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班で話し合い


 「ねぇ?心配しなくても大丈夫だよ」とユリちゃんが言う。「誰にも言わないし、私だけしか気付いてないと思うよ?イマイさんでさえ気付いてないと思うよ。気付いてたらたぶんジュンちゃんに何か言ってると思うもん。でも…ウエダ君は気付いてるかもね、だって…」

「だってなに?」

「ジュンちゃんの事すごい見てるから!」

マジで!!

「…それ、ほんとに?」

「そうそう。これも見守って行こうと思ってたんだけど。席順か名前順の班だったらね。でもほらカリヤさん入って来たし。他にもウエダ君好きな子はいるけどカリヤさん、一見おとなしめだけどガンガン来る感じだから。そういう人がいるとジュンちゃん、どうぞどうぞ!って感じになりそうだからそれも面白そうだったんだけど」


 

 うん、と思う。私もそれ、自分が含まれてない話だったら面白いと思うけど。

「取りあえず言わないでいてくれるんだよね?ほんとにいいなって思ってるだけなんだよ、タケノシタ君の事。だから本人にもだけど、タケノシタ君の友達とかにバレたらすごくタケノシタ君に悪い感じがするから誰にもバレたくないの。…それにタケノシタ君が気持ち悪いとか思ったらいけないから私、もうあんまり見るの止めとく」

「え~~!?そんな事ないのに。タケノシタ君なら気持ち悪いとか絶対思ったりしないよ」

そんなこと絶対思わなさそうな人にそう思われたらすごいショックでしょ?


「うん」と私は笑顔を作る。「そう思うんだけど、でもいろいろ気まずくなったらいけないから」

「そうなの!?じゃあやっぱ私が気付いてるの、言わなきゃ良かったな。ごめんね」

そこでごめんねって言われるのも変だけど。

「そんな事ないよ。ありがとう」

「ありがとうって言われる事でもないとないと思うけど」とユリちゃんは笑う。

「ううん。ユリちゃんにバレてんのがわかって良かったよ」

これからもっと気を付けられる。

「アハハ」とユリちゃんは嬉しそうに笑う。「良かった、なんかジュンちゃん私が思ってた通りの反応」




 そんな感じで決まった野外研修の班だったが、野外研修を来週に控えたホームルームで班ごとに分かれて活動内容の確認をすることになった。

 イケダユリちゃんにバレている事がわかってから1週間、好きな人設定を止めようと思ったのだけれど、せっかく1カ月以上も続けているのに止めるのも嫌でそれは続けることにした私だ。

 なんなんだその決意。

 今まで以上に気を使ってそのターゲットをチラチラとも見ないようにする事。まぁでもチラッと見て、家に帰ってその人の事をちょっと考える。

 …なんかすごくバカみたいだけど。



 そのユリちゃんとも前よりよく話すようになった。が、ユリちゃんは私の「好きな人」に関しては約束通り誰にも言わないでいてくれているようだし、私にさえももう何も言わないことにしてくれていた。バレたのがユリちゃんで良かった。

 アキラとも今まで通りだ。

 日直を終えた後では、ウエダも私には話しかけてこなくて、やっぱり私の事を好きそうな感じで水本が言ったりしていたのは、ただ水本がそう思い込んでいただけだと思い始めた。

 ウエダが私に何も話しかけないので、アキラもウエダの事を何も言わなくなった。

 カリヤさんが隙あらばウエダに話しかけているのを何回か見かけて、「お~~~」と思い、それを全く気のない感じで、あるいは無言で、あるいは超機嫌悪く返すウエダを見て、アキラから聞いた友達の話と、私の従姉妹のチハルちゃんの事をしょっちゅう思い出した。

 せっかくそこまで好かれてんだから、もちょっとは愛想良くしてあげたらいいのに。

 


 教室に入って来た水本が言った。「じゃあ班ごとに分れて~~。班長とか決めます。はいここから、1班、2班…」

そう水本が場所を指さしていく。

 私の入る6班の場所は「ここ」だ。私とイケダユリちゃんとウエダは動く必要がない。

 あれ?水本、今日は髪の毛をくくってない。いや、くくってないだけじゃなく、襟足より少し短い、整えてるのか整えてないのかよくわからない髪型に変わってる。自分で切ったのかな。でも水本に似合ってて、髪の毛短いのも結構カッコいい。

 見ていたらバッチリ水本と目が合って反らしてしまった。

 ユリちゃんが小声で言うのが聞こえた。「ウエダ君、席替わってあげよっか?」

「え、あ、」急に言われたウエダが立つのが遅くて、もう隣にはカリヤさんが瞬間移動のように現れた。そして当たり前のようにウエダの隣のタカハシ君の席に座る。

 


 ガタッ。あ、タケノシタ君が私の前の席に来た!

「よろしく~~」と私たちに軽く手を挙げながら言う笑顔が爽やかだな。

 この1週間でまた2回、好きな人にタケノシタ君を選んでしまった。うち1回は他校にいる彼女の事をちょっと嬉しそうに話してるのを見たからだった。

 ちなみに今日は、朝バスの中で私が座れるようにそれとなく席を詰めてくれた、たぶん2年生の男子。朝以来1回も見かけていない。

 クラス委員のハセガワ君もやって来て静かに座った。

 そしてハセガワ君が座るなり淡々と言った。「じゃあオレ以外で班長選んでね。オレ、委員の仕事があるから。じゃんけんでいいじゃん。早く決めよう」


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