べる肉も少ないし、別に何の力もありそうには見えない。

小さな子に与えても危なくはないだろう。

そして、この小さな子は王の子だ。

この子がこれを気に入ればもしかすると王からご褒美がもらえるかもしれない。

気に入られなくても、獲物を上げたのだから株は上がるだろう。


「わふっ。(これ、肉少ない、やる。)」


「あん!あん!(いいの、おいちゃん!あいがとお!)」


 欲にまみれた大人な考えが、心の底から嬉しそうな子を見るとどうでもよくなる。


「ふん。(ほら。)」


 子どもは両手で体を包むように受け取った。

少しぐったりしているのを見て死にそうなんじゃと思い慌てておいちゃんに聞く。


「あん!あん!(おいちゃんこれしんじゃう!どうしおー。)」


「うぉん、うぉん。(オババ、頼め、まだ間に合う。)」


「あん。(わかった、オババにみせる。)」


 子供はおいちゃんに背を見せると村の中央に向かって駆けだした。




 村の中央、そこは群れのボスや家族、幹部が住んでいる場所である。

そこに住んでいる幹部の一人に村の医者なども務めているメイジのばあさんがいる。

ばあさんは、村で唯一の回復系魔法のヒールを覚えているので幹部として中央に住んでいる。

だが、モテないので独身だ。

理由は、オスより強いから。

ちなみにばあさんと言われているが人間でいえば27,8といったところである。

余談ではあるが彼らは求婚の際に必ずオスとメスが戦う。

勝たねば嫁にできない。

しかし、彼女より強いものは別のものとつがいになっており、彼女のお相手は群れにいない。

そんな彼女の一番は王の子供でもある男の子。

独り身の彼女を心配して、『いつかオババより強くなってやる』と言ってくれる優しい子である。

その彼が助けてと駆け込んできた。


 彼女は瞬時に杖を持ち立ちあがった。


「ぐるぅぅぅぅぅ、うぉんうぉん!(坊、敵はどこだい!!殴り殺してやるよ!!)」


「あん!あん!あん!(ちがうお、これ、しにそおーだからたすけて。)」


「きゃん!くぅ~~ん。(早とちりしちゃったわ。これ治せばいいのね、任せときなさい。)」


「あん。(おねがい。)」


 坊のお願いは、王の命令よりも彼女の中では優先順位が上なので即座に対応される。


「ヒール。」


 こうして、猫は最初の死を回避するのであった。

何かお気付きの点がありましたらご指摘ください。

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