↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/81

ササキさん達のダメだし

 結局いろいろ考えて4時間目が終わると私は後ろの席を振り向きウエダに言った。

「ごめん、ちょっとササキさんに用事があるって言われたから、そっちから先に済ませてきてもいいかな?」

「さっきメモ渡されてたやつ?」

「…見てたの?」

「お前ササキとあんま話した事ねぇのに何の用?」

「私もわかんない」

そういうとムッとされた。「オレの方が先だったんだから断れば良かったんじゃねぇの?」

女子から話があるって言われてんのに男子を優先させるのはちょっと。

「ごめん」と私は素直に謝る。「あんまり時間かからないと思うんだけど、ウエダ君の明日じゃダメ?班も一緒だし話す時間あるかも…」

「待ってる」とウエダは言う。「早く戻って来いよ」

「あんまり遅くなるようだったら先に帰っててくれても…」

「待ってる」



 ササキさんに渡されたメモの通り、非常口の手前の階段のある所へ向かう。

 誰もいない、と思ったら階段の脇の囲みになっている壁の後ろから、のそっとササキさんとハルノさんが出て来た。

 ハルノさんも来てんの!?私にはアキラを連れてくるなって言っておいて。

 鬱陶しいな!



 「良かった」

ササキさんが良かったなんてチラとも思っていないような淡々とした表情で言った。「やっぱりイマイさん連れてくるかもと思ってたんだよね」

「連れてくるなって書いてあったから。それにアキラは合宿の班長になってるから先生んとこ行ってる」

でもそっちはハルノさん連れて来てるよね!と思いながらムッとして答えた。

 「だってイマイさんがいると緊張するじゃんね?」とササキさんが言い、「だよね~~」とハルノさんが続く。

 緊張?苦手とかじゃなくて?



 「今日話したかったのはカミバヤシさんのキャラについてなんだけど」とササキさんが言い出した。

 へ?

「やだ、ぽかんとしてる~~」とハルノさんが私を見て微妙な抑揚を付けながら言った。

 うざっ!喋り方うざっ!

 「結構わざとやってるでしょう?」ササキさんに嫌な感じの笑みを浮かべて聞かれた。

「…何を?」

キャラとかわざととか、なんでそんな事この子たちに言われなきゃいけないんだ。


 「これ秘密にしといて欲しいんだけど」とササキさんが言う。「私、毎日好きになる人を設定してるんだよね」

「へ?…えぇっ!?」素っ頓狂な大声を上げてしまった。

「ちょっと、声張り過ぎじゃない?」とハルノさん。

 …なんかハルノさん邪魔だな。

 「バカみたいだと思ってるでしょ?」とササキさん。「まぁ気持ちはわかるよ」

いや、私こそ気持がわかるよ。ばかみたいだな、って思いつつやってたもん。

 それを私以外にも、しかも同じクラスの子がやっていて、それを私に話してくるなんて。


 

 ううん、と首を振りかけたところに「思っても別にいいから」とササキさんが強気に言った。

「私は可愛いと思うよ」とハルノさんが口を挟む。

 …なんかハルノさん邪魔だな。

「まずね、」と説明を始めたササキさんだ。「朝一でその日の好きな人を決めるわけ。誰かと話してる笑顔が良かったとか、喋り方が良かったとか、私にも話しかけてくれたとか」

 ササキさん達、コアでマニアックな趣味の話しかしないのかと思ってた…

 それでもうんうん、とはうなずきながら「マジやべぇ私とほとんど一緒」と思う。

 一緒一緒ほぼ一緒、こんな形でササキさんとカブるとは…

 親近感と気持ち悪さがまぜこぜになった感情で、なんかよくわからないが笑ってしまいそうになるのを必死で我慢した。




 「結果的にねぇ、ウエダと水本が最多だったんだよ」

そう言ったササキさんに、横でうんうんとうなずくハルノさん。

…ハルノさん邪魔だな。

 ササキさんが続ける。「それでウエダと水本を見る事によって、ウエダと水本が結構見てるカミバヤシさんを見る事にもなってさ…カミバヤシさんは何?それは何モテ状態?」

 何モテ状態って…実際の所迫られてるのは同性のアキラにだけだからね。それも本当の本当に本気かどうかよくわかんないんだから。めんどくさいんだから。

「それでカミバヤシさんは水本が好きなの?それともタケノシタ?」

「…」

「どうなの?」と合いの手のように聞くハルノさん。

 ハルノさんを思い切り睨む私。



 私は小さくため息をついてから聞いた。「それを聞くために私を呼び出したの?」

 「聞くためっていうか」とササキさん。「話すと長くなるけどいい?」

そう言ってササキさんが話始めたのはこういうことだった。

 自分はウエダと水本を結構好きな人に選んだし、実際好きだとも思っている。ぶっちゃけかなり好きだ。そしてどっちかと言ったらウエダの方が余計に好きだ。だけど別にウエダと付き合いたいとか本人に好きだと言いたいというわけではない。なぜならウエダと自分は釣り合わないからだ。少女マンガではよく、かっこ良くてモテる男の子が自分みたいな地味系の女子をどういうわけか好きになったりもするけれど、それを自分と置き換えてみるとかなり気持ちが悪いと自分でも思ってしまう。自分はすごく、自分の事を客観的に見れるから。でもウエダの事は気になる。気になるから見る。ウエダはカミバヤシさんの事を結構見てるし気にかけているようなのに、カミバヤシさんはそんなウエダの気持ちを無視して…

「だからって」と、ササキさんは言う。「カミバヤシさんの事が嫌いってわけじゃないからね。今日一つ動きが悪いけど」

 動きが悪い?





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。