第10話
幸せ気分たっぷりな主人公雄馬に、、、
一樹の家に着いた俺は、幸せの余韻に浸りながら、ぼーっとしていた。
その時だった、あのケータイが鳴り響いた。
『もしもし』
『やぁ雄馬くん、気分はどうかな?そろそろ僕の手助けが必要かなと思ってね。』
『あ、いや、その、、どちらかというと必要としていないっていうか、何というか、、、。』
『あ、そうかい?じゃ電話を切るよ。』
『ちょ!ちょっと待って下さい!あなたに聞きたい事があるんです。』
『そうか、、仕方ない、、聞いてあげよう。』
俺は、おっさんの、若干偉そうにしている態度が
少し鼻についたが、自分の置かれている立場も考えて、グッとこらえた。
『初めから気になっていたんですけど、、、どうして俺にこのケータイをくれたんですか?そして
どうして、この世界に俺が来たのかを教えて下さい。』
『それはまだ答えられない。出来れば、現時点では、君自身にその理由を考えて欲しい。例えば、君は今どんな気分だ?』
『どんな気分かって聞かれると、、悪くはないです。』
『悪くないとは?』
『いや、悪くないというよりも最高です。』
『最高か、、、元の世界で、アルバイトをしパチンコ屋に行き、アニメを観て、ゲームをして毎日同じような生活を繰り返しをしていた君が、今の気分になっている自分を想像できただろうか?』
『おっさん、なんで俺のこと、そんなに知ってるんだ?』
『いいから質問に答えるんだ!君はなぜ、今、最高だと思っている?』
『なぜって、、大好きなアニメの世界に来れたから、、、じゃないか、、自分の気持ちに素直になれたからかな。ずっと、自分でも分からない劣等感みたいなものが、腹の底にあって、それは自分が前に進もうとしないで、立ち止まっていたせいだって分かって、世界が変わって見え始めた。その自分自身の変化が最高だって感じます。』
『そうか、では君に言っておきたいことがある。確かにその世界で君は他人の仮面を被ったかもしれない。でも、そこで行動し、生きた時間は君のもので、君の人生だ。絶対に忘れるな。、、、そこまで実感があったなら、もう十分だな。君を元の世界に返還する。』
『え、ちょっと、なんでそうなるんすか?どういうことですか?』
『急だと思うかもしれないが、君にとってはいいタイミングだ。では、返還する。』
『ちょ、おっさん、待ってくれよ!』
電話が切られると、吸い込まれるかの様に、世界が消えていった。
第2章へ続きます!




